映画感想 - レジデント(2015)
レジデント
★★★★☆
【あらすじ】
デンマークの閑静な住宅街。グスタフは両親と妹の4人でこの犯罪など何もない平和な街で暮らしていたが、不審な死を遂げた老人の死体が消えるという事件があったことから、その日常は静かに崩れていく。その日から何故かパトカーが何台も駆け回り、街全体がただならぬ雰囲気に。
何かが起こっているが、それが住民に教えられることはない。ついには軍隊が出動し、街全体が制限区域となり外出禁止になってしまう。テレビでは謎の病原菌が蔓延していると報じるが、何もかもが分からない。グスタフは軍隊の目をかいくぐって偵察したところ、そこで見たものは病原菌の感染者がまるで物のように殺されていく凄惨な光景であった。一体この街で何が起こっているのだろうか…?お〜こわっな話
【感想】
「未体験ゾーンの映画たち2017」にて鑑賞。北欧産のゾンビホラー映画。最近では「アイアムアヒーロー」やらこの夏に公開される「新感染 ファイナルエクスプレス(釜山行き)」などガチなものから「ゾンビーワールドへようこそ」、「デビルズメタル」といった笑いに寄ったものなど、ゾンビというジャンルで様々な形がありましたけども、こちらの「レジデント」はどちらにも属さない「何が起きてるか全く分からないけど確実に何かが進行している」という点を突き詰めた暗い雰囲気に包まれたシリアスで新鮮なゾンビものでした(ゾンビは腐ってるけど)。
グロい描写はほとんど無い、軍隊がバリバリ活躍してゾンビをぶっ殺しまくることもない、主人公のカリスマ性で住民を率いて対決する構図もない、それどころかゾンビの姿すらほとんど出ないという「ゾンビ映画とは何か」と考えさせられる思い切った手法が取られていながら、水面下でジワジワと平和な街が確実に崩壊していき、人々がなす術なく絶望的な状況に堕ちていく描写はなかなかの怖さがありました。派手なゾンビものを期待しているとものすごくガッカリするかもしれないけど、こういうシリアスなテイストもまたありじゃない!?そう思わせてくれますよ。ダマされたと思って是非ご覧くださいませ。しかし光に反応する習性を持ったゾンビ達をある手法で注目させて逃げる終盤のシーン、めちゃ美しかったな〜。
【予告】