にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

NETFLIXドラマ「ダーク」が面白すぎるのでシーズン2に向けて相関図作った

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「ダーク」はNETFLIXで配信されているドイツ産のドラマで、原発にほど近いヴィンデンの街を舞台に、奇妙な運命に翻弄される主人公ヨナスを中心とした4つの家族を軸にして描く超絶おもしろドラマです。

 

本作の魅力は何と言ってもタイムトラベル、パラドックスをテーマにし、2019年・1986年・1953年の33年周期の3つの時代を複雑に行き来する脚本の完成度。入り組んだ伏線を解きほぐす謎の解明が凄まじい反面、登場人物が家族別、時代別に分かれてとにかく多いので記憶するのが大変という側面があります。6/21にシーズン2が配信されることもあるので、個人的なおさらいも兼ねてシーズン1の主な出来事の整理と人物相関図を作りました。

 

めちゃくちゃなネタバレで見た人向けの内容になってますが、興味がある人は是非見てみてください。

 

 

 

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映画感想 - イソップの思うツボ(2019)

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イソップの思うツボ

★★★★☆

 

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【感想】

カメラを止めるな!上田慎一郎監督の最新作、試写会にて。映画を愛し、映画に愛されている…いつもありがとう…。これから楽しみにしてる方にあらすじも伏せときます。以下もネタバレなし

カメ止めで話題映画のテッペンを取ってしまったこともあって次回作へのハードルがどう考えてもむちゃくちゃに高まってしまうのは仕方ないことですが、そんな逆境を頑張って跳ね返す構成はなかなかお見事だったかと思います。私はいつも評価は甘いですが…。登場人物を騙し観客の我々をも騙し、二転三転、いや四転五転くらいする立場の逆転や時間軸の組み替えに映像上での叙述トリック、張り巡らせた伏線の回収など、カメ止めとはまた違ったベクトルで繋がっていく気持ち良さがありました。「鍵泥棒のメソッド」や「アフタースクール」のようなエンタメ感が好きなら楽しめそうですね

 

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ところどころ演技が大げさだったり、演出面でのチープさが少なからずあったのは正直なところだけど、兎草早織を演じた井桁弘恵さんが中条あやみと見紛うほどにめちゃ可愛くて、そこでトータル「OK!!」と清々しい気持ちになりました。これからも頑張ってほしいものですね…

 

【予告】

NETFLIXドラマ「ブラック・ミラー」のおもしろエピソードで打線組んだ

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「ブラック・ミラー」はNETFLIXで配信されているドラマで、「1話完結」「40〜60分で終わる」「エピソードごとにオリジナルの近未来ガジェットや設定が出てきて熱い」「現代社会を強烈に皮肉った内容」「世にも奇妙な物語の100兆倍後味が悪い」という要素が揃っているドラマシリーズで、「ネトフリのドラマ何から見たらいいかわかんね〜」という迷える子羊や、「忙しくてイッキ見する時間ねぇ〜」という忙しい悲しき企業戦士でも比較的入りやすい構成になっています。

 

2019年6月の時点で5シーズン・合計22エピソード。この中で、特にスーパーおもろなエピソードで打線を組んでみたので、参考にしてください。ここに挙がってないエピソードもだいたい面白いので、全部順番に見るのももちろんアリです。むしろこれを機に全部見て欲しい。

 

※胸糞話が好きな個人の感想です。「アレが無い、やり直し」とかはやめてください。「浅い」とか思う人は、そっとしておいてください。

 

■ブラック・ミラーおもろエピソード打線(2019/6/19更新)

1 中 「国歌」(シーズン1-1話)
2 遊 「宇宙船カリスター号」(S4-1)
3 右 「ストライキング・ヴァイパーズ」(S5-1)
4 一 「ブラック・ミュージアム」(S4-6)
5 三 「秘密」(S3-3)
6 二 「ホワイトクリスマス」(S2-4)
7 左 「人生の軌跡のすべて」(S1-3)
8 捕 「HANG THE DJ」(S4-4)
9 投 「サン・ジュニペロ」(S3-4)

 

【2019/1/9追記】

2018年末に公開された「ブラックミラー:バンダースナッチ」はこの打線に収まらないインタラクティブ神エピソードなので、単品の映画作品として紹介しています

 

 

 

■1番・中「国歌」(S1-1) 

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・おもしろ度:★★★★★
・むなくそ度:★★★★★
・後味悪い度:★★★★☆
・近未来設定:特になし

【あらすじ】

皇族のお妃スザンナ氏が何者かに誘拐される。首相に送りつけられたメッセージは「今日の16時に、豚とセックスする映像を全国に生中継したら解放してやる」というとんでもないものだった。この犯行声明はネットに拡散され、削除しても削除しても動画共有サービスで無限に広がっていく。首相は本当に豚を犯すの…?

