映画感想 - ビューティフル・ダイ(2010)
ビューティフル・ダイ
★★★☆☆
【あらすじ】
元恋人のギャリックが猟奇殺人鬼であることに気づき警察に通報して関係を終わらせたサラは、その出来事がトラウマとなってアルコール依存症となり断酒会に参加していた。そこで知り合ったケヴィンといい感じになるが、同じころ刑務所送りになったギャリックが脱走し、全米で指名手配となる。猟奇的に人々を殺しながらサラのもとへ向かうギャリック。「自分を刑務所に送った恨みをはらしに殺しに来る」と震えるサラ。果たしてその結末やいかに。
【感想】
「サプライズ」「ザ・ゲスト」が評判良く、12月のブレア・ウィッチ・プロジェクトの正統続編「ブレアウィッチ」で監督&脚本を務めるアダム・ウィンガード&サイモン・バレットコンビのちょっと前のやつ。この二人の映画って、どこかで見たことある設定やシチュエーションにもかかわらず何故か異常に面白いという特徴があって、この「ビューティフル・ダイ」もそんな感じなのかな〜と思ったら、なかなか人を選ぶような仕上がりであった。
過去と現在を互いに交錯させた構成と、終始素人が撮影したかのようなピンぼけ+ブレまくりな一見安っぽい映像と、終盤に真相が判明するまでの盛り上がらなさでグワっと映画にのめり込ませる作りではないものの、見づらい映像もサラの不安感の表れだったり、何かしらの意図は振り返って汲み取れるような感じで詩的な印象があったな。
殺人鬼のギャリックはとにかくぶっ殺しまくる行動が神格化されて信者がいたりファンサイトも出来たりするレベルのいわゆるカリスマ。その見た目や立ち振舞いからまさにそんなイメージを与えてくれるんだけど、人を殺すと必ずその後泣きながらめちゃめちゃ後悔するシーンが挿入されて、見ていくごとに「殺しをやめたいのに殺さずにはいられない悲しい男」という風に変わっていくのもとても良い。いいキャラしている。
そんな悲しい十字架を背負いながら脱獄してまでサラに会おうとする男ギャリックと、一度は愛したもののギャリックの存在に怯えるサラ、そしてサラをかくまうケヴィン。一体どうなるの〜〜〜〜!結末はその目で刮目してください。ラストは結構好きですが、そこまでたどり着く前に興味を失う人がたくさんいそう…。
【予告】