にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - デッド・フレンド・リクエスト(2016)

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デッド・フレンド・リクエスト

★★★★☆

 

【あらすじ】

女子大生のローラは友達や恋人に恵まれたウルトラスーパーリア充で、SNSにそのリア充っぷりを遺憾なく発揮していた。

 

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そんな中、マリーナという同級生から友達申請のリクエストがあった。マリーナはSNSの友達数が0で、黒いパーカーのフードを常にかぶったかなり地味な奴だったが、ローラは彼女の投稿する奇妙な動画のセンスに惹かれて友達承認。初めての友達ではしゃぐマリーナはローラと遊ぶ約束を執拗に取り付けようとするが、そこまで親しくはないので華麗にスルーしていた。

 

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しかしこの行動がマリーナの逆鱗に触れ、「わたしたち友達でしょ!」と暴走。取っ組み合いになってしまうがマリーナのフードの下の姿が露わになり、そのまま逃げるように立ち去った。他の友だちに「ローラのせいじゃないよ」と励ましてもらったが、週が明けた月曜日、マリーナが自殺したという連絡が入った。うそでしょ…?そしてそこからマリーナの呪いが始まる。友達を一人ずつ殺していき、さらにその殺人動画を勝手にローラのアカウントでUPし、さらに友達全員にタグ付けして全員のタイムラインに載せていったのだ。何故か動画を消すこともできなければ退会も出来ない。ローラの人格が疑われどんどん友達数が減っていく。そして一人、また一人と大事な友達が死んでいく。一体どこまで続くのよ〜!な、話

 

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【感想】

未体験ゾーンの映画たち2017」にて。ドイツ発のSNSホラー(でも言語は英語)。似たようなSNSを使ったホラーといえば「アンフレンデッド」がありましたね。あれはskypefacebookを巧みに利用したPC画面だけで展開される珍しい構成だったけど、こちらはティーンエイジャー向けのわっかりやすいホラーという感じ。濃いめにホラーシーンや大音量でのビビらせを展開し、超絶リア充だったローラがどんどんひどい目に遭っていく姿はかなり痛快でした。

「ここでビビらせ来るぞ!」と思わせるベタなカメラアングル(冷蔵庫を開いて飲み物を飲み、閉じると…!みたいなの)が結構出て来る割に、こちらの予想から少し外して思いっきり来たり、そうかと思えば変化球なしド直球ストレートにビビらせてきたりと、起伏の激しいビビらせは結構疲れるけどここまで正統派なビビらせで来てくれると逆に好感が持てましたね。是非大学生グループでキャッキャ言いながら見てください。

 

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ド直球の例

 

完全にSNSのUIはfacebookなんだけど、よくよく振り返ってみると一切その名前が出てこなかったのがすごいな、と思った。呪いで退会出来ないし、運営に問い合わせても「無理っすね」みたいに突っぱねられて印象が良くないのであくまで架空のSNSにしているような気がする。しかしインターネットから攻めてくるような、時流にのっとった悪霊のホラー、今後も様々なパターンで出て来るんだろうな〜。

 

【予告】


SNSホラー関連】

 

ちなみに今作の主役はローラで、「アンフレンデッド」で呪いをかける女の名前もローラでした。SNSホラーにローラあり。

映画感想 - ザ・モンスター(2016)

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ザ・モンスター

★★★★★ 

 

【あらすじ】

キャシーは、一人娘のリジーと二人暮らし。アル中でシングルマザーのキャシーの生活はだらしなく、身の回りの世話や家事は全てリジーが行なっていた。言い争いをしながらもお互い支え合って日々暮らしていたが、リジーの将来のことを考えて別れた父親の元に預けることを決心する。出発直前まで眠り込んでいたキャシーだったが、何とか叩き起こして車を走らせる。旅路は夜中まで続いた。暗闇が広がる大雨の森の中を車でかっ飛ばしていると、突然目の前に現れたオオカミを避けきれず衝突し、その衝撃で二人とも軽傷を負った上に車も動かなくなってしまった。

 

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JAFみたいな補修サービスと救急車を呼んで待っていたのだが、気がつくと完全に死んでいたはずのオオカミが忽然と消えていた。さらに何か、ただならぬ気配を感じる。車の整備工がようやくやってきて修理に取りかかっていたのだが、そこに満を持して「怪物」が現れ、餌食となる…!このままだと二人もやられる!キャシーとリジーの運命やいかに。

 

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 整備工〜!うしろうしろ!

