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映画感想 - シライサン(2020)

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シライサン

★★★☆☆

 

【あらすじ】

女子大生の瑞紀は、目の前で親友がいきなり眼球破裂して死ぬというやばい瞬間を目撃する。その3日後、春男の弟が眼球破裂して死んだ。奇妙な二人の共通点は、「シライサンが来る」という怪談を聞いて呪われたという説が有力なようだ。瑞紀と春男は面識は無かったが噂を聞いて二人で調査に乗りだす。その怪談を同時に聞いた三人目の人物・詠子を訪れるが…な話

 

【感想】

ホラー小説家の乙一が別名義で監督・脚本を手掛けたホラー。ちょっと雑なところや設定の薄さと粗がかなり目立ってしまって、「ガンバレ…」と思わずにはいられなかったかな。シライサンの造形はなかなか気色悪く、ネットでよく見る怖い画像みたいな感じの描写があったりなかなかトラウマもので、かつシライサンと対峙した時の対抗策も現実にあったら耐えられないぐらい怖いな〜って感じで良いです。また、小手先のびっくり音でビビらすこともせず、気付いたらそこにシライサンがいる!ジワジワ迫りくる!みたいに上品に怖がらせる感じは好感がかなりもてました。あと、「イヤホン360上映」ってやつにも対応してたので試してみたら、映画本編と同期してイヤホンから追加で本来聞こえてこない声や効果音が立体的に広がって入ってきて、臨場感がかなり高まってGOODでした

 

なんだけど、結局のところ民間伝承に振り切りたいのか現代的な都市伝説系に振っていきたいのかどっち付かずになってしまったり、シライサンから逃れる方法も判定がかなり曖昧で、「何故二人は生き延びられたんだ…?」となってしまったり、シライサン自体の設定もかなり説明が足りてなくて、もっと細かいとこ知りてっ!となってしまったかな。小説で読んだら予算や長さに縛られずにかなり細かいとこまで補足して超弩級に怖く仕上げられたような気もするけど、いろいろ足りなかったような感じがあったかな。これは本来の乙一のフィールドである小説で体感したかった!

 

ただ、瑞紀(飯豊まりえ)と春男(稲葉友)の関係性はかなり斬新で良かったです。お互いに面識が無く近しい人を亡くしたことで知り合って調査に乗り出すので、ずっとお互い敬語!距離が全く縮まらない!そのよそよそしい間柄が終盤にも活きてきて、そこはかなりオタクが喜びそうな関係性でしたね。二人でなんとかシライサンを一時的に撃退しても、ひと段落した後に「(瑞)吊り橋効果で恐怖を恋愛と勘違いすることがあるらしいですよ」「(春)そこから始まってもいいと思いますけどね…」っていうかなりさりげない会話があったり…!ここは実に素晴らしかったです。思えばこれが今年初映画館か…少し微妙な滑り出し。敬具

 

【感想】