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映画感想 - アイム・ノット・シリアルキラー(2016)

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アイム・ノット・シリアルキラー

★★★☆☆

 

【あらすじ】

葬儀屋の息子ジョンはソシオパス(反社会的人間)とカウンセラーから診断される。死体への異常な興味、思いやりの欠如、連続殺人鬼の心理考察、そして「人に対して殺意がわいた時はその人の事を笑顔で褒める」と自分に課しているルールなど、人の道から外さないようにはしていたが普通に殺人者予備軍ではある。

そんな中、平和なこの街で連続で殺人事件が起こる。被害者はどれも体を食い破られたかのような凄惨な状態で、ジョンはもう興味しんしん丸。同一人物の犯行と推察し独自の調査を始めるが、何と隣に住むおっとりした、奥さんを愛するクローリー爺さんがひと気の無いところで人を殺し、さらに屍肉を食べるところを目撃してしまった。え〜!そしてジョンは次なる殺人を止めるべく、じいさんと対峙する…!

 

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【感想】

殺人鬼予備軍の尖った若者と、連続殺人鬼のジジイが対決するというプロットの良さと、ジジイが「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でドクを演じたクリストファー・ロイドということで鑑賞。残酷描写は抑えめで思ったよりゆったり進んでいき、ジョンの狂気と平静との葛藤が丁寧に描かれるのが印象的。その心情を表すかのような雪が積もった寒々しい田舎町という舞台設定もとても幻想的で良い。

 

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ソシオパスであるジョンはいかにもナヨナヨしてて色白で線の細い奴なんだけど、内に潜む狂気をうまく表していてとてもいい役者だな〜と思いました。絞殺魔の小論文を書いて「普通の人はこんなこと書かないぞ」と先生に言われるも「普通って何?」と反抗したり、不良にからまれても「お前は段ボール箱と同じ。外側は超つまんないけど、中を開けたら何か良い物が入っているかもしれない。お前のことも切り裂いて中を見てみたくなるんだよなあ…?」と言ってのけたりと、完全にヤバいんですよね。触るもの皆傷つけそうな危うさよ…。

対するクロウリー爺さんは、スマホで自分のキス顔を奥さんに送るためにジョンに操作の仕方を聞いたり、ご近所付き合いも良好でまさに好々爺って感じなんだけど、殺人&食人を繰り返すという常人の理解を超えた行動を取って、こっちはリアルにヤバい。この「殺人衝動を抑える若者」と「無慈悲に殺す老人」という対極の存在が交差する展開がまた面白かったね。しかもそのジジイがドクでしょう…?つまり「良さ」ですよね…?

 

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近いです

 

そして、静かな田舎町と起伏の少ない展開で少し眠たくなってしまうのは正直なところなものの、終盤の展開が余りにも予想外過ぎて一気に眠気が吹き飛び、目をかっ開いて凝視するしかなかったな。ちょっと笑ったし賛否両論もありそうだけど、これで眠気が吹き飛ばなかったらすごい。それまでの設定も全て忘れてしまうぐらいのインパクトなので、是非とも一度でいいから見てもらいたいと思いました。まあまあオススメ

 

【予告】

 

【ジジイ関連】

悪ガキが迷惑ジジイにイタズラする

 

悪ガキが盲目の狂ったジジイに襲われる

 

認知症のジジイの復讐の旅