このあらすじだけで最高の予感しかないのに、これが記念すべきシーズン1の1話目だからすごい。twitteryoutubeなどのSNSの普及により、火消しが全く出来ずに拡大していくさまは現代社会にもありえる話で非常に興味深いですね。一番覚えてるのは「もし豚を犯すことになったとしても、すぐにイクと豚で快感を得ていると誤解されるので、ある程度時間はかけてください…」という首相へのアドバイス。確かにそうだけど、めちゃめちゃ笑ってしまったな。そしてあのラストカットはいまだに悲しすぎて記憶に焼き付いている…。

 

 

■2番・遊「宇宙船カリスター号」(S4-1) 

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・おもしろ度:★★★★★
・むなくそ度:★★☆☆☆
・愉快痛快度:★★★★★
・近未来設定:人間のクローンデータをVRゲームのキャラにする〜システム

【あらすじ】

ネットゲーム開発社CTOのロバートは腕利きのエンジニアなのに陰キャラで社内でも浮いてる冴えない男で、共同経営者CEOのジェームズに人気をとられていた。そんなロバートの楽しみは、自分のためだけに作ったVRゲーム空間「宇宙船カリスター号」。こっそり採取したムカつく同僚のDNAからクローンデータを作り出してVRゲーム内でしか生きられない乗組員にし、さらに自分が絶対的リーダーとして権力を振りかざして宇宙を冒険することを至上の趣味としていたのだった…!

古臭いスペースオペラと思いきや、この設定。熱すぎる。DNAからそっくりのクローンを創るということは、クローン側からしてみたらそれまでの人間の記憶を持った状態で突然謎の宇宙船で目が覚めるという状況。クローン元は普通に生活しつつも「何この空間!?出して!」ってクローンはもがきまくるけど、他の乗務員が「奴が作ったゲーム空間だから絶対に逃げられない。諦めろ」言われてしまう…うえっうえっ…。そしてどうやってこの状況を打破するのか、これもまた見ものです。

 

■3番・右「ストライキング・ヴァイパーズ」(S5-1)

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・おもしろ度:★★★★★
・むなくそ度:★★★★☆
・きしょ〜度:★★★★★★★
・近未来設定:意識をキャラに憑依させるVR格闘ゲーム

【あらすじ】

学生時代からの親友ダニーとカールは最新ゲーム「ストライキング・ヴァイパーズ」の新作をプレイする。そのゲームは自分の意識をキャラクターに憑依させて遊ぶタイプのVR格ゲーだった。はじめの内は普通にバトルを繰り返すが、ふとしたことでカールが憑依した女キャラとダニーが憑依した男キャラでセックスをしてみたところ、極上の快楽を得てしまった。以来二人はヴァーチャルカオスセックスに没頭し、日常生活や妻との生活にも歪が生じる…

シーズン5から鳴り物入りでクリーンナップに入りました。とにかく「きっしょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」と叫びたくなる、ありそうでなかった超展開!これは果たして浮気なのか?俺たちはゲイなのか?現実と虚構とは何なのか?性のあり方とは?そんな問題を160kmストレートでぶち込んでくる凄まじい脚本に、「これぞブラック・ミラーやで!!!」と興奮せずにはいられない…。結末も、果たしてこれでいいのか?と頭がクラクラしてしまいました。さすが。もはやアッパレ。

 

 

 

■4番・一「ブラック・ミュージアム」(S4-6)

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・おもしろ度:★★★★★★★
・むなくそ度:★★☆☆☆
・伏線回収度:★★★★★
・近未来設定:意識転送装置

