映画感想 - スペイン一家監禁事件(2010)
スペイン一家監禁事件
★★★★☆
【あらすじ】
家族「新居に引っ越した!」
悪人「窓ガラス割ってドーン!」
家族「悲鳴〜!!!!!!!!」
友人「遊びに来たよ〜」
悪人「うるせ〜!!!!!」
友人「ひ、悲鳴〜〜!!!」
警備「悲鳴が聞こえたんですが……ひ、悲鳴〜〜!!!」な話
【感想】
スペイン産のスリラー。私はPOVとかワンカット長回しが好きなんですが、こちらもワンカットが優れているという触れ込みを耳にして見てみました。なるほど、噂通りなかなか素晴らしい長回し!ワンカットではなく10分程度のロングショットを多用した構成ですが、その緊迫感に緊張感、胸糞悪さはなかなかのもの。冒頭、たった4分なのに超絶インパクト抜群の凄まじすぎるオープニングでガッツリ引き付けてから、そのまま新居に引っ越してきた家族が謎の覆面軍団の標的になってしまいてんやわんや…という流れ。残虐描写は意外としっかり見せてくれるのもサービス満点で、恐怖心はフルMAXでしたね
そしてその餌食になるさまを、かなり凝ったカメラワークで表現しているのもポイント。倉庫に隠れた家族側の視点、扉を開けろと叩く犯人側の視点を画面分割で展開!しかも分厚い擦りガラスで仕切られているので本当にリアルタイムに二つの視点で撮影されてるのも分かるニクイ仕上がりです。様々な場面で使われるこの画面分割により、スリルのクオリティがかなり底上げされてるように感じました。最後の二人が再会するところは一体どうやって撮ったんだ…というほどの不思議さで最高!
そして何よりも誰よりも素晴らしかったのは、娘のイサ役の女優さんですよね。台本渡されずにマジの恐怖体験でもさせられてるんじゃないかと思うほど、精神をすり減らし心がズタボロになったような泣きじゃくり続ける演技が素晴らしい!アカデミーべそかき賞!!これはマジでスゴかったです。日本人で再現できる人絶対いないな。そんな感じで胸糞ではあるものの、個人的にはオススメです。取ってつけたような陽気なエンディング曲もGOOD!