 

【感想】

未体験ゾーンの映画たち2017」にて。「母と娘が森で怪物に襲われる」という手垢のついたプロットながら、その怪物は二の次にして母と娘の愛憎入り混じった絆を綿密に描いた力作。非常にエモーショナルな仕上がりになっていて、単なる怪物もので終わらない良さがありました。これは良いですよ皆さん…。

 

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森の中だけで90分見せていくのに全く退屈しなかったのは、やはり合間に挿入される母と娘のエピソード。娘主演の学校の演劇発表会を見に行くつもりだったのに「大嫌い!来ないで!」と突っぱね、母もそこで「クソガキ!クソガキ!」と連呼してしまったり、断酒中で娘に応援されているのにどうしても辞められずに酒を飲んでしまった挙句にトイレで酔いつぶれてしまった母を娘が優しく抱きしめる…など、ケンカばかりしているのに離れることの出来ない共依存の関係が生々しく描写されていきます。

 

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この微妙な関係性が、圧倒的な力で食い殺そうとする怪物と対峙することでようやく崩れ、自分たちの素直な感情をぶつけ合うようになる…という流れが非常に美しく、感情を揺さぶられました。生きろ!生き延びてくれ!そしてそう応援せずにはいられない見事な構成でしたね。「あんただけは逃げて生きて欲しい!何故ならあんたはあたしが生きてた証だから…」という母の使い古されたセリフも絶体絶命の状況で感情移入もしまくってるのでむちゃくちゃ染みましたわ…。

 

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怪物は暗闇でなかなか姿は見えないながらも、CGに頼ってないアナログな感じが懐かしく、しかし恐怖感とインパクトとビビらせはかなりのもの。正体とか、何故この森に…?とか、そういうのはマジで解明されないんだけど、ほんとそんな些細なことはどうでもいいんです。この二人の絆がテーマであり、怪物はそれをお膳立てしてくれる存在にすぎない使い方も、下手すればどっちも中途半端になりそうだけど、巧みな構成で飽きさせずに最後まで楽しませてくれた監督の手腕に感謝。次作に期待。これはオススメです。

 

【予告】

映画感想 - アブノーマル・ウォッチャー(2015)

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アブノーマル・ウォッチャー

★★★☆☆

 

【あらすじ】

ライアンとクレアの夫婦は、近々うまれてくる子供のために新居へ引っ越した。しかしこの家の大家は完全にキモいおっさんで、クレアは不審がる。しかしライアンは気にせずにこの家を気に入って入居することに。しかしタイトル通り、おっさんは事前にめちゃめちゃ小さい監視カメラを仕込んでおり、思いっきり生活を覗き見しておった…。さらにライアンもおもくそ不倫をしておった…。

 

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ずっとこの顔

 

【感想】

完全なるきもいおっさんがきもい挙動で生活を覗き見する映画。おっさんがきもすぎて笑っちゃうレベルで良いです。同じような覗き見映画の「ハングマン」があったけど、こっちはおっさんの「顔力」がすごいのでこっちはこっちでよかった。きもすぎ。

 

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 覗き見る登場人物、もれなくクソ人間なのが最悪でよかった。ライアンは会社のアシスタントの巨乳ちゃんのハンナと嫁不在の家に呼んでおもくそ不倫をするし、ハンナはハンナで重い女で家に突撃してきたり…。だんだん全てを見ているおっさんに「制裁したれ!!」と肩入れしながら見てしまうという謎の構図も発生して新鮮でしたね。なんでこんなきもいおっさんを応援してしまったんだ…という気分になりました。

 

 【予告】

 

【覗き見関連】

映画感想 - グリーン・ルーム(2015)

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グリーン・ルーム

★★★★★ 

 

【あらすじ】

売れない4人組パンクバンド「エイント・ライツ」は他の車からガソリンを盗みながら、地方のライブに出演するために車を走らせていた。しょぼいバーで演奏したあと、「もうちょっと稼げる場がある」と紹介されたとある山奥の会場はネオナチに傾倒するやばい奴らの巣窟だったが、あえてロックに「ネオナチぶっ殺す!!」みたいな曲を披露し、ブーイングがありつつもそれなりに盛り上げて手応えを感じた。

