にっきにっき

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にっき051 - 雨の日

会社に行こうとしたらあいにくの大雨。濡れながら行ったら確実に水が滴っていい男になるんですが、元からいい男なので濡れる意味が無く傘をさす必要があります。傘の置いてる場所は玄関内ではなく、玄関先の縦に伸びているパイプに引っかけています。人の往来のある共用スペースに置いていた自分も悪いと言えば悪いのですが、その日、いつも置いてあった場所に傘がありません。これはまさか…。わたくし、一瞬にして無くなった経緯を想像します。

女「さてセックスもしたし、出かけましょ」
男「そうだな。じゃあ外でセックスをしよう」
女「いいわよ。あら、今まで(セックスしてたから)気づかなかったのだけど、雨だわ」
男「傘は一つしかないな。お、こんな所に傘が」
ヒョイ(こらー!俺のー!それ俺のー!)
女「それはあなたの傘なの?」
男「いや、違うぜ」
(俺の俺のー!)
女「窃盗ね?」
男「悪いことなのかい?君を濡らしてしまう方が余程悪いことさ。さあこの傘を使うんだ」
女「素敵。セックスしましょう」
男「いいよ」

セックスしすぎだろこいつら…ふざけやがって!しかも最後「いいよ」って軽いよ!と怒ったところで傘は戻ってきませんし、第一このやりとりは亜空のもの。とりあえずどうするか考えます。この雨量では一番近いコンビニに行ったとしてもかなり濡れてしまうので、それだけは避けたい。しかし傘がない。ちなみに言っておくとアパートの正面玄関はオートロックなので、盗んだ奴は同じアパートの住人なのは火を見るより明らか。しかもセックスばかりしているとあっては怒りをどこにぶつけていいのやら分かりません。現実と脳内の区別が付かなくなりながらアパート内をフラフラしていると…圧倒的閃きっ!!光がチッチの脳を刺す…!閃くっ!この土壇場で…!利根川殺し…!悪魔を殺す悪魔的奇手っ……!一つ上のフロアの玄関先に、傘…!次の瞬間わたしは、その傘を使い光の速さでコンビニまで行って自分用の傘を買い、鈍行で戻ってそれを何事も無かったかのように玄関先に返すという超ウルトラテクニック(小結級)で事なきを得ました。やってる事はあの野郎と同じなんですが、ちゃんと返すことで負の連鎖を止めました。だれか誉めてつかわしてください。会社には遅刻しました。