映画感想 - スペクターズ(2012)
スペクターズ
★★★☆☆
【あらすじ】
小さな田舎町で洪水騒ぎが起こり、避難勧告が出された。この町以外にも世界中で何かしらの災害が同時に起こっているらしい。そんな騒ぎにもあまり動じない町の若者チェイスは友達とともに車で徘徊し、ドラッグを手配し山奥でどんちゃん騒ぎのドラッグパーティーに明け暮れていた。そんな中、何かよく分からないけどただならぬ雰囲気を感じて町へ降りてくるが、市民達は忽然と消え失せていた。満月は月食で欠け、さらにカラスが空中で燃えながら落ちてくる。ようやく見つけた人影も何故か血だらけで意思疎通が一切できない。この町に一体何が起きているのか…。
【感想】
数々のPOVを見てきましたけども、究極主人公達に襲いかかる怪異の正体って、まあ別に判明しなくてもまあいいんですよね。カメラを回し続けて逃げ惑う人の目の前に都合よく真実が出てこなくても、いかに雰囲気や世界観を作り込んで見ている側に不穏感を抱かせて「怖いね、怖いね」と思わせてくれればそれで良いと思っております。そんな中この「スペクターズ」は、「POV雰囲気大賞」を送りたいほどに雰囲気作りが素晴らしいやつでした。
様々な超常現象が周りで起こってるけど、詳細は一切分からない。それでも誰もいない町、燃えながら落ちてくるカラス、特定の人物に近づくと異常にノイズやバグが入る演出、古臭い画質と形容できない全体を包みこむ雰囲気は今までみたPOVの中でも群を抜いたクオリティ。78分しかないけどエンドクレジットも含めて最高の雰囲気でした。まあ、怪異の正体が全く判明しないのでスッキリしたい人々にとってはモヤモヤだけが残るけど、それもまた一つの結末。体感しないと分からないこの凄さは、今すぐとは言わないけど「もう映画全部見た」となった時に思い出して見てみてください。私からは以上です。
【雰囲気がすごい予告】