にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018)

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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!

★★★★★

 

【あらすじ】

北欧の田舎で幼なじみ3人とメタルバンドを組んでいるトゥロは本業の傍らこの活動を12年続けているが、歌うのは既存曲のカバーばかり。一念発起してフェスに出るためオリジナル曲を制作し、偶然出会ったフェスのプロモーターにデモテープを渡す。経験を積むために地元のバーで前座として舞台に立つが、極度の緊張から盛大にゲボを吐いてアンチが急増する!果たして彼らの運命は?な話

 

【感想】

上映時間が早朝か昼のど真ん中か夜遅くの三択しか無くてなかなか見れなかったけどようやく超早起きして参戦!いや〜笑ったな〜!公式サイトに書いてあるあらすじを読むだけで神映画確定と分かっていたけど、やはり最高の出来としか言いようがなかった…!ボーカルトゥロの苦悩を描写して仲間との絆を深め合い、諦めかけた夢を叶えるために紆余曲折を経て警察に追われながらフィンランドからノルウェーをバンで爆走し、最後のライブでドカーンと大爆発する…!もうお分かりですね?これ完全に構成が「ボヘミアン・ラプソディ」と一緒なんです!!つまり万人が見て最高と思える、ということなんですねぇ!本当に!

 

「終末シンフォニックトナカイ粉砕反キリスト戦争推進メタル」という訳の分からんジャンルを掲げる「インペイルド・レクタム」のメンバーのトゥロ、ロットヴォネン、ユンキ、パシの4人はどいつも個性的で最高に愛すべき存在なんだけど、やっぱり一番はパシでしょう!こんな奴います?ギャグ漫画に育てられたのか?あと、フェスに出ることが決まってからトゥロ達が村のみんなから期待の眼差しを向けられる辺りもめちゃめちゃ微笑ましくていいし、サブキャラも全員曲者で好きすぎる!無茶苦茶過ぎるけど笑って泣けて熱くなれる、最高の映画です。それにしても「トロールハンター」の時にも思ったけど、北欧の映画はとにかく大自然が美しくて最高最高最高!切り立った崖、澄んだ湖、薄くかかる霧…ファンタジーの世界かい!これだけでも見る価値はありますよ。敬具

 

【予告】

映画感想 - フォードVSフェラーリ(2019)

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フォードVSフェラーリ

★★★★★

 

【あらすじ】

👹フェラーリ「俺最強〜敗北を知りて〜」
😭フォード「びえ〜ん!勝ちたいよ〜!」
🔧カーデザイナー「最強性能の車作るわ」
🕶破天荒ドライバー「俺運転するわ」
🤗フォード「H-A-P-P-Y!わぁ〜い!」
🚙車「ブオオォーーーン!!!!!」
な話

 

【感想】

車にまったく興味が無いまま生きてきて、こちらも見る予定が一切無いまま私は死んでいく…と思ってたんだけど、かなり評判良かったので見てみました。せっかくなのでIMAXで。気になったらすぐ確かめる、そうです私がすぐやる課の係長。結果、無骨だけど熱すぎる男たちのドラマ&成長物語で、最高の気分になりました。ありがとう、オススメしてくれたみんな…

 

「さいきょうのくるまで勝つ!」というシンプルな内容で、結末もだいたいこうなるだろってのは分かってるけど(実話だし)、そこに至るまでの現場の男たちの「やってやる!!!!」感が全ての人間の胸に火を灯してくれる熱さですね!!いつの時代も入ってくるうぜ〜権力者の横槍に対しても腐らずにひたむきに一つの目標に突き進む…これに惜しみない拍手送らない人います!?そしてドラマ部分も十分熱いのに、それを超えてくる凄まじいレースシーンのオーバーヒート大爆熱!IMAXで体感できるダイレクトに腹に響くエンジン音と、圧倒的なスピード感で爆走する車を正確無比に捉えるカメラワーク!一粒で二度おいしい、最高のドラマでした(シェルビーの行動がややズル賢い悪役にしか見えないところはあったけど)

 

クリスチャン・ベイルマット・デイモンという二人の演技も喜怒哀楽全てを巧みに表現してくれて最高の最高で、権力者の嫌〜さでチクチクやられながらも頑張るその姿は応援したくなる!クリスチャン・ベイル、やはり演技お化けだな。そして凄腕ドライバーマイルズの奥さんも「男たちが妄想する最強の理想の妻!!」の100%擬人化って感じなのももはや良かったな。ドライバーとしてまっすぐに生きるマイルズを全肯定してくれる強き女…。攻守全て揃った万能のウルトラスーパー激アツお車ドラマ、車に興味無くても満足できる!

