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映画感想 - ぼくらと、ぼくらの闇(2017)

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ぼくらと、ぼくらの闇

★★★★★

 

【あらすじ】

ザックとジョシュは親友同士。陰キャラではあるが、卒アルを見て「こいつかわいいねえ〜」とか言ったりする普通の高校生。ある日、クラスメイトのダリル(デブ)とダリルの友達リチャードを含めた4人で、ジョシュの兄が持っていた日本刀(本物)をブンブン振り回して遊んでいた。何てことのない一日だ。

 

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しかし些細なことからジョシュと短気なダリルが口論になる。そして取っ組み合いの喧嘩になった挙句、ジョシュの持っていた刀がダリルの首に刺さって殺してしまった。あわわ…なんてこと…。やばい、完全にやばい。終わった…。だが、ザックはここで「隠そう。何も見なかったことにしよう」と提案。ダリルを森の奥に隠し、刀も分からないところに捨てた。これでいい。俺たちは何もしてないし、見ていない。しかしザックの心には「殺人に加担してしまった」という罪悪感と、いつバレるかも分からない不安感が支配していった。そして殺した当人ジョシュの胸の内は…?

 

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【感想】

2018年初映画は、NETFLIXにあった青春終わる系サスペンス。原題は「Super Dark Times」。これ、暗く重く救いが無いんだけど、実に良かった…。殺人を隠蔽したごく普通の高校生の心が闇に支配されていき、やがて親友同士だったジョシュとの絆も崩壊していくという最悪な話ながら、その描写がとてもリアルで丁寧でめちゃめちゃ感情移入できました。誰しもこういう「他のことが何も手に付かないほどの不安」というのは一度は経験したことあるだけに、その不安が殺人というでかすぎるもんだからもうね…。

 

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で、さらに面白くなるのがザックの想い人アリソンちゃん。めちゃめちゃ可愛いしいい子でザックが好きで密かに両思いで、さらにアリソンちゃんの方からザックの家に突撃したり誕生日パーティーに誘ったり、電話番号教えたりと、最高に積極的にグイグイせめてくるんですよ。でもザックは人殺しに加担して気が気じゃなさ過ぎるので、せっかくのアプローチも思いっきり棒に振ってしまう!千載一遇のチャンスやぞ!!と思うんですが、人殺しがバレて未来が終わる不安がのしかかってるので、う…つらすぎる…幸あれ…と私は嘆くしかなかったのです…ここが見ててつらかったな〜〜〜。しかもザック母もめちゃキレイで優しく息子を愛しまくっており、その人達を裏切っている…という罪悪感もひとしお。

 

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物語は加担した側のザック視点からのみ展開し、本当の闇を抱えた殺した側のジョシュの胸中がほとんど分からないのもまた見ものでした。ザックの時点でここまでつらいんだから、当のジョシュの気持ちを想像するともう…つらい…さらにつらい…。誰にも想像できない果ての行動も共感できそうでできないという悲しさよ。いや〜実によかった。時代は携帯電話もSNSもない80年代というのもミソで、情報伝達の手段が少なくて「何がどこまでバレているのか」がほとんど分からないという状況も閉塞感があって時代設定もうまいなと思いました。

そんな感じで実にオススメです。原題もカッコイイし、アメリカ映画あるあるも「ロッカーの前でイチャつくカップル」と「友達の家でホームパーティー」の二つをクリアしています。

 

【予告】