にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - バーニング・オーシャン(2016)

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バーニング・オーシャン

★★★★☆

 

【あらすじ】

😂「海に浮かぶ石油掘削施設、あちこちガタが来ててそろそろやべ〜んだが」
👴🏻「予定より遅れてんだからとっととやれ。不具合?知らん知らん」
🏭「……限界っす、すんません」
🔥「ドカーーーン!!!!!」
😂「だから言ったでしょお〜が!!」
👨🏾🔥👱🏻‍♂️🔥👴🏻🔥「助けて〜!」
な話

 

【感想】

実話を基にしたパニックもの。2010年に起きた石油掘削施設の大爆発からの石油が流出しまくったやべ〜事件なんだけど、とにかくスケール、火薬量、死と隣り合わせ感が凄まじすぎる!どんな撮影!?人死んでない!?NG出しちゃったらどうすんの!?!?と思ってしまうほどにとんでもなさすぎる爆発でさすがに笑ってしまったな。CGであってくれと願わずにはいられない…。実際に海に浮かぶこの施設をまるまる完全再現して撮影に臨んだらしく、その規模感も超壮大かつまるでそこにいるかのような臨場感もすごすぎる。それがとんでもない大爆発から火の海に飲まれるとあっちゃビビらない方がやばいでしょう…

 

超絶爆発の原因は「施設の老朽化」に加えて「お偉方が納期を気にして安全テスト無しに作業指示を出してしまう」というこの手の話にありがちなホワイトカラー対ブルーカラーの軋轢もかなりじっくり積み重ねて緊迫感を高めるのもGOODでしたね。正直施設の仕組みや専門的な知見からの爆発原因描写が素人にはよく分からなかったところがあったので、「あ〜お偉いさんの無茶な指示のせいかい…」とシンプルに認識できました。それにしてもそのお偉いさんがジョン・マルコビッチというベスト人選……誰も逆らえない…!

 

そんな感じで引っ張りに引っ張ってお見舞いする超ド級大爆発のインパクトがあまりにも凄すぎなのと、その後の懸命な脱出がかなり見応えありでしたね(石油の流出が描かれることはないけど)。監督のピーター・バーグはしょっちゅうマーク・ウォールバーグと組んでアクション映画撮ってるみたいだし、これを機にまたいくつか見てみようかな。敬具

 

【予告】

映画感想 - 黒い司法 0%からの奇跡(2019)

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黒い司法 0%からの奇跡

★★★★☆

 

【あらすじ】

👨🏾木こり「木ぃ切るの楽し〜」
👮‍♂️警察「きみ殺人犯やろ。逮捕や!」
👨🏾「違う!まあすぐ誤解とけるよね」
🕵️‍♂️検事「こいつ犯人っす絶対」
👨‍🎓裁判官「分かりました。死刑!」
👨🏾「びえ〜ん!やってないよ〜!!」
🕵🏾‍♂️新人弁護士「いやいや証拠一切無いじゃん!絶対無罪!断固戦うぞ!」
な話

 

【感想】

映画を愛し、映画に愛されてるので試写会にて。いつもありがとう…。実話ベースの法廷サスペンスで、あらすじだけ見ると「リチャード・ジュエル」に近いですね。でもこっちは警察も検事も全てがムチャクチャで、あまりにも不当な黒人差別により真実の味方であるはずの司法が立ち塞がり、無罪である証拠を全て却下し訳のわからん奴の証言一つで死刑まで確定してしまうというほぼ勝ち目の無い戦いに、新人弁護士がどう立ち向かっていくか…!というかなりシリアスな流れ

 

クリード」や「ブラックパンサー」で惜しみなく筋肉を見せつけてきたマイケル・B・ジョーダンさんがPOWERを封印し、スーツを着込んで知性と勇気で真実を照らし出す!彼は「クロニクル」の時から応援してましたが、まさかここまで成長するとは…素晴らしいアッパレ演技男でした。無実を勝ち取るためとはいえ、日本人には理解できないほど理不尽すぎる差別の障壁にぶち当たり、「これ無理ゲーすぎんか…?」と思ってしまう絶望感が何度となく訪れるけど、それでもめげずに真実を追い求める弁護士ブライアンとその助手エバ、二人の行動は映画的には地味だけど魂を揺さぶられる!