 

【予告】

映画感想 - ペット・セメタリー(2019)

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ペット・セメタリー

★★★★☆

 

【あらすじ】

郊外の一軒家に引っ越した医師ルイスは、家の裏にペット用墓地とその奥に死者を蘇らせる土地があることを知る。ある日ねこちゃんがトラックに轢かれて死んでしまうのだが、件の土地に埋めてみるとねこちゃん生き返った!でも性格が何か違う…。そうこうしてるうちに今度は最愛の娘が轢かれて死ぬ!絶望に打ちひしがれるが、ルイスはもちろん生き返らせようとする…な話

 

【感想】

リメイク版ペッセメ、公開後即ぶちかましてきました。良い…。中盤までの展開はほぼ同じで、トラックに轢かれて死ぬのが弟から姉に変わったところから枝分かれする本作は、1989年公開のオリジナル版でちょっとムムムッだったところを巧く現代風にアップデートして、最愛の娘の死を受け入れられない葛藤の描写を高め、そこに結びつくホラー演出にかなりの見応えを感じました。そしてそろそろ死についてしっかり教えなければ…という年頃になっていた娘が蘇ったことで死の概念を痛感し、その後の行動原理にうまく絡められていた点に匠の技を感じましたね。奥さんが幼少期に亡くした姉のトラウマとそのフラッシュバックの見せ方もマイク・フラナガンぽさもあって素晴らしい…!直球ストレートながらどでか音でビビらせをしない真面目なホラーで好感は持てますよ

 

で、オリジナル版は物悲しい結末ながらエンディングテーマで原作者スティーブン・キング本人の趣味でラモーンズの「ペットセメタリーに埋められたくね〜♪」っていう歌詞のゴキゲンなナンバーがいきなり流れてヒンシュクを買って見事ゴールデンラズベリー賞(いわゆる逆アカデミー賞)を受賞したといういわれがあるんですが、そのエピソードを頭に入れておいたうえで今回のエンディングを見ると「う〜ん、最高!!」という気分になれるのでそちらもオススメです。豆知識があると違った側面で楽しめる!

 

【予告】

映画感想 - デッド・シャック ~僕たちゾンビ・バスターズ!~(2017)

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デッド・シャック 〜僕たちゾンビ・バスターズ!〜

★★★☆☆

 

【あらすじ】

ごく普通の少年ジェイソンは、友人のコリン、その姉のサマー、コリン達の父ロジャー、その父親の恋人のアジア人女リサという謎のメンツで人里離れた山小屋でキャンプをしに行ったが、周囲を探検して見つけた山小屋で、謎の女が生身の人間を眠らせてゾンビの餌にしていた現場に遭遇!大変だ!父親に報告すると泥酔状態で「マジ!?よっしゃ見に行こ!」とのこと。やめて〜!な話

 

【感想】

90分以内でサクッとそれなりに楽しめるお手軽お手頃なゾンビコメディって感じでした。血の量やゾンビの造形、人体破壊描写もこの規模感ではかなり頑張ってる方だと思うし、無力すぎる人間側がかなりアタフタするさまがコミカルかつバカバカしくて個人的には好みなんだよな

 

登場人物は特に目立った設定はなくキャラもあんまり立ってない中、父親のロジャーだけがかなり個性的で良かったな。泥酔状態でゾンビがいた家に忍び込んでうっかりそこにあったワイン(睡眠薬入)を飲んで深い眠りについてしまいジェイソン達も運べないからいったん倉庫の中に詰め込まれるなどポンコツなところはあるけど、サマー姉弟やジェイソンのことを第一に考えてくれる懐の広いおっさんだったな。その他、ゾンビが迫ってきてるのに全然おしっこが止まらなかったり、レストランで「卵とウンコください」と店員の目を見てしっかり注文するなど、本当にくだらね〜描写が多いけど、気張らず見れるスナック感覚のゾンビコメディですよ

 

【予告】

映画感想 - アサシネーション・ネーション(2018)

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アサシネーション・ネーション

★★★★☆

 

