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映画感想 - デンジャラス・プリズン -牢獄の処刑人-(2017)

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デンジャラス・プリズン -牢獄の処刑人-
★★★★★

 

【あらすじ】

男「闇の取引中でミスして刑務所Aに入ってもーた。ん?2日目にして面会や」
敵「ミスの埋め合わせや。激ヤバ刑務所Bの一番奥にいる囚人を殺してこい」
男「難易度高すぎワロタ」
敵「できなかったら妊娠中の奥さんの胎児の手足を切ってそのまま産ませる」
男「やるっきゃねぇ」な話

 

【感想】

マイナーながら、その当たり前に行われた残酷描写が凄まじすぎた隠れた逸品「トマホーク ガンマンVS食人族」の監督S・クレイグ・サラー作。ポスタービジュアルに80年代のような雰囲気がありつつも、2017年製。すみません…おもしろすぎるわ…。最高レベルの警備を備えたヤバすぎる刑務所にあえて収監され、身重の妻のためにターゲットを殺害する無理難題を描きながら、主人公ブラッドリーというキャラクターのカッコ良さ・カリスマ性が全面に押し出されてる傑作…!

 

2時間10分あるのに、主題のターゲットを殺すお題を課せられるのがようやく1時間20分後という贅沢な時間の使い方がすごい。下手したら15分ぐらいに短縮できそうなのに元ボクサーで仕事もクビになったブラッドリーという男の「ただもので無さ」をこれでもかと見せつけてくれるんですよね。不倫しようとした奥さんにキレた後の行動が、車の窓ガラスをぶち破り、何故かバックミラーに手を伸ばして引っこ抜き、ボンネットを剥がして投げ飛ばし、ヘッドライトにパンチをお見舞いして電球を引き抜く!ここまでやるか!?しかもそのあとクールダウンして、拳に血が滲んでも全く気にせず冷静に議論するんですよ!やばすぎますよね…?

 

たたずまい、肉体、眼差し、全てにおいて火薬のような個性をタップリ注ぎ込んだ後の無骨で泥臭い爆発的暴力描写も必見!頭グシャ!腕ボキ!リアル!!でも向こう見ずなバカというわけでもなく、思慮深く明晰な頭脳も持ちあわせてるのも大変なポイントです。目標達成のためにいかに必要最小限の手間だけで進んでいくか…という計算高さがまたカッコいい!!この男なら何とかしてくれる…という安心感!しかしパーフェクトな男なのに燻り続けて、少し上昇したかと思いきやどんどん最悪な道に転がり込んでいくのがまた悲哀に満ち溢れてて良いんですよねぇ…。人によってはかなりテンポが悪く感じるかもしれないけど、個人的には最高に面白かったな!!