 

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帰路につこうと思った時に、事件は起こった。メンバーの一人パットが忘れた携帯を取りに楽屋に戻ると、なんと頭にナイフが突き刺って死んでる女がいた。そしてそれを眺める屈強な男たち。さらにパットに「警察呼んで」と泣きつく死んだ女の友達とおぼしき女。えっ、何この状況…???ネオナチ男たちは「何故鍵をしてなかった!」と激怒し、抵抗するパットを含むエイント・ライツ全員を部屋に閉じ込めてしまった。見た者は消す、そんなただならぬ危機的状況に包まれた中で、パットたちは生きてここから帰ることができるのか…?

 

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 【感想】

孤独な男の復讐劇を描いたバイオレンスの傑作「ブルー・リベンジ」のジェレミー・ソルニエ監督の長編二作目。パンクバンドVSネオナチの緊迫の密室バイオレンスなんだけど、おんんんんんんもろすぎわろた!超絶おもしろ!!!!!突然バンドが一気に危機的状況に置かれ、様々な抵抗を試みるも、あれよあれよというまに大ピンチに追い込まれる。もうあかん!全員死んで終わりや!!と思ってしまうぐらいの完全なる絶体絶命にもかかわらず、そこからまたさらに幸運とも言えるほどの逆転につぐ逆転!それがまた気持ちいい!密室劇として最高の出来っっ!!

 

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バイオレンス描写も「ブルー・リベンジ」以上に過激になっており、手がちぎれる寸前まで斬りつけられる、猛犬に首根っこを食いちぎられる、ショットガンで顔面破壊、サーベルで首を斬りつける、などなどめちゃめちゃリアルで痛々しく描写!それがまたマジで逃げられないやばさと誰もが死神に鎌を突きつけられてるような超絶的緊迫感に昇華するんですよ!!それだけに、そこからの終盤のバトルは本当に目の覚めるものでした。

主演は26歳で事故死してしまったアントン・イェルチン。アンニュイな感じのかすれた声と甘いマスクから想像もつかない燃えあがる炎のような迫真の演技が最高でした。何で死んでもうたんや…?惜しすぎるでホンマに…。その他「X-MEN」のプロフェッサーX役パトリック・スチュワートがネオナチのボス、「ブルー・リベンジ」のメイコン・ブレアなど盤石の体制。

 

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また、タイトルにもあるとおり、「緑」がまた印象的に残るのも監督の手腕を感じました。自然の緑、照明による緑、バンドメンバーの髪に染まった緑、身につけたアイテムの緑と、これでもかと緑を全面に押し出してくる。そしてそれが鮮血の赤と人を殺す感情の黒で部屋が染まっていくという流れも対比の演出としてストーリーの盛り上げに一役買っている印象でした。監督〜!!すごいから〜!アントン・イェルチン、まじで最高のバイオレンス傑作の主演で人生の幕を閉じたのでそれだけは幸運だったな…安らかに眠ってください。そして皆さん、今すぐ見に行きましょう!最高なので!!

 

【予告】

 

アントン・イェルチン関連】

 

【ジェレミー・ソルニエ関連】

これも最高なんだけど誰か見てくれ〜!!

映画感想 - スペクターズ(2012)

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スペクターズ

★★★☆☆ 

 

【あらすじ】

小さな田舎町で洪水騒ぎが起こり、避難勧告が出された。この町以外にも世界中で何かしらの災害が同時に起こっているらしい。そんな騒ぎにもあまり動じない町の若者チェイスは友達とともに車で徘徊し、ドラッグを手配し山奥でどんちゃん騒ぎのドラッグパーティーに明け暮れていた。そんな中、何かよく分からないけどただならぬ雰囲気を感じて町へ降りてくるが、市民達は忽然と消え失せていた。満月は月食で欠け、さらにカラスが空中で燃えながら落ちてくる。ようやく見つけた人影も何故か血だらけで意思疎通が一切できない。この町に一体何が起きているのか…。

 