【あらすじ】

リリーとその親友のJK4人組は自撮りやガールズトークに明け暮れていたが、ある日街全体が大規模なハッキングに遭い、市長が女装しているやばい姿や校長のロリコン趣味などの様々な秘密がSNSを通じて暴露されていった。住民は暴徒化しその魔の手はリリーにも広がり、さらに情報を漏洩させた犯人であるという濡れ衣まで。キレたリリー達は男どもに復讐の牙を向ける!な話

 

【感想】

まずタイトルが韻を踏んでて良い。「アサシネーションネーション(暗殺国家)」。そして何より全編にわたって妥協を許さぬ圧倒的な映像センスが素晴らしく、開幕2秒ぐらいで一気に引き込まれて行きました。本作のようにSNSやネットを介して秘密が暴露されることが他人事ではない昨今の情勢。それがデマか真実か誰も判断せずに提示された事象を盲信的に鵜呑みにし、身体的・精神的・社会的に対象者を抹殺してしまう…というストーリーはまさに今の日本にもありえそうな話でしたね。さすがに暴徒化するまではいかないし、かなり誇張してはいるけど、その辺は映画的な面白さとして、街が崩壊していく過程は十分見応えがありました

 

で、キービジュアルに使われているメイン4人の女子高生がまたかっけえんですよ!!序盤は普段着もかなりえちえちで自撮りやガールズトークに華を咲かせ、誰とヤッたヤリたいだの下世話な話やホームパーティーアメリカでよくやるやつ)で盛り上がってるごく普通の女子ながら、終盤では赤いコートに身を包み二丁拳銃、二刀流、ショットガンなど装備して「パージ」みたいな仮面を付けてやりたい放題する暴徒どもをぶち殺しまくる!!この対比!気持ちいい〜!監督のサム・レヴィンソンはそこまでキャリアが無いものの、かなりのセンスが発揮されてました。リリーがたむろしている家に暴徒が忍び込む長回しのシーンも緊迫感があってよい!センスあふれる逸品でした。敬具

 

【予告】

映画感想 - スパロークリーク 野良犬たちの長い夜(2018)

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スパロークリーク 野良犬たちの長い夜

★★★★★

 

【あらすじ】

静かな夜を切り裂く無差別銃撃テロ事件が発生。元警官のギャノンを含んだ民兵組織のメンバーがその銃撃や無線を聞きつけて集まった。武器庫を調べると、テロで使われた銃と同じAR-15が一丁盗まれている。ギャノンはこの中の誰かがテロを起こしたと確信し、メンバーを一人一人を尋問していく。誰も信用できない疑心暗鬼の中、暴かれる真実とは…?な話

 

【感想】

自分の観測範囲内で、現時点での「未体験ゾーンの映画たち2020」の中で一番おもろい!!超傑作!!レザボア・ドッグスを彷彿とさせる密室劇ながら、無駄な会話やシーンを一切省き、もはやBGMすら削ぎ落として、淡々とサスペンスフルに展開していくこの見せ方は渋さを極めた究極のクオリティ…!計算しつくされた構図やカメラワークからなされる会話のテンポの良さ、光と闇の対比を利用した印象的な画作り、尋問のスペシャリストであるギャノンの詰め寄りと対峙するメンバーの心理戦、そして二転三転するツイスト、これが新人監督のデビュー作なのか!?と戦慄するほど類稀なるセンスが光ってました。とにかく一分のスキも無いほどの面白さ…!!

 

「極右民兵組織」というのが割と馴染みが薄くて、国や警察にとってどういう立ち位置なんだろうな〜というところはあったけど、その辺は見てれば何となく分かりますね。むしろそれぞれのメンバーが所属に至った経緯が紐解かれていくのも重要なストーリーラインになってるし、それがあるからこそのこの予想だにしてなかったラスト…!無駄なシーンがない…!全ての出来事が結末に収束していく気持ちよさ…!

