映画感想 - ティックス(1993)
★★★★★
【あらすじ】
自閉症、登校拒否などの問題を抱えた子ども達がチャールズの引率のもと、サマーキャンプ場に集められた。一行は楽しくキャンプをしながらトラウマを克服しようとするが、近くにあった大麻栽培所から垂れ流されたステロイドの廃液を浴びたダニが突然変異し、人々を襲う!果たして一行の運命は?
20年以上前のモンスターパニック映画。めちゃめちゃ面白かったこれ!!手のひらサイズで大量に動きまわる巨大ダニに人々が襲われるベッタベタな話なんだけど、ダニが絶妙に気持ち悪い!ドロドロで不気味に蠢く孵化寸前の卵、チープ感を嫌悪感が追い抜いていくひたすらきもく動きまわるダニの挙動、そしてお約束的に現れるラスボス超巨大ダニ!!構成にほとんど無駄なところが無くどんどんのめり込んでいけました。素晴らしい!
さらに登場人物もオタク風の少年(主役)、ヒロイン、不良黒人少年、バカップル、寡黙なアジア系女子、そして引率の夫婦、そして大麻栽培をしている悪役となかなか分かりやすく濃厚なラインナップ。一人ひとりがしっかりキャラが立っていてすごく親切でした。悪役が自分だけが助かろうとして死んでいくのはまあお約束として、一人また一人と殺されていくのかな〜と思ったら死人は一人だけだったのがかなり意外だったな。まあ手のひらサイズのダニだからそこまで殺傷能力はないのかな。
ところで黒人の少年、愛犬をダニに殺されて失意のままキャンプ場から逃げ出すも悪役に邪魔をされて銃で撃たれる上にダニが体に入り込み痛い痛いと泣き叫ぶ、何とかログハウスに戻ってきた後もかなり凄惨な目に遭っちゃうんだけど、余りにも可哀想過ぎない?と思ってしまったな。この監督、黒人嫌いなん…?そして周りの皆も特に感傷にひたるわけでもないという不遇さ。なんてこった…。一人だけ異常に可哀想なんだけど、それ以外はストーリーの妙、キャラクターの明瞭さ、ダニの造形のきもさなどが奇跡的なバランスでブレンドされていて90年代エンタメホラー映画としては非常に楽しめる一品かと思います。
でもこれ、DVDもブルーレイも出ていないらしい。そんなバカな!こんなにおもしろいのに!何故わたしが見れたかというと、ニコニコ動画に全編フルで上がってたからです。検索したら速攻出てくるので、消される前にどうぞ。かなり面白いので見て損は無いです。
【予告】
【モンスターパニック関連】
巨大蜂。現代のモンスターパニックのお手本のような良さです
【きもい虫関連】
寄生虫ウオノエ。これはめちゃめちゃ怖い