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映画感想 - イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019)

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イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-

★★★★☆

 

【あらすじ】

草むらから、少年トービンの助けを求める声。お腹に子を身籠るベッキーと兄のカルは偶然その声を聞き、草むらに入り探す。しかしその草むらは人地を超えた力に支配され決して出られなかった。そしてベッキーを追いかける男トラビスも草むらに入り、迷い込む。やがてトラビスの耳に聴こえてきたのは、草むらに入ろうとするトービンの声だった。無限ループ!!!な話

 

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【感想】

スティーブン・キング原作で、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督脚本のネトフリオリジナル映画。ナタリ氏といえば、みんな大好き「CUBE」で鮮烈デビューを放ったあの人です。その人の新作となっちゃ、見るよな!?「CUBE」は延々と連なる白い部屋に閉じ込められた人々がギャーギャー騒ぐ密室劇の最高峰でしたが、こちらも草むらから出られないという広い意味で捉えれば密室になりますね。この中に入ると空間がねじ曲がり、時間の概念も超越して無限ループに陥り、そして目印をしても草むらの意思で消されてしまい、決して出られなくなるというやばすぎる空間…。この辺りの演出はやはり期待通りでゾクゾクしました。ホラー描写は少ないながらも特徴的なBGMで恐怖を煽ってくるのも良い!

 

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そんな感じでスーパーナチュラルな力に支配された草むらに翻弄される人々はやがて一つのでっか〜い岩にたどり着くんだけど、これが話をさらに複雑に転がしてくれましたね。よくよく考えるとこの辺りの文脈は「2001年宇宙の旅」のモノリス的な意味合いとして捉えれば理解しやすそうでした。そして中盤以降からは岩を中心にかなりスピリチュアルで飛びまくった展開に突き進んでいきながらも、「まあ〜これはこういうことね」と軽く解釈していけばビジュアル面含めて楽しめるかと思います。ただの草むら迷路と思いきや人類の長い歴史に焦点を当て、そこから個人の問題にスイッチさせて手広く描写していく手腕はなかなかでした。さすがヴィンチェンゾ・ナタリ!敬具