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【感想】

数々のPOVを見てきましたけども、究極主人公達に襲いかかる怪異の正体って、まあ別に判明しなくてもまあいいんですよね。カメラを回し続けて逃げ惑う人の目の前に都合よく真実が出てこなくても、いかに雰囲気や世界観を作り込んで見ている側に不穏感を抱かせて「怖いね、怖いね」と思わせてくれればそれで良いと思っております。そんな中この「スペクターズ」は、「POV雰囲気大賞」を送りたいほどに雰囲気作りが素晴らしいやつでした。

 

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様々な超常現象が周りで起こってるけど、詳細は一切分からない。それでも誰もいない町、燃えながら落ちてくるカラス、特定の人物に近づくと異常にノイズやバグが入る演出、古臭い画質と形容できない全体を包みこむ雰囲気は今までみたPOVの中でも群を抜いたクオリティ。78分しかないけどエンドクレジットも含めて最高の雰囲気でした。まあ、怪異の正体が全く判明しないのでスッキリしたい人々にとってはモヤモヤだけが残るけど、それもまた一つの結末。体感しないと分からないこの凄さは、今すぐとは言わないけど「もう映画全部見た」となった時に思い出して見てみてください。私からは以上です。

 

【雰囲気がすごい予告】

映画感想 - ザ・ハロウ:侵蝕(2015)

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ザ・ハロウ/侵食

★★★☆☆

 

【あらすじ】

森林保護主義者のアダムは妻と赤ん坊とともにロンドンからアイルランドに引っ越してきた。小さな田舎町で森林の調査をしているが、近隣住民からは煙たがられる。どうやら森にはある伝承が伝わっており、安易に入ろうとはしない神格化された土地となっているようだ。そんなの迷信だろと思って調査を進めるうちに、その奥に潜む謎のクリーチャー達の存在に気付く。森を侵すものとして目をつけられ自宅を襲撃された挙句、まだ自立すらできない一人息子のフィンが誘拐されてしまう。返せ〜!な、話

 

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【感想】

「つぶしとくか」程度に観賞した、アイルランドの自然が美しいイギリス製のホラー。教科書を見ながら作ったかのようなストレートな表現・演出で、森の中からクリーチャーの存在がちらついたかと思ったら一気にグアっと襲ってくる描写はとってもスリリング。さらに謎のクリーチャーが出す黒い何かも気がついたら自宅や車のエンジンにビッシリ絡みついてるのもとってもきもい。古くから伝わる民話をベースに田舎特有の閉鎖的な人間関係も描いていて、その辺りの設定もなかなか面白く見れるかな。

 

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だけどクリーチャーの正体はだいたい分かるものの、そもそも何故この森にいるのかとか、終盤のネタバレに関するあれやこれやとかはやや説明不足だった感は否めないかな…?そんな感じでやや不満なところもあるけど真面目に取り組んでる姿は伝わりました。息子を取り返すためにアダムが死に物狂いで頑張る姿はなかなか泣けますね。森の深淵に入り込むという禁忌を侵したので自業自得だけど…。

 

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ヒエー!

 

【予告】

映画感想 - 慈悲(2016)

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慈悲

★★★★☆

 

 【あらすじ】

死期が近づいた母グレースの看病をする父親と息子TJとロニー。そこに異父兄弟のトラヴィスとブラッドとその恋人メリッサがやってくる。資産家であった母は遺産がたんまりあったが、父は「俺が全部もらう。トラヴィスとブラッドにはやらん。俺が死んだらお前たちに相続する」と言う。TJとロニーはもらう気マンマンだったがブラッドとトラヴィスも黙っちゃいられない。するとそこへ謎の侵入者が…!

 

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【感想】

NETFLIXオリジナル単品映画。タイトルが「慈悲」とシンプルすぎて内容が良く分からなかったけど、これは逆に良かったと思う。トラヴィスとブラッドの視点で侵入者との戦いが描かれて遺産相続の醜い争いか…と思いつつ、そのあと侵入者側からの視点の話に転換して結末に向かっていくんだけど、当初思ってたものと全く違う状況が浮かび上がってくるのが一筋縄じゃいかない感じで良かったな。

 

