映画感想 - ゲット・アウト(2017)
ゲット・アウト
★★★★★
【あらすじ】
黒人のクリスは白人のローズと付き合っており、この週末を利用してローズの両親に挨拶しにいく計画をたてた。白人の娘の彼氏が黒人であるということを少し気にしていたクリスだったが、ローズは「うちの親はそんなの気にしないわ」と明るく返す。ホッ。
かくしてローズの実家・アーミテージ家にやってきたクリスは両親に暖かく迎えられ、その心配は杞憂に終わった。しかし、この家の庭師である黒人男性とメイドの黒人女性、なんかやけに不気味な雰囲気を漂わせている…。話も全然通じないし…。
そして次の日に行われた友人たちが集まるパーティでも、白人だらけでクリスは居心地の悪さを感じる。しばらくうろうろした後にようやく見かけた黒人男性に話しかけても、白人のおばさんの召使いみたいな感じの立ち位置で、さらに生気を抜かれたようにボケ〜っとしていて全く親近感がわかない。戯れにスマホのカメラでそいつの写真を撮ると、ハッと我に返ったかのように急に怒り出し、「GET OUT!(出て行け!)」と胸ぐらを掴まれた。一体なんなのこいつ…?そしてクリスがその黒人の写真を友人に送ってみたところ、友人からすぐさま血相を変えた連絡が入り、「ある事実」が判明する…!アーミテージ家、一体なんなの〜!
【感想】
映画批評サイト「ロッテン・トマト」でホラー映画としてはありえない99点という異常なポイント獲得した、人種差別をテーマにしたブラックユーモア満載のホラー。でもこの評判は過剰評価ではなく、驚きと恐怖に満ちた脚本でかなり満足しました。近年のスリラー&ホラー、なかなか高評価のやつが多いですね。
中盤ぐらいまでの展開はある程度予測できるんだけど、そこから完全に予想を上回るギミックが用意されていて、ガタタタタっと崩れ落ちるようにやばい方向に転がっていく過程がめちゃめちゃテンション上がりました。しかしネタバレだけは…してはならないのです…少しの情報も入れない方が吉ですね…どの映画もそうだけど。
監督は「キアヌ」とかのコメディ映画を監督したコメディアンのジョーダン・ピールということで、一見ギャグになりそうなシーンも紙一重でヒヤっとさせる演出に長けており最初から最後まで飽きずに見ることが出来ました。中でも黒人メイドのジョージナがめちゃ怖いんですよ…見た目も…。
↑話してたら突然笑いながら泣き出したりして情緒不安定で怖い…。お母さんがドアを開けたらその向こうに無表情で突っ立ってるのが一瞬だけ見えて、何あれ!?キモッ!ってなるし。そういった不気味さ、一瞬の違和感から背筋をヒンヤリさせるゾクゾク演出がめちゃめちゃお見事でした。ただネタバレをしてしまうとかなり興をそいでしまうほどに予想外過ぎる方向に転がっていったので、このまま事前知識ゼロで見た方が楽しめると思います。
【予告も見ない方がいいかも】