【あらすじ】

黒人女性ニッシュが立ち寄った「ブラック・ミュージアム」は、ロロ・ヘインズが作り出した「意識転移装置」を利用した展示物が置かれていた。患者の痛覚を自分に共有する装置をつけて症状を完全に理解しようとした医者の話、昏睡状態に陥った妻の意識を自分の脳に移植して共に生きようとした夫の話など、ロロが関わった人々のエピソードが語られる。そしてメインの展示物は、世にも奇妙で哀しすぎる見世物装置だった…。

ブラック・ミラーのシーズン4最終話にして集大成のようなエピソード。一つ一つのエピソードもなかなか興味深いけど、それがどんどんつながっていく痛快さはなかなかのもの。さらに、今までのシーズン・エピソードで使われたほぼ全てのアイテムがカメオ展示されているという「新シリーズ作らないの?」と言いたくなるスターシステムも最高です。このロロ・ヘインズが喪黒福造みたいなやつでまた良いんだよな〜。

 

 

 

■5番・三「秘密」(S3-3)

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・おもしろ度:★★★★☆
・むなくそ度:★★★★★★★★★★
・かわいそ度:★★★★★★★★
・近未来設定:特になし

【あらすじ】

少年ケニーは自分のノートパソコンがウイルスに感染してしまった。それに気づかずにPC前で一発シコったのが運の尽き、謎の人物に「いまの録画したから」というメールが届いてしまう。そんな恥ずかしい映像はもちろんバラ撒かれたくので、ケニーは次々と謎の人物による無茶な要望に応えるハメになり、次第に取り返しがつかなくなっていく…。

ブラック・ミラーは基本的に最悪な話ばっかりなんだけど、これは全19エピソードの中で最も可哀想で、救いがなく、後味と胸糞が悪いという屈指の超最悪回です。見終えたあとは「あんまりだぁ〜〜〜〜!」とエシディシばりに泣きたくなること必至。でもこの極限まで研ぎ澄まされた最悪さが最早一周回って逆に最高で、クリーンナップに入れたくなるほどの鮮烈な完成度でした。これを最高と思えるかどうか、ブラック・ミラー信者の分かれ道かもしれません。本当に吐き気をもよおすほど残酷さなので、見る時は十分ご注意ください。 

 

 

 

■6番・二「ホワイトクリスマス」(S2-4)

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・おもしろ度 :★★★★★
・かわいそ度 :★★★★☆
・クリスマス度:☆☆☆☆☆
・近未来設定:視界情報加工装置・クローン製造機

【あらすじ】

マシューとジョーは雪山で長らく同居していたが、お互いの身の上を話すことはあまりなかった。5年めのクリスマスの日、ようやくジョーは昔話をする…。

クリスマスごろに公開されたこのタイトル。しかし楽しげな雰囲気を全て排除してただただ暗い気持ちにさせるのがブラック・ミラーのホワイトクリスマス…。「視界に入ってくる情報を加工する装置」が標準的に埋め込まれている世界の話と、スマートスピーカーみたいな自宅の情報端末の中に人間のクローンデータをインストールして色んな命令をそいつに聞かせる奴の話の二軸が展開されていきます。マシューとジョーの最終的な結末は気が遠くなるほどに恐ろしく、本当に想像したくない…と思わせてくれる残酷なもの。ちなみにこちらは本国ではシーズン2とシーズン3の間にあった特別編という位置付けです。

 

 

 

■7番・左「人生の軌跡のすべて」(S1-3)

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・おもしろ度:★★★★☆
・むなくそ度:★★★★☆
・後味悪い度:★★★☆☆
・近未来設定:目に映ったもん全て記憶す〜る〜装置

【あらすじ】

この世界の人々は「見たもの全てを記録していつでも確認・共有できる装置」を標準的に目に埋め込まれていた。すなわちこれで全ての情報を忘れなくなるということだが、果たしてそれは幸せな世界なの…?

シーズン1の最終話。こちらもこの記憶装置があるせいで最悪な展開に転がっていく胸糞の悪い話です。夫婦喧嘩のシーンで「あの時こう言ったよな!?キュルキュルキュル(記憶巻き戻して確認)はい言ってる〜!」とかいう、言った言わないの約束が一切無くなる世界、生きづらすぎる…。

 

 

 

■8番・捕「HANG THE DJ」 (S4-4)

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・おもしろ度:★★★★★
・むなくそ度:☆☆☆☆☆
・いい〜話度:★★★★★
・近未来設定:スーパー恋愛マッチングサービス

【あらすじ】

フランクとエイミーは「コーチ」と呼ばれる高性能マッチングサービスで出会い、指定された24時間だけ過ごすことになった。99.8%の確率であなたにベストな人をマッチングさせるという触れ込みで、短い時間だったがなかなかいい出会いだった。その後二人は様々な人とマッチングさせるが、しっくりくる人は現れない。フランクとエイミーは再び会うことはできるのか?

