映画感想 - サイレンス(2016)
★★★★★
【あらすじ】
わたし、耳が聴こえず話せない聾唖のサラ。人里離れた山奥の一軒家で作家活動をしているんだけど、突然現れた殺人鬼に命を狙われてしまった!助けて〜!耳が聴こえないのは日常生活ではなんともないけど、危機的状況にはめちゃくちゃ弱いよ〜〜〜!な話
【感想】
twitter界隈で「良い」という評判がたくさん回ってきたので、NETFLIXで見た(80分とこれまたお手頃)。
なるほどみんな言ってるだけあってこれはめちゃ面白い!舞台が家一軒、殺人鬼に狙われる、という案件は手垢まみれで、下手すればすぐに飽きられてしまいそうなところに「聾唖」というめちゃくちゃ不利な要素が加わることで全編とんでもなくスリリングな展開に仕上がっており、グイグイ引き込まれていきました。
向こうの様子がかなり分かりづらい、助けが来ても見えてないと分からないなどなど、出てくる出てくるディスアドバンテージ!徐々に追いつめられて絶体絶命な状況で「死ぬ〜〜!」と思わせてしまう中盤の絶望感は本当に気が滅入りましたね…。
で、この女の人は小説家で、アイデアがわく秘訣を聞かれて「勝手に頭の中に浮かんできて、様々な展開が映像で頭に流れる」と話すんだけど、これが中盤に「こういう風に逃げたらどうなる…?」→「こうなってこうなって死ぬ」、「じゃあこうしたら…」→「こうなって死ぬ」と様々な脳内シミュレーションを自動で行って、何が最善策かを消去法で導き出して、自ら切り開いていくという展開も非常に巧いな〜〜と思いました。行動原理が筋道立てて明確になるので違和感もなく、感情移入がめちゃくちゃできましたね。監督のマイク・フラナガン、相当コレ(ヒジを前に突き出して、もう片方の手でポンポンと叩く動き)があるな。
さらに話すことができないので、ほとんどセリフも無いんですよ。これがまた瞬き一つできない緊迫感を演出していて、手垢まみれのジャンルをスリル満点なものにしてくれて最高でした。終盤の熱い展開と演出も見事過ぎてため息が漏れてしまうレベルだったので、NETFLIX入ってる人は今すぐ見ましょう!!!
【予告】