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「慈悲(憐れむ、苦しみを解き放つ)」という本来の意味と全く違う「慈悲」を盲信する謎の侵入者達の薄ら寒さは一見の価値あり。真相が明らかになってからはなかなか暗い気持ちになるし後味も悪い。閉鎖的な田舎町だとこういう捻じ曲がった考え持ってるやつもあったりするのかな…。前半は特に動きがない上に登場人物が地味すぎて見分けがつかなくてかなり退屈なんだけど、トラヴィスとブラッドだけ覚えてちょっと我慢すれば結構面白くなるぞ。

 

 【予告】

映画感想 - ハンティング・パーク(2016)

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ハンティング・パーク

★★★☆☆

 

【あらすじ】

銀行を襲って現金を奪い、ついでにそこにいた町娘ヴィヴィアンを誘拐して逃避行を続ける通称「サソリのジョー」だったが、突然タイヤがライフルで撃ち抜かれてパンク。しばらく周囲の様子を見ているとジョーも撃たれてあっけなく死んだ…!

ジョーが死ぬ前に車のハンドルに手錠でつながれていたヴィヴィアンだったが、突然でかいライフルをもった軍人らしきおっさんが現れ、クロロホルムを嗅がされて気絶させられてしまう。そして目がさめるとそこは「カーネイジパーク(虐殺公園)」であった!どうやらここはさっきのイカれた元軍人ワイアットが仕切る領域で、罪も無い人々を拉致して虐殺を楽しむ公園のようだ。奇妙なサイレンが鳴り響き、どこからともなくスナイパーライフルで狙い撃ちにされる!ヴィヴィアンちゃん一体どうなるの〜!

 

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【感想】

「未体験ゾーンの映画たち2017」にて。70年代の雰囲気がスタイリッシュでカッコイイ、インディーホラー。前半は非常にテンポよく進みつつも、その間に展開される音楽、バラバラな時間軸、映像、ファッション、キャラメイキング、オープニングクレジットと、随所に監督のセンスが光る非常にクールな開幕であった。キャラが濃い〜サソリのジョーとスクリーミングガールのヴィヴィアンの掛け合いもなかなか面白く、このまま二人でカーネイジパークをくぐり抜けるドタバタ珍道中かと思ったらあっさりジョーが殺されてしまうという大胆な方向転換も楽しい。逃げようとするヴィヴィアンを銃で脅しながら「銃だけがお前の聖書だ。そこにはこの一文だけが書いてある。”逃げると頭を撃ち抜かれる"だ!」みたいな名言もあったんだけど、こんなかっこいい言葉あります!?クールすぎでしょ!

 

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中盤は運悪く巻き込まれたヴィヴィアンがイカレ軍人ワイアットの魔の手から逃れる展開に。70年代風な可愛さで叫びまくって非常に頑張って逃げる逃げる。道中は様々な死体やトラバサミに引っかかって死にかけてるおじさん、磔の刑に処された人など、ヴィヴィアンと同じ境遇に陥った人々の末路をたくさん目撃するんだけど、終盤から異常に失速していったのが残念だったな〜。地下道のシーンがちょっと長すぎ!暗いし!中盤までのセンスはめちゃくちゃ良いし、顔面破壊などのゴア描写にもかなり力入れてて良かったのに〜!サソリのジョーは悪役なのにどこか憎めないところのあるので、終盤まで生き残って欲しかったぞ。

 

【予告】

 

【エンディングテーマは必聴のばりしぶ楽曲】

 

映画感想 - テイキング・オブ・デボラ・ローガン(2014)

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テイキング・オブ・デボラ・ローガン

★★★★☆

 

【あらすじ】

医学生のミアは、アルツハイマーに関するドキュメンタリー映像を制作するために撮影クルーとともにデボラ・ローガンというおばあさんを取材することにした。一人娘のサラとともにしずかに生活していたが、次第にその症状はアルツハイマーというくくりでは説明できないレベルになっていく。一体何が起きているのか…?

 

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【感想】

↑こちらがデボラ・ローガン。かわいいばあちゃんですね。それなのに…

 

 

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夜中に素手で土を掘り起こすのはやめなさい!

 

 

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全裸で昔やってた電話交換手の仕事を思い出すのはやめなさい!

 

 

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一瞬でキッチンの上にワープするのはやめなさいって!