最悪な話ばかりのブラック・ミラーですが、これは超絶名作でいい話です。高性能マッチングサービスを利用して色んな人と出会っていくんだけど、見ていくうちに「全然働いてる描写が無いけどこの世界…一体なに?」という疑問点が湧いてくるんですよね。設定に詰めの甘さがある恋愛系凡作…?と思わせておいて、最後にドーンと世界をひっくり返すこの超絶演出。本当にハッとして素晴らしかったし、めちゃめちゃ感動しました。これは良いですよ。万人受けするので安心してオススメできます。

 

 

 

■9番・投「サン・ジュニペロ」(S3-4)

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・おもしろ度:★★★★★
・むなくそ度:☆☆☆☆☆
・いい話〜度:★★★★★★★
・近未来設定:ネタバレになるので秘密

【あらすじ】

1987年サン・ジュニペロ。内気な女性ヨーキーは、ディスコで出会った陽気な女性ケニーと運命的に惹かれ合う。しかし彼女達は1990年代・2000年代と、様々な時代のサン・ジュニペロで一切年をとらずに巡り会い、語り合い、惹かれあう。一体この街は何なのだろうか?

こちらもHANG THE DJと双璧をなすほどの良い話。一切胸糞展開がなく本当に清らかで、69回エミー賞でテレビムービー作品賞を受賞するほどの完成度。ヨーキーとケニーの汚れなき愛も清々しいうえに、何故か時空を超えて愛し合うという謎の設定も良い…。最高。HANG THE DJ同様、あまりネタバレをせずにフラットな状態で見るのが良いでしょう。

 

*****

 

以上です。あんまり国内のNETFLIXでこのドラマ推してないんだけど、本当に面白いから是非見て…。それではさようなら。

 

【シーズン3の予告】

映画感想 - スキン〜あなたに触らせて〜(2017)

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スキン〜あなたに触らせて〜

★★★★☆

 

【あらすじ】

口と肛門が逆転している少女、目が完全に無く代わりに赤いダイヤを貼った娼婦、顔が半分垂れ下がった女性に全身の皮膚がただれた男、軟骨無形成症で四肢が短いのを活かして着ぐるみの中身として働かされる女、足を切り落としたい衝動に駆られている男。そんな見た目が強烈な人の周りで色々なことを企むワケあり健常者達。みんな自分らしい人生を生きたいの…な話

 

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【感想】

登場人物はかなり強烈で、開幕即で全裸のババアが何も隠さずに登場するほどにビジュアルショックなんですが(しかも裸である意味は全く分からない)、とにかく文章にするのが難しいくらいに凄かった…。完璧に計算された構図とピンク&紫のパステルカラーで統一された「映える画」の中で、見た目に問題があるせいで虐げられてる人々がふとしたことをきっかけにそれぞれが自分らしく生きていこうとする姿がものすごく印象的

 

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人は見た目じゃないのよ中身なのよ、今の私は私じゃない、こんな私だってやりたいことがあるの!と提示するテーマとメッセージはありきたりですが、ムチャクチャなビジュアルと演出で過剰に殴りかかってくるので見終わった後はボコボコにされたような錯覚に陥りました。でも鮮烈すぎたので一生忘れることはないでしょう、特に最後のキスシーンは…。あんなことあります?最初からこの画を思いついて後付けでストーリーつけたのでは?と邪推するほどの凄さでした

 

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で、見た目に問題のある人々は当初は衝撃的ながらも見ていくごとに愛着がわいてくるんですが、むしろ健常者の方がお下劣で見てられなかったのが何か逆転してるような感じでまた面白かったです。ババアの裸、超デブの女の裸、おっさんの自慰とノーモザイクのチンチン、うんちなど惜しげも無く登場するので帰りの電車では見ないようにしてください。私は混んでる電車の中で見るハメになり、やばすぎるシーンを隠すのに必死でしたので…

