にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2016)

f:id:chicchi0411:20170520112254j:plain

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ

★★★★★

 

【あらすじ】

孤独なチンピラおじさんエンツォは、ひょんなことから鋼鉄のような耐久性とパワー、そして脅威の再生能力を宿してしまう。これはラッキー、その力を利用してATMをぶっ壊し金を巻き上げ、AVやプリンを大量に買うなど私利私欲のために使っていた。そんなある日、世話になっているセルジオと闇取引をしている最中に揉め事が起こり、その流れでセルジオは取引相手に殺されてしまい、その娘のアレッシアの面倒を見ることになった。彼女は母親を亡くして以来自分の殻に閉じこもってしまい、現実とアニメ「鋼鉄ジーグ」の世界を混同するほど天真爛漫であった。

一方、セルジオの行方がわからなくなったことで街の一角を仕切るゴロツキのジンガロがアレッシアのもとへ訪れて居場所を吐かせようとするが、辛抱たまらずエンツォが窓から乱入し、その力を使ってチンピラ達を撃退した。その姿を見たアレッシアは、エンツォを司馬 宙(鋼鉄ジーグ)と重ねて見るようになる…。

 

f:id:chicchi0411:20170520113657g:plain

 

【感想】

イタリア制作の、永井豪原作アニメを超絶リスペクトするダークヒーローもの。さいっっっっっっこうに面白い〜〜〜〜〜!!!!!!!最高!!!生きることに希望を見出だせないきたねえおっさんエンツォがスーパーパワーに目覚めて、さらにヒーローの何たるかを知り尽くすちょっと頭のおかしい女アレッシアと関わるうちに自分のアイデンティティ・やらなければならないことを見つけ、目の前の悪を討つ…という胸が熱くならないわけがない勧善懲悪ストーリー。最高です。キーとなるのが「鋼鉄ジーグ」っていうチョイスもすごい!マジンガーZでもゲッターロボでもなく、ガンダムでもなく鋼鉄ジーグ!!圧倒的存在感!

 

f:id:chicchi0411:20170520114530g:plain

 

↑のように、鋼鉄ジーグをプロジェクターに写して見ている時にアレッシアの情緒がおかしくなってエンツォがぎこちなく抱きしめるというこのシーン。ここマジに美しい超絶名シーンです。こんなジーグの使い方ある?鋼鉄ジーグ本編自体は本当にひとつまみのスパイス程度の使われ方だけど、監督のリスペクト精神が随所に見られる素晴らしい構成でした。ジーグじゃなくても良さそうだけど、最後まで見るともうジーグじゃなきゃね!!!ってなっちゃうね。

エンツォは不器用な生き方しか出来ないマジの孤独なおじさんで、アレッシアが穢れを知らない天真爛漫な性格という対照的な感じなのも良かった。言うなれば「ターボキッド」におけるキッドとアップルのような、男が女に振り回される関係。最高ですね。そしてそこに登場する悪のボス・ジンガロがまたぶっ飛んでて良かった!マフィアの世界でのし上がりたい欲求と、手下をコマとしか見ておらず、自分が生き残るために媚び売り裏切り何でもする泥臭さとサイコ感が「エンツォの戦う理由」として機能しているんですよね…。は〜最高。

 

f:id:chicchi0411:20170520115126g:plain

 

テロの脅威に怯えつつも、裏ではマフィアが色々動いている…というイタリアの闇の部分もかなり深く描いており、「こういう抗争、ジョジョ第五部で見たな〜」となりました。やっぱりイタリアってマフィアの力やばいね…と日本で住んでたら知ることのないような情勢も興味深いです。オープニングで日本語タイトルがババーンと出るのもめちゃめちゃカッコイイし、最後にエンツォ街に消えるスパイダーマンみたいな終わり方も「熱さ」のツボをこれでもかと刺激してくれて最高過ぎ。今すぐ見に行こう!

 

【予告】

映画感想 - スプリット(2016)

f:id:chicchi0411:20170513211238j:plain

スプリット

★★★★☆

 

【あらすじ】

女子高生3人が突然現れた丸坊主の青年ケヴィンに拉致監禁される。一体目的はなんなのか?彼女たちはここから脱出できるのか?しかし青年は、ときにやかましい子ども、時には落ち着いた淑女のような性格にコロコロ変わる。彼は23の人格をもつ「解離性同一性障害」の患者であった…。なんなの〜!

