映画感想 - スモール・タウン・クライム 〜回り道の正義〜(2017)
スモール・タウン・クライム 〜回り道の正義〜
★★★★☆
【あらすじ】
アル中の元警官マイクは、仕事もなく酒浸りの生活をしている典型的なダメ人間であった。ある日、バーでいざこざを起こして出禁を食らった挙句、起きたら何もない草原…。幸い自分の車は近くにあったのでフラフラになりながらも車で帰る途中、血まみれで瀕死の女が道端に倒れているのを発見した。
自分の車で病院まで運んであげたが、その甲斐もなく女性は死亡。事件のニオイがする…。マイクは私立探偵と偽り、被害者女性の祖父とコンタクトを取り、この事件の裏のある何かを独自に捜査することにした。この小さな町に隠された陰謀とは…。
【感想】
NETFLIXでこのタイトルで配信されているやつ。アル中の元警官が死にかけている女性を保護したことをきっかけに探偵のように事件を解決していく…という今時めずらしいオールドスタイルなハードボイルドもの。最近CGが目まぐるしいものばっかり見てたから、こういう小規模ながら優れた演技・脚本・演出が随所に見られる秀作は逆に新鮮でした。特にこのジョン・ホークスが演じたマイクが、めちゃめちゃ良い…。アル中で無職と典型的なクズだけど、どこかで立ち直りたいと思っていて、この事件をきっかけに自分を見つめて真っ直ぐ歩いていこうとするのが最高。ブライアン・ミルズ(96時間)やジャック・リーチャーのような無敵ではなく被弾してボロボロになってしまう危うさがまた人間臭くて応援したくなるというかね。
さらに、架空の最新ガジェットや驚愕のCGなどは一切無く、缶ビール片手に地道に捜査を続けて真相にたどり着いていく工程をはじめ、前述のキャラ造形、音楽、車、ヨレヨレのスーツなどなど、目に映るアイテムの全てにセンスが散りばめられて少しのスキも無いほどの渋さ!!展開に新しさは無いものの、とにかく雰囲気と世界観を洗練させまくることで魅力的な「良さの90分」になっております。これはオススメ。是非ご覧ください。
【予告】