 

【予告】

映画感想 - 人面魚 THE DEVIL FISH(2018)

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人面魚 THE DEVIL FISH

★★★☆☆

 

【あらすじ】

とある6人家族が父によって全員絞殺される事件が発生。彼には悪霊が取り憑いており、霊媒ジーチェンによって除霊し、お魚にその霊をうつして殺した。その模様をこっそりビデオ撮影していた少年ジャハオは、その魚の死骸の口から稚魚が出てきたことにビビるが、何故かそれを持ち帰って自宅の水槽に入れた。悪霊の呪いは、ビビアン・スーへ…な話

 

【感想】

ウリナリ世代の老人なので、ビビアン・スーが出てるというだけで見ました。ブラック・ビスケッツ時代から変わらぬ美しさ…。しかし今作では離婚問題に悩まされてかなりメンタルがズタボロになっていて、さらにその心の弱さにつけ込まれて悪霊にとり憑かれるという踏んだり蹴ったりな役でした。かわいそっ。で、そのビビアン・スーと息子の家族の絆、そして霊媒師のジーチェンの悪霊退治&亡くした妻と遺された息子との家族の絆を二軸三軸で描くけっこう詰め込んだ構成でしたね。人の心のスキマに入り込む悪霊はいつの時代もどの国でも共通なので分かりやすい。ホラー描写は音でビビらすストロングスタイルでビジュアルもそれなりの怖さだし、ホラーとファンタジーが入り混じった予想外の展開にも転がっていって良い。ずっと停電中なのか?と言いたくなるくらい電気をつけない薄暗さの中でおどろおどろしく展開していきました

 

で、これ、調べたところ霊媒ジーチェンを主役に据えたシリーズの三作目らしいですね。ビビアン・スーよりやけに出番多いしやけにキャラクターも作り込まれててめちゃめちゃカッコイイなと思ってたら、むしろこっちが主役という。単体でも楽しめるけど、何故これから公開されたのか。やはりビビアン・スーだから?あ、そういえばタイトルにもなってる人面魚、1秒たりとも出てこなかったのは凄かったな…。台湾では悪霊が取り憑いたおさかなのことを「人面魚」って言うのかな。言うわけないな。敬具

 

【予告】

映画感想 - ブラインデッド(2018)

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ブラインデッド

★★☆☆☆

 

【あらすじ】

緊急停車した救急車の中で目が覚めたベンはそれまでの記憶を失っており、さらに目も見えなくなっていた。そこに襲い掛かるゾンビ化した救命士!目が見えない!助けて!そしてそのピンチを救うのは女性警官マーラ…と思いきや、大きなお腹で出産間近!盲目おじさん+臨月警官、今世紀最大難易度の足引っ張り合いゾンビサバイバルが幕を開ける!な話

 

【感想】

これ↑を読んだ時点でもうお腹いっぱいになれるほど、尖り過ぎたあらすじ!ゾンビ映画は数多くあれど、これほどまでに高い難易度だったもの今までにありまっか?ゾンビ化した世界の経緯は一切説明せず、この二人の視点から見える世界だけを描写した強気の状況に、降りかかる幾多の災難!もー無理!だめ!死ぬ!何とか耐えた!でも陣痛が!って感じで綱渡りすぎる展開はなかなか良かったです

 

…なんだけど、ちょっと予算が無さすぎたのかどうしてもゾンビの数が少なくチープに見えてしまったり、この激アツ難易度設定なのに単独行動が多くて支え合って助ける面白さも無く、二人のバディ感もその単独行動のせいで深まらずに過去の掘り下げもほぼ無くて感情移入もしにくいところはあったかな。いかようにも面白くできそうな設定なのに…!あと結局視力が完全回復してるのかとしか思えないほどに正確無比にヘッドショットをぶちかましたり、もうちょっと使えそうな斧や鉈などの強武器を贅沢に1回で使い捨てたり、終盤に行くにつれて「はて…?」と思う点はあったかな。ただこの鬼の設定で一本映画を作ったという気合はアッパレ!トータルで考えるともう少し熱いシーンは欲しかったけど、これぞ未体験ゾーンの映画たちの真髄って感じで今年も楽しませてもらってます

 

【予告】

映画感想 - フューリーズ 復讐の女神(2019)

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フューリーズ 復讐の女神

★★★★☆

 

【あらすじ】

ケイラとマディの二人は親友なのだが、夜道で拉致されてしまう。気付けば黒い箱にぶち込まれており、箱から脱出してもどこまでも森が広がっていた。同じ状況の女性がほかにもいて合流したのだが、謎の殺人鬼が迫りくる!なぜ!?そして殺人鬼が女を殺すと、殺人鬼の頭が吹き飛んだ!?どないなっとるんや!?ケイラはマディを探すために森をさまよう!な話

 

