映画感想 - ベイビー・ドライバー(2017)
★★★★★
【あらすじ】
ベイビーは強盗団の逃し屋として裏稼業に生きるドライバー。幼いころの交通事故をきっかけに、耳鳴りが止まらないが、ゴキゲンなミュージックを聞くことでそれは止み、ドライビング・テクニックに磨きがかかる。今日も大胆なテクで無事警察を巻いたベイビーだったが、ダイナーで出会ったウェイトレス・デボラと劇的な出会いを果たし、彼女のために足を洗うことを決心する。合衆国郵便局の強盗を最後のミッションとするが、果たしてどうなる…?
【感想】
「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ワールズ・エンド」などのイギリス系コメディ映画で有名になったエドガー・ライト監督の新作。この監督といえばかなり精度の高いコメディが冴え渡る手腕の持ち主だし、「常連のサイモン・ペグとニック・フロスト出てないやん…」と思ってたんですが、ちょっとちょっとお待ちくだちいな…異次元に放り込まれた錯覚におちいったかのような超絶スタイリッシュな大傑作でした…夢かと思うほどにカッコよかったな、全て…。
カーアクション、ガンアクション、恋人と戯れるシーン、コーヒーを買いに行く何気ないシーン、どこを切り取っても全てが画になる計算された構図はともかく、それをさらにネクストステージのカッコ良さへ引き上げたのが、「音楽との調和」、これに尽きると思います。車のワイパー、札束をテーブルの上におく音、銃撃戦、足音、コインランドリーの音、全てがBGMと完璧なタイミングでシンクロするんですよ。この目と耳を同時に刺激されることで圧倒的な没入感を感じることが出来ました。サイコー。ストーリーは大味気味ではあるものの、そんなことが彼方に吹き飛ぶほどの気持ちよさ。あ〜オープニングを飾るジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの「ベルボトム」を聞きながら信じられない天才的ドライブで華麗に逃げ去る衝撃の5分間で観客の心はも〜釘付け。これはマジで体感して欲しいものですね…。
ベイビーを演じたアンセル・エルゴートは若さと危うさを兼ね揃えた顔つきでめちゃめちゃハマり役だし、恋人デボラのリリー・ジェームズは100億点の可愛さ。アメリカのベタなダイナーでウェイトレスをしているのも良い。強盗団のリーダーにケビン・スペイシー、手下にジェイミー・フォックス、ジョン・ハムと脇を固めるメンバーも盤石の体制。これでスベらないわけがない…今すぐ見に行ってください。見ないやつはバカ。
【予告】