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映画感想 - リビング・デッド サバイバー(2018)

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リビング・デッド サバイバー

★★★★☆

 

【あらすじ】

コミュ障の青年サムは、元カノ主催のホームパーティーに参加し、それまで貸していた私物を返してもらおうとしていた。人が苦手なので奥の部屋に身を隠し眠り込んでしまったのだが、朝目が覚めると状況は一変。なんと自分以外ゾンビになっていたのである!外にはゾンビがあふれて出ることも出来ない、安全な場所に引きこもってたった一人で助けを求めるが、待てど暮らせど誰も来ない…。真の敵はゾンビではなく「孤独」だ…!

 

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【感想】

フランス産のゾンビ映画。とはいってもアグレッシブに展開するのではなく「ゾンビの世界でたった一人生き残ってしまった人」というテーマを深掘りして主人公サムの心情を丁寧に描写している点が良かったです。感想を少しあさると「何も起こらない、退屈だ」と書かれたりしてますが、それは「ゾンビ」をメインに見ているだけの話。本作のゾンビは舞台装置に過ぎず、「孤独の恐怖」に焦点をおいて見るとゾンビよりも数倍怖いじゃん、と楽しむことが出来ます。そしてフランス映画だからなのか、孤独のシーンがどれも実に情緒と哀しみが重なり合い、なんとも言えない空気感を漂わせてて良いですよ。一人なのでもちろんセリフはほぼ無し、表情と行動でほぼ伝わってくる味わい深さ…。

 

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エレベーターに閉じ込められたジジイのゾンビに延々と話しかけたり、安全な場所から魂のこもった激しいドラムソロであえてゾンビを呼び寄せたり、野良ねこを見つけて呼び寄せようとするも深追いしすぎてゾンビに食われそうになったり、誰も見てないからって急に歪な坊主頭になっていたり、忘れ物のスマホに入っていた家族にあてた最期のメッセージを聞いて涙を流したり、一人でいろんな物を叩いて即興の曲を作ったり(しかも意外と音楽センスがある)、ペイントガンでゾンビを撃ったり…うっ、泣ける。切ない…。そんな感じで孤独で押しつぶされそうになった時に一人の女性に出会うけど、そこからどうなるかは是非その目でお確かめください。ゾンビはおまけ、孤独が主役!

 

【予告】