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映画感想 - スウィング・オブ・ザ・デッド(2012)

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スウィング・オブ・ザ・デッド

★★★★★

 

【あらすじ】

ベンとミッキーは元野球選手でバッテリーを組んでいたが、ゾンビパニックによって崩壊した世界を当てもなく彷徨う生活を余儀なくされていた。車の中で寝泊まりし、自給自足で食料を手にし、たまに出てくるゾンビを始末する。

ある日、たまたま手に入れたトランシーバーを試していたらふいに混線し、生きている人間の声が聞こえた。それも女性だ。話をしてみるも、「私達には関わるな」と冷たくあしらわれる。サバイバル生活にウンザリしていたミッキーは何とか女性のもとに行こうとする…はたして二人の運命はいかに。

 

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【感想】

これ、めっちゃ最高でしたわ…。ほんまに…。ゾンビ終末系のインディーズ映画で、ゾンビはほとんど出てこないし、グロい描写もほとんどない。ただひたすらベンとミッキーのでこぼこバッテリーが安住の地を求めて彷徨う話なんだけど、緻密な人物描写と手垢まみれの世界設定に風穴を開けるような大胆なプロットが功を奏しまくって、全く飽きること無く没頭することができました。

楽観的でこの世界に割と順応しているベンと、神経質で気弱でいつもヘッドフォンで音楽を聞いて現実逃避するミッキーが対照的で、いつも口喧嘩して衝突してるんですよね。時にはもうその性根を叩きなおしてやる!みたいな感じでベンがミッキーの寝てる部屋にあえてゾンビを放り込んで「バットがあるからそれで殺せ!」と教育したり。で、すごく不穏な空気が流れるけど、最終的にはキャッチボールをして仲直りする。バッテリーだから。

この関係性が終末感を感じさせずにほのぼのさせてくれてとにかく良い!男同士の分かりやすい友情が清々しく描かれていたな〜〜〜。端から見たらミッキーはほとんど使えないグズ野郎なんだけど、キャッチボールが一人で出来ないように、こんな世界だからこそお互いに心で支え合わねば…という絆的なメッセージが嫌味ったらしくなくこちらに伝わってくるんですよね…。リンゴ園でのシーンはとにかく良かった。

 

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終盤は紆余曲折あって、キーを無くした車の中に閉じ込められて周りをゾンビに囲まれてしまう状況が続いてしまうんだけど、そこからこんなに緊迫させる!?っていうぐらい目が離せない長回しシーンも圧倒的だった…。派手なシーンは無いのに、「何かが起こっている」ということを想起させるような緊張感。アイデア勝負で見事なもんでした。劇中に流れる音楽もどれもめちゃくちゃ良い!

そしてひと味ちがうゾンビ映画の影響か、TSUTAYAディスカスとかAmazonのレビューはかなりボロクソに叩かれてるけど(特にディスカスはひどい!)、それは鵜呑みにせずにマジで見た方がいいと思います!天然パーマのこのわたくしのオススメです!ただ一つケチをつけるとしたら、邦題が終わってるということ。「ザ・バッテリー」でいいだろうが!ゾンビだからってなんでも「オブ・ザ・デッド」つけるなよ!ショボく見えるだろうが〜!

 

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【予告】