にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - 猿の惑星:聖戦記(2017)

f:id:chicchi0411:20170822132957j:plain

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

★★★★☆

 

【あらすじ】

人間を憎んだ猿・コバによって引き起こされた人間と猿同士の戦争は悪化の一途を辿り、今日も各地で戦闘が行われていた。リーダーのシーザーは、「そっちが攻めてこんかったら何もせぇへんから放っといて〜な」という穏健派であったが、ある日猿達の要塞が軍隊に攻め込まれ、シーザーの妻と子が大佐によって殺されてしまう。完全にブチ切れたシーザーは復讐を誓うが、コバと同じ道を辿るわけには…と葛藤する。果たしてこの戦争に終わりは来るのか…。

 

f:id:chicchi0411:20170822133922g:plain

 

【感想】

猿が知恵を持ってそこから人間社会に殴り込みをかける「創世記(ジェネシス)」、猿から裏切り者が出て人間たちとの戦争に発展する「新世紀(ライジング)」ときて、戦争の決着とシーザーの心の葛藤を描いた「聖戦記(グレート・ウォー)」。序盤から山の斜面でド迫力の戦闘シーンに始まり、シーザーの妻子殺害、そして多くの猿が収監されている人間たちのベースに攻め込んで復讐を行う…という流れではあるものの、シーザーの内面の心の動きを非常に綿密に描いているのが印象的でした。ただでさえ「新世紀」で「猿は猿を殺さない」という鉄の掟を破って人間を憎みまくるコバを殺したことで苦悩しまくってたのに、さらに人間に復讐しちゃったら「お前も人間を憎むこっち側やないかい」となってしまうからね。そんな感じでシーザーのズタボロになってる心をさらにめちゃめちゃエグッてくるのが見ててつらぽよだったな〜。コバのように人間を殺すような同類になることは絶対に避けたい、しかし妻子を殺されてこのまま黙っていられるの…?と気が狂いそうになジレンマを乗り越えての復讐劇がどういう結末を迎えるかは、その眼(まなこ)で確かめてくださいませ。

 

f:id:chicchi0411:20170822141613g:plain

 

CGの技術は最早言わずもがなで猿の細かい表情や風になびく毛などはもう実際に猿に演技させてるのではと錯覚するほどのクオリティ。対する人間達のトップである大佐を演じたウディ・ハレルソンも非情なカリスマとして役目を全うしていて最高だったな。対して新キャラのバッドエイプが結構ギャグキャラだったのが気になった…。人によってはいい感じに和ませてくれるかもしれんけど、個人的には今までの二作はかなりガチで重い雰囲気で走り続けてきたのが好きだっただけに、中途半端なお笑い要素いらん〜!とは思ってしまったな。吹替え声優も柳沢慎吾ってところでだいたい言いたいこと分かるかと。

 

f:id:chicchi0411:20170822141732g:plain

 

前二作を見ていることが条件だけど、事前に予習してからこの完結編は見るとよいと思います。シーザー率いる猿達の長い長い旅がようやく終わり、本家「猿の惑星」につながるような目を見張るラストなので…。いまふと思ったけど、ティム・バートンが監督した2001年の「猿の惑星」って、一体何だったんでしょうね。

 

【予告】