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映画感想 - 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2016)

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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ

★★★★★

 

【あらすじ】

孤独なチンピラおじさんエンツォは、ひょんなことから鋼鉄のような耐久性とパワー、そして脅威の再生能力を宿してしまう。これはラッキー、その力を利用してATMをぶっ壊し金を巻き上げ、AVやプリンを大量に買うなど私利私欲のために使っていた。そんなある日、世話になっているセルジオと闇取引をしている最中に揉め事が起こり、その流れでセルジオは取引相手に殺されてしまい、その娘のアレッシアの面倒を見ることになった。彼女は母親を亡くして以来自分の殻に閉じこもってしまい、現実とアニメ「鋼鉄ジーグ」の世界を混同するほど天真爛漫であった。

一方、セルジオの行方がわからなくなったことで街の一角を仕切るゴロツキのジンガロがアレッシアのもとへ訪れて居場所を吐かせようとするが、辛抱たまらずエンツォが窓から乱入し、その力を使ってチンピラ達を撃退した。その姿を見たアレッシアは、エンツォを司馬 宙(鋼鉄ジーグ)と重ねて見るようになる…。

 

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【感想】

イタリア制作の、永井豪原作アニメを超絶リスペクトするダークヒーローもの。さいっっっっっっこうに面白い〜〜〜〜〜!!!!!!!最高!!!生きることに希望を見出だせないきたねえおっさんエンツォがスーパーパワーに目覚めて、さらにヒーローの何たるかを知り尽くすちょっと頭のおかしい女アレッシアと関わるうちに自分のアイデンティティ・やらなければならないことを見つけ、目の前の悪を討つ…という胸が熱くならないわけがない勧善懲悪ストーリー。最高です。キーとなるのが「鋼鉄ジーグ」っていうチョイスもすごい!マジンガーZでもゲッターロボでもなく、ガンダムでもなく鋼鉄ジーグ!!圧倒的存在感!

 

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↑のように、鋼鉄ジーグをプロジェクターに写して見ている時にアレッシアの情緒がおかしくなってエンツォがぎこちなく抱きしめるというこのシーン。ここマジに美しい超絶名シーンです。こんなジーグの使い方ある?鋼鉄ジーグ本編自体は本当にひとつまみのスパイス程度の使われ方だけど、監督のリスペクト精神が随所に見られる素晴らしい構成でした。ジーグじゃなくても良さそうだけど、最後まで見るともうジーグじゃなきゃね!!!ってなっちゃうね。

エンツォは不器用な生き方しか出来ないマジの孤独なおじさんで、アレッシアが穢れを知らない天真爛漫な性格という対照的な感じなのも良かった。言うなれば「ターボキッド」におけるキッドとアップルのような、男が女に振り回される関係。最高ですね。そしてそこに登場する悪のボス・ジンガロがまたぶっ飛んでて良かった!マフィアの世界でのし上がりたい欲求と、手下をコマとしか見ておらず、自分が生き残るために媚び売り裏切り何でもする泥臭さとサイコ感が「エンツォの戦う理由」として機能しているんですよね…。は〜最高。

 

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テロの脅威に怯えつつも、裏ではマフィアが色々動いている…というイタリアの闇の部分もかなり深く描いており、「こういう抗争、ジョジョ第五部で見たな〜」となりました。やっぱりイタリアってマフィアの力やばいね…と日本で住んでたら知ることのないような情勢も興味深いです。オープニングで日本語タイトルがババーンと出るのもめちゃめちゃカッコイイし、最後にエンツォ街に消えるスパイダーマンみたいな終わり方も「熱さ」のツボをこれでもかと刺激してくれて最高過ぎ。今すぐ見に行こう!

 

【予告】