映画感想 - メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019)

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メン・イン・ブラック:インターナショナル

★★★☆☆

 

【あらすじ】

幼い頃に家に入ってきた宇宙人をMIBから匿ったモリー。そこから全てを犠牲に20年の歳月をかけて自力でMIBの存在を突き止め、猛烈アピールの結果エージェントMとして見習い活動を開始。最初の任務は宇宙人ヴァンガスの護衛で、ロンドン支部のエージェントHとともに任務に当たるが、ヴァンガスを狙う謎の二人組の宇宙人がやってくる…な話

 

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【あらすじ】

おなじみMIBのスピンオフ的な続編。MIBという組織の説明を全く入れずみんな知ってる前提で進める気概は素晴らしかった。世界中を股にかける壮大さや宇宙人の洗練されたビジュアル、MIB兵器の飛躍的なアップデートと過去作品より格段にグレードアップしてるものの、何か突き抜けたものが無かったというか…くっ…。やはりわたくしJとKにただならぬ思い入れがありますし、陽気な黒人+堅物おじさんという忘れられない鉄板バディが強すぎて、偉大なる過去作には勝つのは難しかったかなぁ〜って感じでした。「序盤に助けた宇宙人、絶対に良いところで再会する…」とか「MIB内のスパイ、絶対にこいつだ…」とか、ストーリーにも意外性が無さすぎて終始ウトウトもしてしまいました…すみません

 

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良かったのは4本手の宇宙人と肉弾戦を繰り広げるシーンで、「ドラゴンボール天津飯の四妖拳を実写でやるとこうなるんだなあ〜」という発見はあったことは良かったです。「MIB3」がタイムトラベルも取り入れて最高に面白かった記憶があるのでもう一回見直そうかな〜〜〜敬具

映画感想 - ハウス・ジャック・ビルト(2018)

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ハウス・ジャック・ビルト

★★★★☆

 

【あらすじ】

青年技師のジャックは、完全に頭のおかしいサイコパスであった。ある日、初対面なのにめちゃくちゃ失礼な事を無限に言ってくる死ぬほど腹の立つ女をスカッとぶち殺したことがきっかけで芸術作品を作るかのように殺人に没頭していく。果たして5つのエピソードを筆頭にした12年にも及ぶ連続殺人の果てに完成したマスターピースとは…?な話

 

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【感想】

ラース・フォン・トリアー…変人かいっ!!と言わざるを得ないリアルでえげつない殺人&死体描写は、そんじょそこらの映画とは一線を画すやべ〜やつでしたね。容赦なし、道徳観なし、倫理観なし!鈍器で殴る!車で引き摺り回して顔面削る!子どもだろうと関係なくスナイパーライフルでぶち殺したあと××で××して保存する!狂気!かと思いきや強迫性障害に悩まされてて殺した部屋に証拠が残ってるかも…と何回も引き返してしまう笑えるシーンもあったりして、実に痛快でした

 

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さらに殺人の合間合間に延々と差し込まれる、芸術と殺人を結びつけるわけの分からん講釈も相まってジャックという人間性がかなり深掘りされる構成でしたが、私のようななけなしの知能を持ちし者にとってはそっち方面の理解はなかなか難しいな〜と思いました。特に終盤はもはやストーリーはどうでも良くとにかく地獄アートに極振りMAXの超展開が続いて大変でしたね。人をかなり選ぶやつですが、このご時世によくここまでやりたい放題できたよな…という気概は感じられました。この後は気分転換にもっと分かりやすいやつ(MIB)見よ…

映画感想 - 霊的ボリシェヴィキ(2017)

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霊的ボリシェヴィキ

★★★☆☆

 

【あらすじ】

謎の施設に集められた、「身近な死に触れたことのある男女」がその体験を語っていく。話していくことであの世との接続を試す実験なのだが、参加者の一人である由紀子が語り出した時、世にも奇妙な出来事が巻き起こる…な話

 

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【感想】

元祖「リング」の脚本家が監督・脚本を手がけたスピリチュアルホラー。直接的なびっくり描写や恐怖体験の再現映像もほぼ無く、ほぼ語りだけで完結させながらしっかりと想像させてくれる確かな語り口がなかなか秀逸で、終始不気味さと不安感が支配する嫌な空気に包まれた映画でした。何が怖かった?と言われると説明が難しいけど、思い出すと少し体温が下がるような、何かただならぬものがありました。「結局怖いのは人間ってことですね」と一番ベタなことを言った奴がいきなりババアに杖で殴られて、その後みんなでロシア語の軍歌みたいなのを歌って散った霊気を整えるオープニングはさすがにかなり笑いましたが…

