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映画感想 - グリーンインフェルノ(2015)

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グリーンインフェルノ

★★★★★

 

【あらすじ】

アマゾンに少女に割礼を強いる原住民がいるということを大学の授業で知り、かわいそ〜何とか助けたいわ〜と思っていたアメリカの大学生ジャスティン。そんななか天然ガス目当てにアマゾンの密林を破壊する企業団体を止め、原住民のヤハ族を救おうと目論む意識高過ぎる系大学生活動家たちの誘いを受け、抗議活動に参加することに。長旅の末、現地まで乗り込んでウマイこと抗議が成功したけど、帰りの飛行機が不慮の事故で墜落!目が覚めると奇しくも命を救おうとしていた原住民のヤハ族に捕らえられており、一人、また一人と食糧となるのであった…。

 

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【感想】

拷問シーンが延々続く「ホステル」や「キャビン・フィーバー」でホラー映画の雄として知られるイーライ・ロスが放つ現代版「食人族」。ただ単純に食われるだけの映画だと思ってたんですが、食われる対象が「自分の行動や信念が正義だと信じて疑わない人々」なんですよね。俺たちはこれだけ世界平和のことを考えている!自分のこの活動がやがて実を結んで多くの人々を突き動かすモチベーションになるんだ!という感じで前半45分はそのエゴイストぶりと周りの見えてなさが存分に描写されていくんです。すると映画館内には見ている人の「早く食われろ!!」というそれぞれの思念体がゆっくりと浮かび上がり、それが少しずつ合わさって一つの大きな塊になっていくのです…。そしてそのエネルギーがたっぷんたっぷんに満たされた瞬間、ダムが決壊したかのように一気に無残に食われまくる!このカタルシス!あまりにも痛快!!!!

 

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ヤハ族の食人バリエーションが、四肢切断・燻製・磔にして軍隊アリの大群に食わせる・目玉や舌はごちそうと言った風になかなか豊富で、長年続けてきた食人文化が見え隠れして捕らえられて以降の展開もワンパターンにならずに非常に楽しいです。

そして何とか逃げ出そうとする文明人が中盤に思いついた起死回生の奇策が、本当に文字通りパッパラパー過ぎるのがめちゃくちゃ笑えるし、そこからさらに凄惨な現場に転がっていくのも本当に「なるべくしてなったな」とある意味感動すら感じさせる素晴らしい仕上がりになっておりました。ここはネタバレするのは無粋なので、実際に確かめてください。本当に目の覚めるような神展開。爆笑必至です。

 

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で、この「自分たちの活動が正義」って思い込んでるこの活動家達の考え、まさに今のインターネットの風潮を如実に表してるといっても過言ではなかった気がするな〜と思いました。その最たるものがまさに「食人族ブルーレイ発売中止問題」。

 

 

これは「食人族の劇中に実際に動物を殺して食べるシーンがあることが問題だ!と主張するソーシャルジャスティスウォーリア(SJW)の皆さんがブルーレイ版の発売を中止に追い込もうとした」っていう問題。この抗議した人達は絶対食人族見てないしそういう話があるってだけで頭ごなしに潰そうとするこの意識、まさにこの「グリーンインフェルノ」内の活動家グループと同じやないかいと。活動家=SJW、ヤハ族=食人族ブルーレイに置き換えても全く違和感ねーなと思いました(感覚的な話です)。自分たちの正義を振りかざすことがどれほど無意味なことか、SJWの皆さんにおかれましてはぜひこの映画を見てもらって、「この食われてるの、俺らやん」って思ってもらいたいものですね。

 

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ちなみに、ヤハ族の人々は実際にペルーの先住民を起用したらしいんだけど、映画の何たるかから理解してもらうためにイーライ・ロス監督は「食人族」を見せて演技指導させたんだって。先住民たちは初めて見たのにみんなコメディ映画と思い込んでキャッキャキャッキャ手を叩いて見てたらしい。このエピソードおもしろすぎるね。

あと、主演の女の子はイーライ・ロス監督の奥さんその人らしく、その上で終盤のあのエッチな姿を演出したのかと思うとさらに味わい深く見ることができます。とにかく全てが最高の食人エンターテイメント!今年のうちに見よう!

 

【予告】