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映画感想 - 殺人者の記憶法(2017)

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殺人者の記憶法

★★★★☆

 

【あらすじ】

認知症が進行中で記憶を失いつつあるビョンスは娘と二人で暮らしているのだが、かつては正義の名のもとにクズ人間を殺す連続殺人鬼だった。ある日、車の接触事故を起こしてしまい警官のテジュと出会う。ビョンスはその目を見て確信した。「こいつも俺と同じ、殺人鬼だ」と。その魔の手は娘に迫ろうとしている。自分の記憶が無くなる前に、何とかしなければ…忘れるな…!な話

 

【感想】

韓国のサスペンスで最近ネトフリに入ってました。認知症でどんどん記憶を失ってる元連続殺人鬼おじさんが、娘を狙う新たなる殺人鬼と戦うというかなり尖った設定。基本的におじさんの視点で物語が進むものの、ボケまくってるということもありまさに「信頼できない語り手」の手法で今起こってるこの出来事が真実か虚構か、かなり曖昧に描いてくれる…!つまり片時も安心できないあやうさに包まれているということ…!娘が殺されるかもしれない危機感、しかしその危機すら認知症で忘れていってしまう焦燥感、そして執念を燃やした殺人鬼のこともここにいまいる自分も、全て忘れてしまう恐怖感…。記憶にまつわるあらゆる恐ろしさが描写される良作でした。本当にボケたくない…つらいから…

 

「顔の左部分に痙攣が起きると大規模な記憶の欠落が起こる」というのが本作のギミックのメインであるため、発症して気づいた時には状況が一変し、さらにそれが真実かどうか分からない演出はまるで自分が認知症に陥ったかのような不安感もあり、オチに関してはさらに曖昧になってるのもまた良いですね。結局何が真実!?と濁りまくってしまう終わり方。「新しい記憶 編」という別バージョンもあるので、こっちも流し見しておこうかな…気になるし…。かなり無茶苦茶なストーリーだけど変に納得させてくれる緊張感と説得力に溢れてて、トータルかなりよかったなぁ。韓国のサスペンス映画、やはり面白い…

 

【予告】