映画感想 - 人間まがい(2013)
人間まがい
★★★☆☆
【あらすじ】
闇夜を走るセスの車、行き着いた先は友達のマークの家。セスは「何かが来る、やばい!閃光を見た。匿わせてくれ!家から出るな!」と鬼気迫る表情でマークに詰め寄る。にわかには信じがたい事態だったが、突然耳をつんざく轟音が!苦しむセス、マーク、そしてマークの婚約者ジェン。と思いきや、突然ふらふらと外に歩いて行くマーク。するとまばゆい光に包まれてマークは消息を絶った…。
小さな田舎町での閃光事件はあっという間に噂になり、セスは怪しい男として警察に連行された。しかし証拠不十分で釈放されるも、その後はトラウマに悩まされることになった。
そして2年後、セスは未だにトラウマで病院のお世話になっているが、ジェンは過去を捨て去り新しい恋人を作っていた。そして森で猟師が裸の男を発見する。それは他ならぬマークであった。しかし猟師をいきなりぶっ殺し、服を奪い、街へ…。一体このマークは「誰」なのか?今までどこにいたのか?突然帰ってきた目的とは?
【感想】
80年代の雰囲気が漂う宇宙人侵略系低予算B級ホラー映画。特に新鮮味は無いけども、タイトル通りの「人間まがい=ALMOST HUMAN」になってしまったマークの殺人鬼っぷりがすごい一品。ショットガンで顔面を破壊し、ナイフで喉元を掻っ切る、斧で頭をかち割る、などのバリエーションに富んだ人体破壊描写が目白押し。それに対抗するセスはトラウマを引きずって体調もずっと悪くバイトも休みがちになって迷惑をかけ誰にも心を開かないというかなり腹の立つ男ではあるが、閃光事件の影響で感覚が研ぎ澄まされてマークの帰還をいち早く予期したりと少し特殊能力の片鱗が見えていた。その二人の対決の行方はいかに?な感じで異形の者との戦いはなかなか手に汗握るものがありました。終盤の展開もGOOD。
マークがおかしくなった直接の原因はお察しの通り宇宙人の誘拐によるもので、実際に70年代に起こった事件を基にしているらしいけど、具体的なUFOや宇宙人は一切出てこない。まあテーマがよくあるものなので、でなくても面白さが半減するわけではなかった。むしろ出さない潔さも好感が持てる。
マークは人をぶっ殺して何をするかというと、口の中から触手をひねり出し人間の口にスポっと付けて何かを植え付けて自分とおなじ「人間まがい」を増やすことを目的としているらしい。こうして知らない間にこういう人種を増やして地球を征服しようというのが宇宙人の目的みたいだね。でも何故か元恋人のジェンに対してだけはズボンとパンツをひん剥いて、おまんに触手をあてがったのは笑ったな。やっぱ特別なんだね…。
新しさは無いけど特に退屈になることもなく普通に楽しめるB級ホラーとしてはいいと思います。ノーヒントでマークがどうやってジェンの新居を探り当てたのかは不明だけど、その辺は深く考えずに見よう!ジョー・ベゴス監督、「マインズ・アイ」といい80年代好きだねえ。
【予告】
【ジョー・ベゴス関連】
ここでの主役のグラハム・スキッパー、人間まがいでも主役!タランティーノ映画に対するサミュエル・L・ジャクソンみたいな感じかな