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映画感想 - ザ・ボーイ〜人形少年の館〜(2016)

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ザ・ボーイ 〜人形少年の館〜

★★★★☆

 

【あらすじ】

ひょんなことからイギリスに移住してきたグレタは、郊外にあるお城のような大豪邸に住む老夫婦から旅行中のベビーシッターの仕事をしてほしいという依頼を受けた。しかしブラームスと名付けられた息子は、タイトルからも分かる通りどこからどう見ても人形だった…。

 

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ジョークかな?と思いきや、老夫婦の目はマジ。どうやら過去に息子を亡くしてしまったショックでこの人形を息子と思い込んでいるらしい。う〜んこれは困った。彼らは最愛の息子に対して「朝7時に起こす」、「ちゃんと着替えさせる」、「ピアノを聞かせて詩を読み聞かせる」、「おやすみのキスをしてあげる」、などの様々なルールをグレタに引き継ぎ、旅行にでかけた。しかしグレタはまだこのコント的世界観にはついて行けず、所詮人形だしやっても無意味でしょってことで言いつけを守らず雑誌を読んでダラダラ過ごしてしまう。

しかし徐々に不気味な現象が起こり始める。人形にかけていた毛布が外れていたり、顔の向きが変わったり物が無くなったり、挙句の果てにはベッド寝かしておいたはずなのに、次見た時は座り込んでいたり…。もしかしてこの人形、マジで生きてるの…???な、話

 

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【感想】

シネマカリテのイベント「カリコレ」にて。人間の姿に近い人形というものは国内でも髪が伸びる日本人形とかあって恐怖の対象になってたりしますよね。試しに「人形が怖い」で画像検索したらマジで怖い画像いっぱいでてきたし…。ホラー映画界では超有名どころで「チャイルド・プレイ」とかあったりするし、ピエロと同じ軸で「人形怖い〜!」というトラウマを持ってる人もいるのではないでしょうか。まあチャイルド・プレイはほとんどコメディだけどね。

で、この映画は制限された空間と登場人物で逃げ場が無いというシチュエーションで不気味な人形と共同生活をするうちに怪異に見舞われるというありがちな流れにしつつも、チャイルド・プレイ的なコメディ要素は全部抜いて正統派なホラーを作る!という意気込みを垣間見るような気味悪さが好感が持てましたね。

 

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そもそもブラームス君人形がめっちゃ怖いでしょ。直接的に動くシーンは全く出てこずに、ふとした瞬間に移動しているし、こっち向いてるし、部屋は散らかる…などが積み重なって、直接見てないけどもう完全に動いてるやつでしょ〜!という不気味な演出を丁寧に描いていったのが良かったです。だんだん「これはマジで言いつけ守って世話せなアカンわ…」という気分になってちゃんと世話をしていくグレタの心境の変化も面白い。適当に寝かしていただけなのにベッドの上に腰をかけてやるべき世話リストをかたわらにそっと置いて無言の圧力をかけられたら気が狂って逃げ出すと思うけど、そうしないグレタにはある過去があって…という登場人物の心情をうまいこと深掘りしていて、あんまり破綻はしてなかったな〜と思いました。

 

ホラーのお手本のような演出が光る秀作だったけど、思い返すとそこまで派手なシーンは無いので退屈に感じる人もいるかな?まあそれなりに面白いので暇な時にどうぞ。

新宿シネマカリテで次は7月21日21:00〜、7月26日10:30〜。

  ちなみに主演は「ウォーキング・デッド」のマギーでおなじみのローレン・コーハンさん。お美しい人であった。ゾンビの次は人形に襲われてたいへん不憫なので、誰か幸せになる役を与えてやってくれよ!…と思って調べたら、「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」出てたのね。序盤に殺される役だけど…。

 

 

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そしてこちらは日本版のビジュアル。相変わらずセンスが無い…。

 

【予告】