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映画感想 - アメリカン・サイコ(2000)

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アメリカン・サイコ

★★★☆☆

 

【あらすじ】

パトリック・ベイトマンはエリートサラリーマン。ウォール街の投資会社の副社長として君臨し、都心の一等地のマンションに居を構え、毎朝のスキンケアや筋トレは欠かさず、有名レストランを難なく予約し女や同僚との話に華を咲かせる。しかし夜は抑えきれない衝動を発散するために、人殺しに精を出す。ある日、ベイトマンの前に彼に匹敵する完璧な男ポールが現れる…な話

 

【感想】

名前は知ってたけど見たことはなかったやつ。20年前…。クリスチャン・ベール、若い…。そしてめちゃめちゃハマってる!でも、この映画すごいですね。会話が全くと言っていいほど頭に入ってこないし、ストーリーも初見だとかなりちぐはぐで理解に苦しむ難解な構成。でも何故かずっと見てしまう不思議な力に包まれてました。ベイトマンのしたことが妄想なのか、事実なのかもまったく分からない…その曖昧さがかなり上手く表現されていましたね

 

イトマンを初めとする同僚達はみんな同じようなスーツに身を包んで髪型もほぼ同じ、話す内容も全く同じかつ内容も頭も空っぽで、名前すら間違えてもそれを誰も指摘せず、もはや誰が誰かも全く分からない状態。ベイトマンの殺人も、その他人への興味の無さが異常性として浮き彫りになった結果誰も殺人を認識しなくなってしまったのか、それとも全てベイトマンがノートに書き殴った妄想だったのか、どちらにも解釈できて、そしてどちらに転んでも「どっちにしても怖っ」と感じてしまう終わり方だったな。「無」がパンパンに詰まったサンドバッグを殴っているかのような見応えのない展開が続くのに、全体を通して見れば印象深いシーンが多いという、かなりトリッキーな一品でしたね

 

同僚達の会話は基本的に一切内容が無いんだけど、その中でも特に名刺を見せ合うシーンだけはまじでめちゃめちゃ笑ってしまったな。スッと見せて、静かな「ドォーン…」という効果音とともに、紙の質やフォントについてのうんちくを垂れ流す。出てくる名刺がどんどんグレードアップして、その度にベイトマンが「嘘だろ…」と極上の冷や汗をかいて焦る…でもパッと見はどの名刺も全部同じ!このしょうもない凌ぎの削り合い!仕事しろ!でも仕事の描写が一切無いのも怖い!難解すぎて見る人はかなり選ぶのにストレスはたまらず明日には忘れてる、そんな変な映画です。敬具

 

【名刺バトル】