映画感想 - ホーボー・ウィズ・ショットガン(2011)
★★★★★
※グロgifアニメあり
【あらすじ】
街から街へ放浪するホーボー(=流れ者の意)が無賃乗車で行き着いたホープタウンは、ドレイクとその息子スリック&アイバンに支配されていた。警察すら彼らの味方で、犯罪・暴行・殺人・強盗が日常茶飯事で行われているのである。
そんな狂った街に嫌気がさしたホーボーは、ある日雑貨屋で強盗団と遭遇してしまうが、とっさに近くにあったショットガンを手に取り、全員射殺。購入予定だった芝刈り機の代わりにショットガンをそのまま買い、街を浄化する存在として立ち上がる決意を固めるのであった…。
【感想】
ゲボ吐くかと思うくらい笑ってしまったな。めちゃくちゃ痛快で最高過ぎ!!オープニングのたった5分、予備知識も無く見始めて「どんな映画なんだろう?」と身構える前に、
いきなり街の支配者ドレイクの弟を斬新すぎるギロチンで殺す!
そして地面から噴き出る血を浴びる女!これ以降この女は出てこない!なにこれ!?
↑というめちゃくちゃなバイオレンス描写を見せつけて開いた口が全くふさがらなくなり、そのまま一気に90分全力で突撃していって、気付いたら終わってました。こんな90分あるかよ…。でもこの5分でホープタウンがいかにやばい街か、ドレイクがいかに狂ってるかというのが焼きごてで根性焼きをされたかのように印象づけてくれたな。ホープタウンのめちゃくちゃさが本当に常識では考えられないレベルで、逆に笑ってしまうんですよね。人ってこんなにめちゃくちゃな事、考えられるんだな…とリスペクトすら感じる。
登場人物全員に個性と見せ場が用意されていて、キャラメイキングもしっかりしていましたね。ホーボーは非の打ち所がないカッコ良さ、売春婦のアビーもホーボーに感化されこの街を変えようとする心の動きもよい。ドレイクとスリック&アイバンも、一切善の心が無い非道な超絶極悪人なのにコミカルに見えてくるのも魅力的。そんな感じでホーボーが勧善懲悪する展開は素晴らしかったな〜〜〜〜。
監督のジェイソン・アイズナー、薄々は感づいてたけど「ターボキッド」の製作総指揮も務めていた。話の流れは全く同じなのでホーボー→キッド、アビー→アップルちゃん、ショットガン→ターボスーツ、ドレイク→ゼウス、ホープタウン→崩壊した1997年、に置き換えたやつがターボキッドなんだなって思った。
ともかく、ホーボーがおじいちゃんなのに「怒」をただ一つのモチベーションにしてめちゃくちゃ頑張って、さらに何もせずに震えるだけだったアビーや住民たちもホーボーの背中を見て変わっていく様は少年漫画を見ているようでかなり熱かった。キツ目のコントラストで特徴ある映像表現にもなっていてひと味ちがう感じもすごく楽しい。かなりめちゃくちゃなので人は選ぶと思うけど、ハマる人はめちゃハマると思います。そしてその流れで「ターボキッド」も見ましょう。オチはもうちょっと何とかして欲しかったが…。
【予告】
【ジェイソン・アイズナー関連】
4話目の「Slumber Party Alien Abduction」を監督してます