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映画感想 - ザ・バニシング(1988)

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ザ・バニシング -消失-

★★★★☆

 

【あらすじ】

オランダからフランスへバカンスを楽しむために車でかっ飛ばしていたレックスとその恋人サスキア。しかしサービスエリアで突如サスキアが行方不明になってしまう。レックスは亡霊に取り憑かれたように執念深くサスキアの行方を追うが、手がかりなく3年が過ぎる。そんな中、何かを知る男がレックスの前に現れる…な話

 

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【感想】

1988年の失踪系サイコスリラー。何故か30年以上経ったいま日本初公開とのこと。スティーブン・キング曰く「最も怖い!」、「サイコサスペンス史上No.1の傑作」と事前にハードル上げまくってましたが、その名に恥じない怖さと嫌さと胸糞さで構成されておりました…嫌すぎる…。犯人は序盤でレイモンだと分かる古畑任三郎パターンで、「二人の娘から尊敬されてる大学教授」とパーソナリティを公開しておきながら、裏では自身を深く知るために実験と称して何のためらいもなく人を手にかける冷徹さとヤバさが爆裂に描かれてるのが強烈。特に家族との団らん中に「…あ、自分が弱者を演じれば誘拐の成功率が上がるのでは?」と思いつく瞬間は一番戦慄しました。そんな時に気づくなよ!みたいな

 

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ただこのサイコ野郎も誘拐の成功率は低く、やり方を試行錯誤して時にはドリフのコントかよみたいな失敗をしたりする人間臭さもあって、でも逆に「完璧じゃない等身大の人間」を描いてるからこそ、こいつの底知れない闇が浮き彫りになる仕上がりになってましたね。残虐描写は一切ないのにここまで震え上がらせるのはスゴイ。対してサスキアのために3年以上テンションを高めたまま探し続けるレックスも狂気じみていて、「真実を知りたい」という一点で突き進むあまりレイモンの手のひらで踊らされる鬱展開もかなりのものでした。見たあとに心が黒く濁るような嫌さを感じるのはなかなか珍しいので、興味があれば是非…

 

【予告】