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映画感想 - ナイチンゲール(2019)

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ナイチンゲール

★★★★★

 

【あらすじ】

オーストラリア、流刑地の孤島に家族と共に不自由に暮らすクレアは仮釈放の認可をもらおうとするが将校の怒りを買い、夫の見てる前で鬼畜レイプされまくった挙句に夫と赤ちゃんまで殺され、全てを失う。復讐の炎をたぎらせたクレアは人種差別が根強く息づく中で黒人のビリーを案内役として雇い、街に出かけた将校を追いかける!自分の命などどうでもいい!復讐や!!!な話

 

【感想】

性差別、人種差別、身分差別、黒人虐殺というタイトルからは想像もつかないほどに胸糞展開が詰め合わさったリベンジスリラー。めちゃめちゃすごい!タスマニア島にイギリス軍が植民地支配を行なった「ブラック・ウォー」という時代を背景にしており、黒人(正確にはタスマニアン・アボリジニ)は見られただけで射殺されるという常軌を逸した人種差別描写が凄まじい!そんな中で復讐の炎を燃やすクレアと案内役のビリーの二人が追跡が劇中の大半を占めてます。はじめはクレアもビリーを黒人として見下していたけど危険で過酷な旅路を経て、どちらもそれまでに耐えがたい苦痛を味わってきた過去があるが故に人種間の壁を超えて絆が生まれるのもバディ感があって素晴らしかったな

 

そして最大の仇である将校も、とにかく最悪下劣で人として認識してはいけないレベルの「血が詰まった人の形をした皮袋」のような外道!こんな奴マジでのさばらせておくわけにはいかないでしょう!!クレアよ、何があってもその怒りだけは絶やさないでくれ…とは願わずにはいられない!復讐の追跡の果てに何が待ち受けているのかは、各自でお確かめください。地獄で希望も何もない残酷な現実の中で、エモーショナルに描写されるクレア達の「憤怒の原動力」と「人間の尊厳」はまさに一見の価値あり!BGMが一切なく、画角も4:3ぐらいなのも緊迫感を高める一助になっています