映画感想 - ゲヘナ 〜死の生ける場所〜(2016)
ゲヘナ 〜死の生ける場所〜
★★★★★
【あらすじ】
サイパンのリゾート地に降り立ったポリーナは、ちょっといい感じの男テイラーとカメラマンのデイブ、不動産同業者のアラン、そして現地コーディネーターのぺぺとともに新たなリゾート開発を行うために現場を視察していた。
かつてこの地は神聖な土地の伝承があったが、戦時中に侵され日本軍の駐屯地になっていたといういわれがあった。そんないわくつきの開発予定地の奥に、旧日本軍が暮らした塹壕があることに気付いた5人はここも調べておかなければと入り込む。しかし次々を怪奇現象が巻き起こり、異形の者が蠢き、数々の呪いが降り掛かる!恐怖のドン底に叩き込まれた一行は生きてここから出ることができるのか?
【感想】
ハリウッドの特殊造形クリエーターの片桐裕司さんが初監督をしたホラー映画で、クラウドファンディングのサイト「キックスターター」で資金を募って数年の構想を経て作り上げた意欲作。
こちら、日本初上陸の「東京コミコン」で初日の最後を飾る映画のプレミア試写会というミラクルパワーで見ることが出来ました。まだ全国公開の予定は無いほどできたてホヤホヤで、ここで見た人が初めて本作を見た人々、ということでなかなかハードルは上がって「これでつまらなかったらどうしよう…」と少し心配していましたが、杞憂でした。
ジャパンホラーとハリウッドホラーのおいしいところを上手く混ぜ合わせて飽きさせずに怖がらせるホラー演出がお見事!終盤に明かされる塹壕の真相は若干「もしやこうじゃね?」とやや予想できてしまいましたが、だからと言ってそれが興ざめになることは無いんです!ここ重要。で、非常に巧妙に伏線が貼られた素晴らしい展開で畳み掛けてくれて、「クゥ〜!」とスカッと気持ちよい鑑賞後感がありました。スタッフロールで英語で「監督はクリエイティブ面で手塚治虫に非常な影響を受けた」的なことが書いてあったのも、確かに感あり。
旧日本軍の塹壕内の雰囲気やアイテムなどの造形はとても細かく作られていてそれっぽさがあり、ここは監督のノウハウが詰まってるなと思いつつ、お化けのクリエイティブもきもくて良い。何かしら登場人物のトラウマが具現化してくる(本人にしか見えない)ってのがまたいいんですよね。そんな感じで登場人物の愛憎や過去も少しずつ深掘りされて共感も湧いてくる、バランス感覚に優れた良作でした!オススメ!全国公開できるといいですね。
【予告】
【2018/12/18追記】
「未体験ゾーンの映画たち2019」にてついに上映されることになりました。やったぜ!
【2018/7/30追記】
ようやっと公開されるみたいなので、是非どうぞ
【東京コミコン行ってきた記事もこっちで書いたよ】