映画感想 - ムカデ人間3(2015)
★★★☆☆
【あらすじ】
凶悪犯を収容するジョージ・ブッシュ刑務所では、所長のビル・ボスが悪逆非道の限りを尽くしてメチャメチャな運営がなされていた。その結果、職員の離職率も跳ね上がる、出所した囚人の4割が3週間以内に再犯を起こして舞い戻ってくる、ボスの虐待による医療費も全米一と、完全にやばい状況であった。事態を重く見た州知事が解雇をちらつかせて何とかこの状況を改善させるように命令する。そこで「ムカデ人間」シリーズのファンであった会計士のドワイトは、囚人500人全員をムカデ人間にすることで全ての問題が解決できると提案するのであった…。
【感想】
評判悪かったので敬遠してたんだけど、NETFLIXに入ったこともあってサッと見てみた。2がグロとスプラッターと異常性を笑い一切無しで極限まで不快に詰め込んだあの衝撃度が凄まじかったのが一転、今回はちょっとコメディに寄ってるところはあったかな。「500人つなげる」っていう時点で出オチだし…。
「1」のヨーゼフ・ハイター博士を演じたディーター・ラーザー、「2」のマーティンを演じたローレンス・R・ハーヴェイがそれぞれ違う役で共演している時点でギャグに寄ってるのは明らかだけど、このボスが常識では考えられないめちゃめちゃな事をするのも逆にブラックジョークを加速させていたな。秘書を性奴隷にする、囚人への拷問として顔におしぼりをかぶせてそこに熱湯をぶちまける、「大人しくなるかも?」という軽い気持ちで囚人を麻酔無しで去勢して素手でキンタマをつかんで手についた血を顔に塗りたくった挙句にそのキンタマを料理してランチに食べる、アフリカから取り寄せた干したクリトリスをレーズンみたいに食べ「割礼文化最高〜!」と叫んだり、マジでめちゃくちゃすぎ!
ただ残念ながらそのボスの独裁っぷりが1時間以上続いて肝心のムカデ人間完成から後は特に発展が無かったのはちょっと物足りなかったかな。500人つながってるからどうやっても無理だよね。まあでも「一作目→序章」「二作目→グロに振り切る」「三作目→コメディに振り切る」という風に一つのテーマでかなり方向性を変えてやりたい放題に作ってくるトム・シックス監督はかなり手腕があるような気がしてきた。気のせい?
【予告】