映画感想 - 慈悲(2016)
慈悲
★★★★☆
【あらすじ】
死期が近づいた母グレースの看病をする父親と息子TJとロニー。そこに異父兄弟のトラヴィスとブラッドとその恋人メリッサがやってくる。資産家であった母は遺産がたんまりあったが、父は「俺が全部もらう。トラヴィスとブラッドにはやらん。俺が死んだらお前たちに相続する」と言う。TJとロニーはもらう気マンマンだったがブラッドとトラヴィスも黙っちゃいられない。するとそこへ謎の侵入者が…!
【感想】
NETFLIXオリジナル単品映画。タイトルが「慈悲」とシンプルすぎて内容が良く分からなかったけど、これは逆に良かったと思う。トラヴィスとブラッドの視点で侵入者との戦いが描かれて遺産相続の醜い争いか…と思いつつ、そのあと侵入者側からの視点の話に転換して結末に向かっていくんだけど、当初思ってたものと全く違う状況が浮かび上がってくるのが一筋縄じゃいかない感じで良かったな。
「慈悲(憐れむ、苦しみを解き放つ)」という本来の意味と全く違う「慈悲」を盲信する謎の侵入者達の薄ら寒さは一見の価値あり。真相が明らかになってからはなかなか暗い気持ちになるし後味も悪い。閉鎖的な田舎町だとこういう捻じ曲がった考え持ってるやつもあったりするのかな…。前半は特に動きがない上に登場人物が地味すぎて見分けがつかなくてかなり退屈なんだけど、トラヴィスとブラッドだけ覚えてちょっと我慢すれば結構面白くなるぞ。
【予告】