 

…みたいな感じで、どんどん豹変していくのがかなり恐ろし面白かったです。「スペル」「ヴィジット」などやばいババアは過去にたくさんおったが、こちらも負けず劣らず素晴らしいヤバさでした。結局のところ悪霊に取り憑かれているという流れになりつつも、ランダムに運悪く憑かれたわけではないのがポイント。憑くべくして憑いたとでも言うような過去の因縁があってその辺りをしっかり描いているのがかなり良かったなと思います。この手の憑き物映画って理由なく取り憑かれるパターンが多いからね。しかし何でもアルツハイマーの症状で片付けようとする医師はすごい。呪いの影響でありえないぐらいの量の土とミミズを吐いたのに、「庭の土食ったんですね」で片付けようとする豪胆さ。そんなわけねーだろ!

 

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↑のような奇行が目白押しでかなり楽しいものの、終盤のたいへん衝撃的なシーンが、タイトルで画像検索するとめちゃめちゃ出てくるので願わくばメインディッシュは頑張って回避した上で見た方がさらに楽しめるかと思います。一回見たあとに巻き戻してそこだけもう一回見る程度には名シーンでした。ちなみにPOVということで案の定画面がブレたり大事なところをあまり見せない消化不良なシーンは多いけど、POVは最早そういうもん。そこでイチャモンをつけるのはやめなさい。通常の時とやばい時のギャップがものすごく、鬼気迫る演技で盛り上げてくれたババアに、私から「がんばったで賞」をあげたいと思います。

 

【予告】

映画感想 - ゾンビ・サファリパーク(2015)

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ゾンビ・サファリパーク

★★★★☆

 

【あらすじ】

ゾンビウイルスが蔓延し20億人が犠牲になった人間VSゾンビの戦争から7年。人間たちは徐々に復興に向けて動き出していた。そんな中、人里離れた海の孤島を高級リゾート地にし、そこでゾンビをライフルで撃ちまくれるハンティングアミューズメント施設が誕生した。ゾンビ戦争にトラウマを抱えるメラニーは恋人のルイスとともにそこに出向き、ゾンビと対峙することで克服しようとしていた。他にも娯楽のためにやってきた少年二人組、やけにライフルの腕前がすごい謎の男や前夜にスタッフ専用施設へ忍び込んだ女などとチームを組んでハンティングを楽しんでいたが、大方の予想通りセキュリティシステムがシャットダウン。少しずつ安全地帯にゾンビが入り込んできてしまった。一体どうなる!?

 

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【感想】

未体験ゾーンの映画たち2017」にて(今月7本)。原題は「THE REZORT」で、ポスタービジュアルもそれらしい感じなのに対し、日本版は邦題とキービジュアルがこんなんなので、てっきりコメディ要素満載なのかなと思ったら意外にもかなりシリアスに作られていて「さあ笑わせてもらいましょ!」的な意気込みで見始めたもんだからかなり温度差を感じてしまいました。事前知識無かったらギャグと思うだろ!そういうのやめてくれよな!とはいえ、バカバカしい設定にも関わらずひたすら真面目に作り込んで救いの無い展開と完成度だったのでそれはそれで楽しむことができました。今回だけは許すぞ。

 

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ゾンビの性質が、「新米ゾンビは足が速く、時間がたてばたつほどスローになっていく」というのが基本的なロメロゾンビと「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「28日後…」に代表されるダッシュゾンビの両方がいるのがちょっと新しくてよかったですね。中盤以降はリゾート客が大量にくわれてほとんど猛ダッシュゾンビばっかりになってたけど、それもまた緊迫感があってよし。メインキャストに対してもけっこう非情で、バッタバッタと死んでいくのも潔かったなあ。セキュリティスタッフも「何かコンピュータのバグあるけど、昼までに直すからボスには黙ってて」と言う感じで「あーあー絶対これフラグだ!」とつっこみたくなる分かりやすい展開もグッド。そして何故こんだけゾンビがわんさかこの島にいるんだという謎も人間の強欲と結びついて「真に滅されるは人間」というメッセージも込められていました。有名俳優は出てないけどみんな迫真の演技で盛り上げてくれるし、割と良いところ多いです、こんな邦題だけど…。ちなみに日本版ビジュアルみたいに海まで襲ってくることはありません。

 

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【予告】