 

f:id:chicchi0411:20170513212558g:plain

 

【感想】

シャマラン監督の最新作。女子高生3人対23の人格を持つ男!という設定はなかなか燃えるものがあり、開始2分・速攻で拉致されるスピード重視の開幕も素晴らしかったな。解離性同一性障害の患者ケヴィンを演じたジェームズ・マカヴォイ、顔は同じなのにふるまい、訛り、顔つきと人格によって全く変わるのが恐ろしいほどにハマっていたなあ。見た人全員「演技すご杉内」って思っちゃうほど、凄まじい完成された演技力であった。

 

f:id:chicchi0411:20170513212918g:plain

潔癖症なデニス

 

f:id:chicchi0411:20170513212943g:plain

優しいパトリシア

 

f:id:chicchi0411:20170513213328g:plain

9歳のヘドウィグ

 

こうして並べるとマジで全く違うな…。で、始まった瞬間の流れはなかなか良く、カメラワークも人物のアップ多めの特殊な見せ方で尖ってるな〜とか思いつつ、23の人格の男で更に24番めの人格が出て来る瀬戸際…という状態で女子高生とのスリリングな攻防が描かれると思いきや、時間軸が「囚われた女子高生たちの視点」「女子高生の一人ケイシーの幼少期の思い出」「少し過去のケヴィンと主治医の会話」の3つが短いスパンでコロコロ変わっていきつつ、イマイチつかめないボンヤ〜リした会話が続くので序盤から中盤にかけてはやや退屈にはなってしまったかな。女子高生たちも分断されて完全に監禁されるのでなかなか動きがないし、アクションやスリラー的にはもう一つって感じでした。う〜〜ん。

 

f:id:chicchi0411:20170513214216g:plain

 

ケイシー役を演じたアニャ・テイラー・ジョイどの、地味な顔をしているものの見ていくうちにどんどん可愛く見えてくるのが良かったです。ケイシーとケヴィン達とのやりとりと関係性もなかなか面白いです。

 

★今後の展開微ネタバレ

で、ニュースで取り上げられたけど、「スプリット」は2019年に続編の制作が決定して、さらに2000年ぐらいに公開された「アンブレイカブル」の世界線と一緒になるらしいです。スタッフロールのあとにこの告知が「急告」って出てきたんだけど、さすがに「誰が興味あんねん」とは思ってしまったな。アンブレイカブル、映画感想ブログ始める前に見たから記録してないしほとんど忘れてるし…。

 

【けっこういいところ見せる予告】

映画感想 - 屍憶 -SHIOKU-(2015)

f:id:chicchi0411:20170507233624j:plain

屍憶 -SHIOKU-

★★★★☆

 

【あらすじ】

TVプロデューサーのハオPは恋人イーハンとの結婚の準備と本業の間に挟まれてめちゃめちゃ多忙であった。そんな中、取材で台湾に伝わる監修「冥婚」の存在を知る。なんでも若くして未婚で死んでしまった女性を弔うために、その死んだ女性と生きた男とで結婚の儀式を行うというものだった。きも〜。で、そんな取材を続けたハオPは、いつしか冥婚らしき悪夢にうなされるようになってしまった。なんで…?それとは別に、女子高生のインインも16歳の誕生日を迎えた日からなんかやけに霊的な存在が見えるようになる。この因果関係、いったいなんなん…?

 

f:id:chicchi0411:20170508001232j:plain

 

【感想】

「冥婚」を題材にした日本と台湾の合作ホラー。プロデューサーに一瀬隆重を迎えたので、Jホラー的なジメジメ感が強い力作であった。着飾った死者の雰囲気や冥婚の儀式も不気味だし、ドッカンドッカンびびらすようなものではなくとにかく陰湿で秀逸な描写が続いていったので、よくよく振り返ると近年のJホラーより格段に面白い印象はあったかな。

 

「冥婚」とは、若くして死んだ女性を弔うために、生きた男性と無理矢理結婚をさせるという台湾、中国、日本にも伝わる慣習。男の選び方がまた残酷で、女性の遺品や頭髪などを入れた赤い封筒を道ばたに置いといて、拾ってしまった男と…という感じ。怖いよ!でもこの慣習知ってたら拾わんとこってなりそうだけどね。あんまり知られずに伝わっていったのかな。

