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映画感想 - ザ・シェフ 悪魔のレシピ(2016)

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ザ・シェフ 悪魔のレシピ

★★★★☆

 

【あらすじ】

クルド系移民のサラールはロンドン郊外で小さなケバブ屋を父親とともに切り盛りしていた。しかし父親は病気がちな上、自分も苦学生で、生活は苦しいものだった。さらにこのサウスコートの街は夜な夜な若者たちが酒に酔い暴れまくるという最悪に治安が悪い地域。店内で喧嘩があっても警察がくるのは3時間後、さらに移民ということもあってナメられることもしばしばだった。そんなイライラが募る中、父親がからんでくる酔った若者を追い払おうとしたら突き飛ばされ、打ち所が悪く死んでしまった。しかも目撃者がいないので本人を罪に裁くこともできなくなった。も〜〜〜〜〜いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

 

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さらに数日後、店内でまた暴れる若者がいた。ちょっとサラールが裏に行ってる間に勝手にキッチンに入って揚げ物を作り始めたのである。いい加減にしろと追い出そうとするが、抵抗し、もみ合ううちに超高温のフライヤーに若者の頭をぶっ込み、からっと揚げ殺してしまった。やっべ…でも…腐りきった世の中、死んでも誰も気にしないカス、差別意識の消えない格差社会…、全てを憎んだ勤勉なサラールは何かが弾け、この若者を細かく刻んでケバブの材料として次の日の「仕込み」にしてしまった。いったいどうなる…。

 

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【感想】

あらすじが長くなってしまったけど、「まじめな若者が様々なものを憎みまくって凶行に走る過程」にものすごく見応えがあったので、興が乗ってその辺りまで書いてしまいました。単純なゴアホラーではなく、移民問題を含んだ社会風刺が説教くさくなく描写されて「そりゃ人肉をケバブにしたくなる気持ちもわかるわな」と応援したくなることうけあいです。だって、こんな最悪な街、ある…?ってちょっと笑っちゃうぐらい治安悪いんですよ。

 

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一番最悪な客は、勝手に店に入ってきて女同士で痴話喧嘩し、静止したらサラールにも暴言を吐きまくり、机の上に置いてあった論文作成用のPCをぶっ壊し、店の前に突き飛ばしたら突然M字開脚で自慰を始め、さらにサラールを裏につれこんで即尺しようとした女。どういうこと???いくら酒に酔ってるからってそこまでいく???もちろんケバブの材料や!!!!殺せ!!!!となりますよね。そんな感じで殺してもいい若者が無限に出現するので、食材には全く困らない街でした。原価ゼロ。でも最悪であればあるほどサラールの凶行がより正義に見えてくる構図が良いんですよ。18禁ということもあって、ゴア描写はなかなかのものだし。オチはちょっと微妙だったけど、この人肉ケバブでどんどん有名になっていくのはよかったな。

 

【予告】