映画感想 - インバージョン 転移(2015)
インバージョン 転移
★★★★☆
【あらすじ】
とある小屋で目を覚ましたアダム。自分の名前すら思い出せないほどに記憶が無くなっている。ここはどこなんだ?さらに鏡を見ると、自分の顔が黒い液体を撒き散らしたゾンビのように変化していた。なんで…?さらにさらに、部屋を眺めているとめちゃめちゃに荒れ果てており、窓やドアは木の板で閉じられ密室にしつつ、壁には「思い出せ」というメッセージと似顔絵が貼られていた。何もかもが不明すぎるこの状況、しかし徐々に記憶を手繰り寄せていくのだが、そこには自分が経験したことのない知らない人の記憶も思い出してきた。一体この現象は何なのか?
【感想】
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督が2014年のイケてる映画12選に選ばれたスリラー映画。「メメント」のように、時系列がバラバラに展開していって「一体何が起こったのか?」を断片的に解明していく飽きさせない作りと、謎のウイルスに感染すると黒い液体まみれになり思い出せば思い出すほど知らん人の記憶まで入り込んでくるという謎が謎を呼ぶミステリアスな展開、結構よかったですよ。時系列は現在・過去・全然知らん場所の三つが複雑に絡み合うので映画見慣れてない人は結構しんどいかもしれないけど、序盤の謎すぎる状況が少しずつ明らかになっていく気持ち良さはお見事。
この黒い液体に感染することで、呼称が「我々」になったりそこからある目的を達成しようとする人知を超えた存在も明らかになっていって、少しずつ世界中が侵食していくというアイデアも斬新。とはいえとりあえずアダム視点での事態はひとまず収束するものの、最終的に「我々」がどのような終着点を目指しているのかがよく分からず、なぜなぜどーしてな点がけっこう残ってしまうのはちょっとあったかな。全部解明しないと気になりすぎて低評価つけちゃう皆さまにおかれましてはモヤモヤが残るかもしれませんが、私はかなり楽しく見れました。皆様も是非。
【予告】