 

f:id:chicchi0411:20170508002019j:plain

 

時間軸はハオPと女子高生のインインのパートの二つが交差していくパターンで、細かい伏線をちりばめて最後に回収していく流れはなかなかハッとさせられる展開でよかった。携帯がテーブルの下に落ちているとか、本当に何気ないところにも意味があったのにいっさいの違和感なく出してくるので巧みです。そんな感じでなかなかの「良さ」なので、おすすめです。

 

【予告】

映画感想 - WE GO ON 死霊の証明(2016)

f:id:chicchi0411:20170507231818j:plain

WE GO ON 死霊の証明

★★☆☆☆

 

【あらすじ】

死ぬことに対して異常に恐怖をおぼえる編集者マイルズは、「死後の世界を証明してくれたら3万ドルやるで〜」という広告を新聞に出した。1000通を超える応募の中から科学者、霊媒師、企業家の三人にしぼったマイルズは彼らとの接触をはかる。はたしてマイルズは死後の世界を見ることはできるのだろうか?

 

f:id:chicchi0411:20170507232222j:plain

 

【感想】

地味すぎて盛り上がりに欠け、インパクトも無く、途中で取り憑かれてしまう幽霊のビジュアルも弱いという、「無」の90分だったかな。なんか変に期待しすぎてしまったのかもしれない。う〜〜ん。生きながらにして死後の世界を見ようとする映画は「マーターズ」が印象に残るけど、あれぐらいめちゃめちゃにやってほしかったよね〜。うん。終わり。終わりです。すみません。まあこういうやつを見るからこそ、超絶面白い映画に出会った時の感動もひとしおというところもあるので、こういった映画に触れることも大事ですよね。敬具

 

【予告】

映画感想 - ザ・シェフ 悪魔のレシピ(2016)

f:id:chicchi0411:20170507104710j:plain

ザ・シェフ 悪魔のレシピ

★★★★☆

 

【あらすじ】

クルド系移民のサラールはロンドン郊外で小さなケバブ屋を父親とともに切り盛りしていた。しかし父親は病気がちな上、自分も苦学生で、生活は苦しいものだった。さらにこのサウスコートの街は夜な夜な若者たちが酒に酔い暴れまくるという最悪に治安が悪い地域。店内で喧嘩があっても警察がくるのは3時間後、さらに移民ということもあってナメられることもしばしばだった。そんなイライラが募る中、父親がからんでくる酔った若者を追い払おうとしたら突き飛ばされ、打ち所が悪く死んでしまった。しかも目撃者がいないので本人を罪に裁くこともできなくなった。も〜〜〜〜〜いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

 

f:id:chicchi0411:20170507105602j:plain

 

さらに数日後、店内でまた暴れる若者がいた。ちょっとサラールが裏に行ってる間に勝手にキッチンに入って揚げ物を作り始めたのである。いい加減にしろと追い出そうとするが、抵抗し、もみ合ううちに超高温のフライヤーに若者の頭をぶっ込み、からっと揚げ殺してしまった。やっべ…でも…腐りきった世の中、死んでも誰も気にしないカス、差別意識の消えない格差社会…、全てを憎んだ勤勉なサラールは何かが弾け、この若者を細かく刻んでケバブの材料として次の日の「仕込み」にしてしまった。いったいどうなる…。

 

f:id:chicchi0411:20170507110042j:plain

 

【感想】

あらすじが長くなってしまったけど、「まじめな若者が様々なものを憎みまくって凶行に走る過程」にものすごく見応えがあったので、興が乗ってその辺りまで書いてしまいました。単純なゴアホラーではなく、移民問題を含んだ社会風刺が説教くさくなく描写されて「そりゃ人肉をケバブにしたくなる気持ちもわかるわな」と応援したくなることうけあいです。だって、こんな最悪な街、ある…?ってちょっと笑っちゃうぐらい治安悪いんですよ。

 

f:id:chicchi0411:20170507111256j:plain

 

