映画感想 - ザ・ゲスト(2015)
★★★★★
【あらすじ】
イラク戦争で長男のケイレブを亡くしたピーターソン一家のもとに、突然デイビットという訪問者が現れる。彼はケイレブの親友で、彼の最期の言葉を伝えに来たと告げた。突然の来訪に一家は驚くが、彼を息子のように家に招き入れる。母親を慰め、父親と酒を酌み交わしながら愚痴を聞き、いじめられている次男に護身術を教えるなど、彼が来てからというもの瞬く間に一家が好転し始めるが、娘のアナが怪しんで素性を調べたところ、「彼は1年前に既に死んでいる」という事実があった。え…?一体この訪問者は何者で、何が目的なのだろうか…?
【あらすじ】
手垢のついた設定をあえてチョイスして脚本に独特のひねりと新鮮なカメラワークと演出を加えつつ、80〜90年代を感じさせるレトロな雰囲気が加わってヒットした「サプライズ」の監督アダム・ウィンガードと脚本サイモン・バレットが再び手を組んだ訪問者系スリラー。こちらも「サプライズ」を彷彿とさせる前述の要素がさらに洗練されていて、説明が非常に難しい魅力に溢れておりました。めちゃめちゃいい奴なんだけど明らかに犯罪に手を染めてる…だけど全く証拠を残さないし、怪しさに気づくのは娘だけだがそれも信用されない…!誰か気付いて…!って、ありふれた設定〜〜〜!!なのに、何故かこんなにも面白い!
不穏過ぎるBGMとともに入ってくるタイトルロゴ(←タイトルインは一見の価値あり)と、時折見せるこのサイコパス的表情で、完全にこいつやべ〜奴というイメージを見ている人に思いっきり根付かせておきながら、中盤以降まで完全にいい奴で家族と深い関係を築いていくんですよ。「頼むからこのままいい奴で終わってくれ…」と願わずにはいられなくなる序盤と、そこからだんだん最悪の状況に転がり込んで気づいた時にはもう後戻りできないという落差が素晴らしかったな〜。
終盤の対決パートではハロウィン祭でお化け屋敷と化した高校が舞台なんだけど、これもまた良かった!!高校生が作り出した恐怖の雰囲気が80年代ホラーのようなチープさで、対してその中に最先端のヤバい奴が潜むこの構図。計算し尽くされたこだわりを感じましたね。デイビットを止めるために派遣された特殊部隊が無策過ぎてなす術なくやられていくのはポンコツ過ぎるだろと思ったが、その分ヤバさに気付いた姉と弟が頑張ってカバーリングしてくれてGOODでした。
ちなみに唯一ヤバさに気づく娘のアナ役には、「イット・フォローズ」で主役を演じて幽霊に追いかけ回されるマイカ・モンローさんが出ておって「お!」となりました。その時は気弱な女の子を演じていたけどここではイケイケギャルだったので、演技の幅広いな〜と感心しました。おっぱいもめちゃくちゃ寄せていた。敬具
【予告】