映画感想 - アンフレンデッド（2016）

★★★★★

【あらすじ】

高校生のブレアがボーイフレンドのミッチとスカイプビデオ通話でイチャイチャしていたら、友達のアダム、ジェス、ケン、ヴァルが入り込みグループ会話になった。普通に雑談をしていたんだけど、そのチャットルームの中に見知らぬアカウントが紛れ込んでいた。名前を調べると、ローラ・バーンズ。え…？ローラってこの前いじめを苦に自殺した奴じゃん！誰かのいたずら？そしてインターネットを経由した怨霊ローラ・バーンズの復讐が始まる…！

【感想】

SNSやインターネットツールを駆使したサイバー呪い攻撃で裁きを下す器用なローラ・バーンズに弄ばれる若者を、ブレアのPC画面だけで表現した新感覚のスリラー。SNSいじめをテーマにしたものは「ディス/コネクト」、全編PC画面での展開は「ブラックハッカー」が記憶に新しいけど、こちらは両方の要素を取り入れつつもっとグッと身近にskypeやらyoutube、facebookなどの実在のツールをうまく利用して恐怖を煽ってくるという演出に匠の技を垣間見ました。めちゃめちゃ怖い！

基本的にブレアのPC画面だけで展開するので、リアリティ追求のために不自然な独り言は排除しています。その代わり、別窓のチャットで文章をつくって「送信」を押す直前でマウスの挙動がおかしくなって、何回も文面を変えたりする…という実際にもよくある動きでブレアの内なる気持ちを手に取るように表現してくれるというのもすごくリアルでした。よくこの演出から一切飽きさせず、また放棄することなく最後までやりきったよな…無理な展開無く楽しめる脚本にはもう脱帽。最先端な感じがする！

ローラが自殺した原因は、酒に酔いすぎてめちゃめちゃな醜態をさらしてしまったところを映像に撮られてそれをyoutubeにうｐされてしまって恥辱に耐えかねて…っていうところなんだけど、お察しの通りこのスカイプで集まったメンツに少なからず原因があるんですよね。それをどんどんローラが暴いていくのがまた痛快。登場人物ももれなくクソなのもまた潔くて、終盤はローラが仕掛けたゲームによって全員が完全な疑心暗鬼になってローラを差し置いて罵倒しあう様はまさに「Unfriended（友達解除）」状態。タイトルと相まってローラの思う壺になっていく展開が気持ちいい！「SAW6」の回転木馬ショットガンゲームを思い出すほどの最悪ドロドロの人間関係であった。

ちなみにこちら、公開前に正規ルートからDVDをお借りしてmacbook airで見たんだけど、これがまた大正解！映像が完全にPC画面（しかもmac）なので全く違和感なく自分がブレアのPCをのぞき見しているような没入感を得ることができました。映画公開は7月30日だけど、もしかしたらレンタルでDVD借りてmacで見るのが一番怖い見方なのかもしれない。かなり怖い仕上がりになのでむっちゃオススメさせていただきます。

【予告】