一番最悪な客は、勝手に店に入ってきて女同士で痴話喧嘩し、静止したらサラールにも暴言を吐きまくり、机の上に置いてあった論文作成用のPCをぶっ壊し、店の前に突き飛ばしたら突然M字開脚で自慰を始め、さらにサラールを裏につれこんで即尺しようとした女。どういうこと???いくら酒に酔ってるからってそこまでいく???もちろんケバブの材料や!!!!殺せ!!!!となりますよね。そんな感じで殺してもいい若者が無限に出現するので、食材には全く困らない街でした。原価ゼロ。でも最悪であればあるほどサラールの凶行がより正義に見えてくる構図が良いんですよ。18禁ということもあって、ゴア描写はなかなかのものだし。オチはちょっと微妙だったけど、この人肉ケバブでどんどん有名になっていくのはよかったな。

 

【予告】

映画感想 - ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016)

f:id:chicchi0411:20170507095814j:plain

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

★★★☆☆

 

【あらすじ】

アウトローおじさんのジャック・リーチャーががんばる話。かつて所属していた陸軍内部調査部のターナー少佐が身に覚えのない反逆罪で逮捕されてしまった。それなりに仲が良かったジャックは彼女をスンナリ脱獄させてこの件の裏に潜む陰謀を明かそうと奔走する。

 

f:id:chicchi0411:20170507100538g:plain

 

【感想】

95カ国、40言語に翻訳されている人気小説シリーズの映画化二作目(前作は「アウトロー」)。トム・クルーズが巨大な悪の陰謀を暴くという渋めのハードボイルドサスペンス。やっぱりトム・クルーズといえば、めちゃめちゃなアクションパートを先に考えてそれを補うようにストーリーを作ってる説が浮上している「ミッション・インポッシブル」シリーズがあるので、どうしてもそれと比べながらみてしまっている自分がいたかもしれません。こちらのトム・クルーズは飛行機にしがみつかなければブルジュ・ハリファに素手で登らず、宙づりにもならず背中で爆発がおこったのに何故か横に吹っ飛ぶような最高にクールなアクションは無いのでどうしても小粒になってしまう印象があったかな…。

 

f:id:chicchi0411:20170507101357g:plain

 

あと原作シリーズもよく知らんから「待望の映画化!」ともならないしね…。ジャック・リーチャーの娘(ブス)がひょんなことから同行して、つかの間の休息の時にターナー少佐に人質に取られた時の護身術を学ぶ何気ないシーンがあるんだけど、「これ絶対最後にこれで危機的状況回避するやろ」と思ってしまったしな。ミッション・インポッシブルの最新作作ってくり〜〜。

 

【予告】

映画感想 - グッド・ネイバー(2016)

f:id:chicchi0411:20170504123939j:plain

グッド・ネイバー

★★★★★

 

【あらすじ】

悪ガキのイーサンは友達のショーンとともに、近所に迷惑をかける意地悪じいさんを6週間かけてドッキリにハメてその様子をドキュメンタリー形式で撮影する実験を行うことにした。その内容は霊がいるかのような停電、物音といった外的要因で霊を信じさせてやろうというものなのだが、どんだけこちらがニセ霊現象を仕掛けて、その様子を隠しカメラで観察してもじいさんは物怖じせず、調べもせず、周りに協力も求めず、通報もせず、ただただ傍観し、ロッキングチェアに腰掛けてTVを見、そして鍵のかかった地下室に一晩中こもるのみだった。そしてイーサンたちの悪巧みは、思わぬ方向へ転がりだす…!

 

f:id:chicchi0411:20170504124659j:plain

 

【感想】

認知症のジジイが復讐の旅に出る「手紙は憶えている」、目の見えないジジイがコソ泥を返り討ちにする「ドント・ブリーズ」といった、ジジイが活躍する映画は最近注目されており、DVDスルーとなったこちらはまあ二番煎じだろうな…と思ってたんですが、マジでひっくり返りましたよね…。これ、絶対みた方がいいですよ皆様…。

 

イーサンたちの実験は「裏の網戸が勝手に動く」とか「勝手にオーディオの電源がついて音楽が鳴り響く」といった些細なものなんだけど、それがおこる度にジジイは「あること」を思い出していくんですよ。これがも〜〜〜とんでもなく巧みな伏線となって積み重なる!ジジイに関する全てが明らかになった時にはもう驚愕すること間違い無し!パクリっぽいB級映画とスルーするのはもったいないぐらい、良さがありました。何も言ってないに等しい感想で恐縮なんですが、ネタバレは本当に興を削ぐのでできればこのまま予備知識を入れずに見ていただければと思います。実に良いので…。

