映画感想 - V/H/S ファイナルインパクト(2015)
★★★☆☆
【あらすじ】
ホラー監督によるPOVオムニバス第三弾。
◆Vicious Circles
アイスクリームバンとパトカーがシュールなカーチェイスをしており、野次馬の青年が追いかける。しかしアイスクリームバンに近づくとスマホが謎の反応をおこし、その映像を見た人々が鼻血を流して意識が朦朧としちゃうという謎の現象が起こってしまう、今回のブリッジ的なエピソード。原題が「V/H/S viral」ということで、拡散・感染という意味合いで呪いが伝染していく様が描かれていき、合間合間にいつもの短編が流れていくんだけど、全体的な不隠な空気・不気味さ・何かが変わり始めてる感がよかったです。理由は不明。
短編1:「Dante The Great」
マジシャンのダンテ氏、どこかから手に入れた悪魔がとり憑いたマントを使うことで次元を超越したり強大な超能力が使えるようになってマジックショーでめちゃくちゃ大人気に。そんな彼が突然逮捕されるんだけど、それは一体何故か、というのを関係者のインタビューを織り交ぜて展開されるニセドキュメント風エピソード。
ハッキリ言うとちょっとCGが雑でめちゃめちゃチープに感じたし、「一体誰が撮ってんだ」というPOVらしくなさが目立ってしまい、あんまり入り込めなかったかな〜。もはやPOVじゃね〜〜〜。今までのシリーズに泥を塗ったようなクオリティでむかつきすらあったかな〜。
短編2:「Parallel Monsters」
地下室で研究に没頭してるおじさんが開発したのは、パラレルワールドをつなげる装置。で、作動すると向こう側の世界につながり、向こう側の自分もカメラを持って立っていた。「15分だけ交代して世界見せてくれ!」となりあちらの世界に行くんだけど、見た目は一緒なのに何か違う…という話。「タイム・クライムス」でおなじみのナチョ・ビガロンド監督ということもあって期待していただけにこれは面白かったな!急に下ネタ入りだしたりしたけど、ふとした違和感が気持ち悪くてよかったです。
短編3:「Bonestorm」
不良スケボー少年達がメキシコのとある広場でスケボーの映像を撮っていたら、なんとそこは怪しい魔術の儀式が行われているところだった!さらに運の悪いことに、転んで流れた血が魔法陣に反応し、謎の骸骨軍団が現世に蘇ってしまった…どうする少年達!という話。こちらもバカバカしいエピソードだったけどFPS的な白熱バトルが楽しかったな〜。骸骨軍団の中には普通の人間もいたんだけど、そんなに派手に何の躊躇もなくぶっ殺すの?って思った。生粋のワルだね。
スケボーで骸骨の頭をパッカーンってやるのは良かった。
【感想】
後半の2話が面白かったけど、やっぱり前作「ネクストレベル」ほどでは無かったかな〜。このシリーズめちゃくちゃ好きだっただけに、ちょっと残念な印象はあったよ。どれくらい好きかっていうと、配給元のクロックワークスに「3作目の日本公開無いんすか?」ってメールしたら「日本での上映予定はありません」って返事がきて絶望する程度。
前二作は「家の中でビデオテープに入った映像を見ていく→各エピソードへ」っていう導入がすごい自然に入っていけたのが魅力であり最大の特徴だったんだけど、今回はストーリーの特性上その設定を取っ払ったのが良くなかったのかもしれないな〜〜。
*****
全く需要無いと思うけどV/H/Sシリーズのおもろエピソードで打線くんでみました。【シ】=シンドローム(一作目)、【ネ】=ネクストレベル(二作目)、【フ】=ファイナルインパクト(三作目)です。
1(中) 【シ】Amateur Night(ナンパした女がやばい)
2(二) 【ネ】Phase I Clinical Trials(義眼入れたら幽霊見えた)
3(三) 【シ】Tursday The 17th(ノイズ殺人鬼に殺される)
4(一) 【ネ】Safe Heaven(宗教団体潜入班が地獄を見る)
5(遊) 【シ】10/31/98(勢いがすごいポルターガイスト)
6(左) 【ネ】A Ride in the Park(ゾンビ視点のPOV)
7(右) 【フ】Parallel Monsters
8(捕) 【フ】Bonestorm
9(投) 【ネ】Slumber Party Alien Abduction(宇宙人誘拐)
今作は失速しちゃったけど、POV業界の可能性を広げた功績は大きいので今後の展開も楽しみにしたいと思います。