 

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超低予算で8割語りだけの恐怖体験告白なのでどうしてもスーファミ版の「学校であった怖い話」をプレイしてるような感覚になってしまうのと、終盤の展開が初見ではあまりにも謎過ぎるので「結局なんなんだ」という気分にはなってしまうのであまりオススメは出来ませんが、ちょうど70分空き時間が出来た…というときに見ると暇はつぶせるかもしれません

映画感想 - サバハ(2019)

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サバハ

★★★★☆

 

【あらすじ】

1999年、とある村で双子の少女が産まれるが、妹は姉に足をかじられており、さらに姉は血だらけで醜い姿で穢れて「悪鬼」と忌み嫌われ出生届を提出されずに実家に幽閉された。そこから10年以上あと、宗教詐欺を取材するパク牧師は怪しい宗教団体・鹿野苑の調査を開始するが、次第にヤバすぎる闇に飲み込まれていく。果たしてどうなる?な話

 

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【感想】

ネトフリ韓国オカルトミステリーホラー。宗教観や信仰など難しく繊細なテーマを扱ってるものの、脚本がよく練られておりグイグイ引き込まれていきました。つまりめちゃおもろい、ということ…。忌み嫌われた姉妹に始まり不審点が多い宗教施設鹿野苑、コンクリートの中に埋められていた女の子の死体、悪夢にうなされながらある任務を遂行する密教の「四天王」と呼ばれる男達、そして捜査線上に浮かび上がるキム・ジェソクという男の存在など、点と点が繋がって一つの線になり、その先にある人の常識を超えたただならぬ実態が明らかになっていくまでの探偵パートがめちゃくちゃ緻密で興味深きの連続な構成。その先にあるスーパーナチュラルなフィクションをフィクションだと思わせない圧倒的な説得力!

 

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ホラー描写もなかなか気持ちが悪く、オープニングで姉妹の出産シーンでは邪悪な存在すぎて近くの家畜が死にまくったり、天井から薄汚い子供の悪霊が天井からヒタヒタと迫ってきたり、納屋の奥に幽閉された悪鬼と忌み嫌われた姉のただならぬインパクト…。脚本も緻密ながら見た目の恐ろしさ・凶々しさもかなりクオリティでものすごく見応えがありました。固有名詞が結構ややこしくてかなり集中してないと置いてかれてしまうので、気合い入れて見た方がいいかもです

映画感想 - スノー・ロワイヤル(2019)

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スノー・ロワイヤル

★★★★☆

 

【あらすじ】

雪山の奥に静かに暮らすネルズは除雪の仕事を勤勉にこなし、町から模範市民賞を得るほどの善人。しかし息子が麻薬組織のいざこざに巻き込まれて無関係に殺されてブチ切れる。人を殺したことは一度も無かったが、狩猟スキルや犯罪小説で読んだ知識を武器に、一人また一人と始末してボスの情報を獲得していく。果たしてこの復讐劇の果ては…?な話

 

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リーアム・ニーソンin雪山!キレさせたら天下一のおじさんの小粒な新作。良い。いつもながらのバイオレンスアクションかと思いきや、意外にもギャグ&コメディが散りばめられて時に噴き出してしまうような仕上がりになっており、良い意味で予想を裏切られて楽しかったです。テンポよく人を殺して金網で巻いて滝に捨てるのを何回も連続で繰り返したり、重機で車に大木をズドンとブッ刺したり、思てたんと違う独特のセンスが感じられました。何でバレないんだよ!っていうレベルの白昼堂々の殺人もお見事…

 

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対する麻薬組織のボスも性格に難があり、息子の食生活を三食同じやつにして縛り付けたり気に入らない部下がいたら即殺したり、会話で笑わせたりしてくれてちょっとタランティーノ的な雰囲気もあっていい悪役でしたね。というかリーアム・ニーソンも含めて登場人物全員、千鳥ノブで言うところの「クセがすごい!」だった気がする。まともな奴が一人もいなかったな。他にもさまざまな人々の思惑が噛み合わずに渦巻いて小さな雪の町が血に染まる展開は見てて痛快。中盤少しアクション要素が減って気持ち退屈になってしまったけど、まあ朝イチで見たからかな。いつもと違ったリーアム作品が見たい人はオススメです。終わり方もムチャクチャで笑いました