 

f:id:chicchi0411:20170504131339j:plain

 

ジジイ役のジェームズ・カーンは「ゴッドファーザー」の長男ソニー・コルレオーネ、「ミザリー」の主人公ポール・シェルダンを演じた超大御所俳優。物静かで奥に秘めた狂気と悲哀が合わさったような素晴らしい演技で盛り上げてくれましたね。二人の悪ガキも「ゾンビーワールドへようこそ」や「プラスワン」など、私の好きな映画に出ているということもあってかなり親近感をもってみれたのもあって、キャスティングもなかなかいいですよ。

 

ちなみに、イーサン達のパートは自らカメラを回すPOVにしつつ、ジジイのパートに入ると普通のカメラワークになるという登場人物の視点で撮影方法が変わるのは何か新鮮だったな。個人的にはPOVでいくならPOVで全編通して欲しいとは思うけど、まあそれはあまり気にしなくてもいいかもしれません。とにかくおすすめ!

 

【予告】

映画感想 - インバージョン 転移(2015)

f:id:chicchi0411:20170503130205j:plain

インバージョン 転移

★★★★☆

 

【あらすじ】

とある小屋で目を覚ましたアダム。自分の名前すら思い出せないほどに記憶が無くなっている。ここはどこなんだ?さらに鏡を見ると、自分の顔が黒い液体を撒き散らしたゾンビのように変化していた。なんで…?さらにさらに、部屋を眺めているとめちゃめちゃに荒れ果てており、窓やドアは木の板で閉じられ密室にしつつ、壁には「思い出せ」というメッセージと似顔絵が貼られていた。何もかもが不明すぎるこの状況、しかし徐々に記憶を手繰り寄せていくのだが、そこには自分が経験したことのない知らない人の記憶も思い出してきた。一体この現象は何なのか?

 

f:id:chicchi0411:20170503130212g:plain

 

【感想】

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督が2014年のイケてる映画12選に選ばれたスリラー映画。「メメント」のように、時系列がバラバラに展開していって「一体何が起こったのか?」を断片的に解明していく飽きさせない作りと、謎のウイルスに感染すると黒い液体まみれになり思い出せば思い出すほど知らん人の記憶まで入り込んでくるという謎が謎を呼ぶミステリアスな展開、結構よかったですよ。時系列は現在・過去・全然知らん場所の三つが複雑に絡み合うので映画見慣れてない人は結構しんどいかもしれないけど、序盤の謎すぎる状況が少しずつ明らかになっていく気持ち良さはお見事。

 

f:id:chicchi0411:20170503130220g:plain

 

この黒い液体に感染することで、呼称が「我々」になったりそこからある目的を達成しようとする人知を超えた存在も明らかになっていって、少しずつ世界中が侵食していくというアイデアも斬新。とはいえとりあえずアダム視点での事態はひとまず収束するものの、最終的に「我々」がどのような終着点を目指しているのかがよく分からず、なぜなぜどーしてな点がけっこう残ってしまうのはちょっとあったかな。全部解明しないと気になりすぎて低評価つけちゃう皆さまにおかれましてはモヤモヤが残るかもしれませんが、私はかなり楽しく見れました。皆様も是非。

 

f:id:chicchi0411:20170503130229g:plain

 

【予告】

映画感想 - ゴースト・チーム・ワン(2013)

f:id:chicchi0411:20170427115712j:plain

ゴースト・チーム・ワン

★★★☆☆

 

【あらすじ】

アメリカでよくあるホームパーティーを主催したセルジオは、2階で喘ぎ声を聞く。誰かが部屋に連れ込んでよろしくやってるのかと思いきや、調べてもコトに及んでいる人はいないどころか女の幽霊を目撃してしまう!わ~!よくよく調べてみるとセルジオが住む家はその昔売春宿だったらしく、娼婦の霊がまだここにとどまっているらしい。昨夜の喘ぎ声も幽霊ってこと…?そんなわけでセルジオはルームメイトのブラッドと霊感が強い美女フェルナンダをチームに引き込み、「ゴースト・チーム・ワン」を結成し幽霊の正体を暴くというドキュメンタリー映画を制作する…というのは建前で、これを機にセルジオもブラッドもフェルナンダの気を引きたいだけなのであった…。

