映画感想 - オキュラス 怨霊鏡(2015)
オキュラス 怨霊鏡
★★★★★
【あらすじ】
古物商のケイリーは、11年前に両親を亡くした上に弟のティムも殺人罪で精神医療施設にぶち込まれるというつらぽよな過去があった。ケイリーは当時から家族を狂わせたのは家にあった「鏡」が原因であると結論づけていたので、ティムが退院したタイミングで二人は当時の家で再び鏡と向き合う。鏡に人を狂わせる魔力があることを証明するために…。
【感想】
聾唖の小説家が殺人鬼に襲われる「サイレンス」、夢が具現化しちゃう少年を巡るファンタジー「ソムニア 悪夢の少年」がめちゃめちゃ面白かったマイク・フラナガン監督の、少し前のやつ。結論から言うと、めちゃくちゃこわ面白い…。この監督、ハズレなさすぎ…っっっ!
まずお伝えしなければならないことは、中盤以降、「鏡に呪われてしまった父と母から逃れようとする姉弟の過去」と「10年後に再び鏡と対峙する現在」が見事すぎる映像マジックで鮮やかに交錯していくんですよ。こんな演出、今までに見たこと無かった!「過去に何があったのか」と「鏡にリベンジを果たすことは出来るのか」という二軸のストーリーをここまで大胆に過去と現在を織り交ぜて見せられるのかよ〜とかなり感動いたしました。これは一見の価値ありだと思います。
鏡は具体的に呪いを発するとかそういう見た目の分かりやすさではなく、気がついたらおかしなことになってるという幻覚を見せてくるのがまた怖かったな。ちょっと目を離した隙に設置していたカメラや植物が動いていて、録画していた映像を見返したら実は自分たちが動かしていた…とか、リンゴをかじりながら切れた電球を取り替えていて、再びリンゴをかじったらそれは電球で、口の中が血だらけになってア゛〜〜〜〜〜ってなったと思ったら本当にかじっていたのはリンゴだった…という感じで精神的にジワジワ追い詰められていく描写がとても良かったぞ。
そういう感じで、過去と現在の交錯と鏡による幻覚で、何が真実で何が幻なのか、ほんとに全く分からなくなってくるのも怖かったな〜。全ては姉弟の妄想なのか?という見方すらありえてくる怖さったら。ホラー演出は極力おさえつつ、安易に驚かさない堅実な怖さを突き詰めて派手なゴア描写は無く、コアなホラーファンはそういう演出面では物足りないかもしれないけど温度感としては全く問題ないかなと思いました。むしろ全年齢で見れる健全さもあるのではないかな。は〜面白かった。最後まで惑わされ続けた挙句の、全く救われない無い展開も最高!マイク・フラナガン監督、すごすぎ!
【予告】
【マイク・フラナガン関連】
神がかった面白さ
設定一つなのに圧倒的に面白い