映画感想 - 鬼談百景(2015)

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鬼談百景

★★★☆☆

 

【あらすじ】

10話のJホラーオムニバス。twitterで「この中の『続きをしよう』がめちゃ怖い」というのがバズってたので気になって見た(すぐ行動に移して偉い)。「残穢」の怪談ライター「私(竹内結子)」に届いた手紙という設定で、玉石混合なものの普通に驚く良エピソードもあって楽しめました。以下、各エピソードの雑感

 

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【追い越し】★★★☆☆
曰く付きの心霊スポットを車で巡ってた男女が車と並走するやべー女と出会う話。「俺はガンダムで行く」でおなじみの森崎ウィンがこんなところに出てました。ここからレディプレイヤー1にまで上り詰めるとは…

 

【影男】★★★★☆
自宅の窓ガラスをめちゃくちゃ叩きまくる影みたいな男に襲われる話。一定間隔で窓ガラスを叩く「ガァン!!」ていう音がめちゃめちゃうるさくて嫌で、見てるこっちもストレスがたまるくらい。どこまでも不気味で良かった

 

【尾けてくる】★★★☆☆
女子高生が首吊りの現場を見て以来、その男の幻影を見てしまうようになった話。首吊りする直前のおっさんと目が合ってしまったら、そりゃもうトラウマになるよなぁ〜という嫌さが良かった。このおっさんの虚無の顔も良い

 

【一緒に見ていた】★★★☆☆
事務員の女性が教室で首吊り自殺をし、警察が来るまで見張りをすることになった男性教師の話。幽霊となった女が外から男を見つめるシーンがあるんだけど、普通に女子生徒がぶつかって幽霊に謝るシーンがめちゃめちゃ良かった。普通は通り抜けますやん!?幽霊の常識にとらわれないすごく面白い描き方をしてたんだよな〜

 

【赤い女】★★★★★
赤い女の怪談を話すと本当に赤い女が来てしまう話。お目当ての「続きをしよう」を超えるほど、最高に面白かったな。赤い女が登場する瞬間全てがファンタスティックで、普通にビクッと驚いたし鳥肌も立ったな…。主役の女の子達の希薄な関係性と空虚な誕生日パーティーもいびつで気味が悪い。最高!

 

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【空きチャンネル】★☆☆☆☆
ラジオの空きチャンネルから聞こえてくる謎の声に取り憑かれた男子高校生の話。うーん、赤い女が面白すぎたのでちょっと霞んでしまったかな

 

【どこの子】★☆☆☆☆
夜更けまで学校で仕事をしていた教師がちびまる子ちゃんみたいな服装の女の子におちょくられて追いかける話。怖い話の登場人物に意味もなく関西弁をしゃべらせると雰囲気がぶっ壊れるのでやめた方がいい、という学びを得ました

 

【続きをしよう】★★★★☆
7人の子供が墓場で遊んでたら一人また一人と怪我して脱落し、最後の一人になるまで何故か遊びをやめない話。何かこうコントみたいな空気感で、不気味さもありつつとともにグシャッ!という音とともに怪我をして帰って行く流れ作業が良かった。最終的に物凄く嫌な想像をかきたてられる終わり方も気味が悪くて良い

 

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【どろぼう】★★★☆☆
子だくさんの家族が子殺しをしているのでは?と匂わす話。抽象的なエピソードで全容が掴めないぼんやりしたストーリーだったな

 

【密閉】★★★☆☆
部屋のクローゼットが何度固定してもちょっとだけ開いて隙間ができて気になる…という話。これ、見たいもんも見れたし消化試合やなと思って流し見してたんですが、私の大好きな白石晃士監督のやつでした。たしかに不条理な展開にその片鱗は感じられるような出来栄えでしたね

 

 

そんな感じで「続きをしよう」も良かったですが「赤い女」がめちゃくちゃ最高でした。これだけでも見る価値はあると思うのでネトフリ、アマプラ、どちらでもどうぞ