 

f:id:chicchi0411:20170427120136g:plain

 

【感想】

NETFLIXで配信されてた劇場未公開なホラーコメディPOV。娼婦のエロ地縛霊と対峙するということで、全体的に下ネタが多めな上に、冴えない男達が幽霊そっちのけで「あの女(フェルナンダ)抱きて〜〜〜」と思いながら行動するのがバカバカし過ぎて最高。終始そういったエロと童貞ムードで進んでいくのでたまに出てくるホラー描写にも全く緊張感が無いのも見どころでした。こんな私利私欲にまみれたドキュメンタリーある?そんな楽しさが詰まっています。特に地縛霊が攻めてくる終盤シーンはめちゃくちゃ過ぎて爆笑してしまいました。今思い出しても「何だったんだあれは…」と唸らずにはいられない度を超えたバカバカしさ!見事演じきった役者たちに拍手喝采!

 

f:id:chicchi0411:20170427130354j:plain

 

二人がフェルナンダと仲良くなってくると娼婦の地縛霊もその気になって、パラノーマル・アクティビティっぽく夜中に現れて下半身をまさぐってそういったプレイを始めるという奇想天外すぎる描写以降、ブラッドの肩書きが「パラノーマルセックスサバイバー(超常セックス生存者)」になるのもアホすぎ。全編こういったゆるい雰囲気で進みつつ、童貞のセルジオ、さかりのついたブラッド、美しいがちょっとクレイジーなフェルナンダ、そして3人目のルームメイトのチャックなどなど、濃いキャラクターでストーリーを盛り上げてくれて楽しく見れますよ。まあ他のPOVに比べると見劣りはするけど、コメディホラーに振り切ったPOVは割と珍しいですね。

 

【予告】

 

【コメディPOV関連】

映画感想 - バスケット・ケース(1982)

f:id:chicchi0411:20170425124944j:plain

バスケット・ケース

★★★★☆

 

【あらすじ】

大きなバスケット・ケースを担いで旅をするドウェイン。このバスケットの中には、世にも奇妙な形相をした肉の塊が潜んでいた。この生命体は、幼いころからドウェインの右脇腹に奇形としてへばりついていた双子の兄なのである。二人の仲は良かったが親から忌み嫌われた彼らは医者によって無理矢理引き剥がされたという過去があり、医者たちをひどく憎む兄は弟の補助のもと、一人一人ぶっ殺そうとしていたのである。果たしてこの復讐劇の行方は…?

 

f:id:chicchi0411:20170425130116g:plain

 

【感想】

私が生まれた年に公開されたクラシカルなスプラッターホラー映画。奇形児として醜い体で生まれてきてしまった怪力の兄が健常者の弟を引き連れて医者を殺す旅に出る、というストーリーはなかなか味がありましたね。ストップモーションや着ぐるみを駆使した奇形児のアクションはなかなかエキサイティングかつアナログ的な愛らしさにあふれていて素晴らしかった。女医の死に様はマジで爆笑。中盤までかなり兄の造形を制限して、いざバスケットの中身が放たれた時の爆発力もお見事で、この手法は現代でも普通に使われてるなと思いました。

 

f:id:chicchi0411:20170425130619g:plain

 

奇形児の復讐劇にとどまらず、障害者の性というかなり踏み込んだところまで描いているのも良かったです。こんな体だけどしっかり性欲はある兄、振り回されて荒んだ人生の中でようやく愛する人と出会えた弟、そしてその恋仲を嫉妬心で引き裂く兄…、というかなり何とも言えない胸糞展開。兄のビジュアルが面白すぎるのでどうしても笑っちゃうけど。あと回想シーンがやけに畳み掛けるように急ぎ足になったのと二人を引き剥がす手術シーンがめちゃくちゃ適当だったのが少し気になったけど、ぜひ現代の技術でリメイクして欲しい逸品だなと思いました。続編はあるけど見る価値はあるのかな。

 

【予告】