【感想】

「やたらゴア描写がすごそう」ということで見てみたんですが、ま〜すごい!斧で◯◯の表面を削ぎ落とす!剛力で女の◯◯をひきちぎる!◯◯を◯◯でくり抜く!◯◯を薪割りみたいにパッカーンとぶち割る!!気持ちいい〜…。6人の女と6人の殺人鬼がフィールドに放たれて逃げ惑い、狙っていくこのデスゲームな感覚はPS4の非対称型対戦ゲーム「Dead by Daylight」っぽさもありつつ、中盤から判明するデスゲームの全貌もルールが切り替わった感じで「そっちとも戦うの!?」的な飽きのこない演出だったかな。設定自体はベタっちゃベタなものの、一捻りツイストの効いている展開はけっこう好みでした

 

ケイラが意識障害で時々数分気絶してしまい、その時に殺人鬼の視界が乗り移って見えてしまう!というギミックが「SIREN」の視界ジャック感もあってさらに良かったです。細かい理屈や経緯は明かされない雑なとこはあるけど、それを駆使して親友マディの元にたどり着くのもゲームっぽくて良いし、監督のゲーム好き感が前に出てる感じでしたね。あたしゃそのどっちのゲームもかなりやり込んでるので「ええやん…」と思いました。殺人鬼のビジュアルや武器のバリエーションはかなり使い古された感じだったのでもうちょっと多彩で豊富にして欲しかったところはあったけど、トータルで個人的にはかなり好みです!グロ描写に飢えてる方はおすすめですね

 

【予告】

映画感想 - シライサン(2020)

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シライサン

★★★☆☆

 

【あらすじ】

女子大生の瑞紀は、目の前で親友がいきなり眼球破裂して死ぬというやばい瞬間を目撃する。その3日後、春男の弟が眼球破裂して死んだ。奇妙な二人の共通点は、「シライサンが来る」という怪談を聞いて呪われたという説が有力なようだ。瑞紀と春男は面識は無かったが噂を聞いて二人で調査に乗りだす。その怪談を同時に聞いた三人目の人物・詠子を訪れるが…な話

 

【感想】

ホラー小説家の乙一が別名義で監督・脚本を手掛けたホラー。ちょっと雑なところや設定の薄さと粗がかなり目立ってしまって、「ガンバレ…」と思わずにはいられなかったかな。シライサンの造形はなかなか気色悪く、ネットでよく見る怖い画像みたいな感じの描写があったりなかなかトラウマもので、かつシライサンと対峙した時の対抗策も現実にあったら耐えられないぐらい怖いな〜って感じで良いです。また、小手先のびっくり音でビビらすこともせず、気付いたらそこにシライサンがいる!ジワジワ迫りくる!みたいに上品に怖がらせる感じは好感がかなりもてました。あと、「イヤホン360上映」ってやつにも対応してたので試してみたら、映画本編と同期してイヤホンから追加で本来聞こえてこない声や効果音が立体的に広がって入ってきて、臨場感がかなり高まってGOODでした

 

なんだけど、結局のところ民間伝承に振り切りたいのか現代的な都市伝説系に振っていきたいのかどっち付かずになってしまったり、シライサンから逃れる方法も判定がかなり曖昧で、「何故二人は生き延びられたんだ…?」となってしまったり、シライサン自体の設定もかなり説明が足りてなくて、もっと細かいとこ知りてっ!となってしまったかな。小説で読んだら予算や長さに縛られずにかなり細かいとこまで補足して超弩級に怖く仕上げられたような気もするけど、いろいろ足りなかったような感じがあったかな。これは本来の乙一のフィールドである小説で体感したかった!

 

ただ、瑞紀(飯豊まりえ)と春男(稲葉友)の関係性はかなり斬新で良かったです。お互いに面識が無く近しい人を亡くしたことで知り合って調査に乗り出すので、ずっとお互い敬語!距離が全く縮まらない!そのよそよそしい間柄が終盤にも活きてきて、そこはかなりオタクが喜びそうな関係性でしたね。二人でなんとかシライサンを一時的に撃退しても、ひと段落した後に「(瑞)吊り橋効果で恐怖を恋愛と勘違いすることがあるらしいですよ」「(春)そこから始まってもいいと思いますけどね…」っていうかなりさりげない会話があったり…!ここは実に素晴らしかったです。思えばこれが今年初映画館か…少し微妙な滑り出し。敬具

 

【感想】