映画感想 - ワナオトコ(2009)
★★★★☆
【あらすじ】
内装業者のアーキンは元金庫破り。ある日、元奥さんの借金が発覚して今夜0時までにお金を耳揃えて返さないと娘ともどもヤバくなりそうと言われてしまったので久しぶりに「仕事」をしようと、本業で取引をしていた宝石ブローカーの豪邸に侵入する。留守のスケジュールやお宝の位置関係は昼間に確認していたのでスッと仕事完了かと思いきや、いるはずのない誰かが潜んでいる…!よくよく周りを見回したら何か家中にトラップが仕込まれてる〜逃げよっ!!あ、あれ…?ドアに鍵がかかってるし、窓に板が打ち付けられてる!いつの間に!?助けて〜!ってなる話
【感想】
SAWシリーズで脚本をつとめた人(ジェームズ・ワン、リー・ワネルではない)の初の監督作らしく、残虐描写やトラップのクリエイティビティなど、SAWの遺伝子が随所に感じられてなかなか面白かったな〜。「この短期間にどうやって気づかれずに罠仕掛けたん!?」っていうのはまああるんだけど、そこはいったん忘れよう!映画だからね。
それよりもこの犯人の正体が一切わからない謎すぎる男に徹底してるのがすごい良かった。「家族を罠で皆殺しにするが一人だけ生きたまま赤い箱に閉じ込めてコレクションする」という謎の欲望を満たすために黙々と突き進んでいくんだけど、トラップを仕掛ける理由、殺す理由、一人だけを生かす理由、全て何も解明されないという狂いっぷり。なのにしっかりと「何かわかんないけど恐ろしいモノ」として描いていって「何にもわかんなかったけど、これはこれで怖かったね〜!」という後味に仕上げるバランスの良さが素晴らしかったんです。
罠にハマる元金庫破りアーキンも、機転をきかせて逃げていきながら、自分だけ逃げおおせようとせずに他者に救いの手を差し伸べてあげるという悪になりきれない人間味あふれる性格も感情移入しやすかったな。R18ということでなかなか残虐な描写はたくさんあるけど、バランスよく楽しめる良作でした。はい。あ、あとオープニングは「セブン」っぽい感じがしてそれもよかったです
【予告】