 

そして無実の罪で何年も無駄に投獄される被告役はジェイミー・フォックス!隣の独房の奴らとの熱い友情やこらえきれない感情の爆発など、何かしら受賞してもいいんじゃね?ってぐらいエモーショナルで素晴らしかった…。コップガンガンガンガン!これ最高。それにしてもアメリカの人種差別問題、ここまだ根深いんかい…となってしまうな。この映画を教科書にした方がいい…。そしてよくよく考えると「ブラックパンサー」の悪役キルモンガー、キャプテン・マーベル、「アメスパ2」のエレクトロと、マーベル俳優揃い踏みなのも盤石な体制で素晴らしいですね。エバ役のブリー・ラーソンさんの80〜90年代のファッションもかなり可愛くて見ものです。少し重い話ですがオススメ!

 

【予告】

映画感想 - ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019)

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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

★★★★☆

 

【あらすじ】

おじいちゃん作家「死〜」

名探偵「匿名で捜査の依頼があったんだが…犯人はこの中にいます!」

一癖も二癖もある家族たち「「え〜!?!?」」

名探偵「こいつら…調べれば調べるほど証言にウソばっかりだ!」な話

 

【感想】

金田一やコナンのような分かりやすい形式のミステリー&コメディ。原作も特にないのは珍しく、ダニエル・クレイグ、クリエヴァ、ジェミー・リー・カーティス、マイケル・シャノンなど、異常に豪華なキャスト。特に前情報なく見てみましたが、お、お、おもろい…おもろのまさかのミステリー…。シナリオについては一切何も言えませんが、こういう本当に今時珍しいほど真っ正面な推理ものでここまで面白く仕上げて、状況が二転三転しつつ散りばめまくった伏線をシッカリ回収してバチーンと解決する気持ちよさ、久々に味わった気がするな〜

 

ミステリー小説で一時代を築いた富豪のおじいちゃんが死んでる状況から始まって、そこからお気楽警察と名探偵が家族を事情聴取し、事件前夜以降は回想で展開するという構成。過去と現在、そして殺害後の出来事が時系列をバラバラにしつつも今どういう状況で誰が怪しいのか手に取るように見える分かりやすさは、ミステリーものをあんまり見ない人でも楽しめそうでしたね。それぞれの証言と実際の行動がかなり食い違って疑問が積み重なっていくのも犯人像がぼやけていって良かったな。そしてウソをつくとゲボを吐いてしまう特異体質の看護師役のアナ・デ・アルマスさん、かわいい…。その他、豪華なセットにグイグイのめり込んでいける名優たちの演技に、コミカルな演出も交えた大胆なトリックはかなり見ものです。おすすめ!

 

【予告】

映画感想 - トゥループ・ゼロ~夜空に恋したガールスカウト~(2019)

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トゥループ・ゼロ~夜空に恋したガールスカウト

★★★★☆

 

【あらすじ】

宇宙と地球外生命体に思いを馳せる少女クリスマスは、ガールスカウトの大会で優勝するとNASAの協力の元、自分のメッセージをレコードに録音して宇宙に飛ばしてもらえる権利を得られると知り、絶対優勝宣言をする。大会に出るにはメンバーが必要なのだが、集まったのはナヨナヨ少年に暴れん坊女、太っちょ女に内気なクリスチャンとザコばかり。果たして優勝できるのか?な話

 

【感想】

Amazonプライムビデオのオリジナル作品で、このあらすじとポスタービジュアル、そして未来が約束された伝説の超美少女天才子役マッケンナ・グレイスさんが主演ということで見てみました。これは掘り出し物ですよ!ストーリーはかなり既視感はあるベタなところはあったけど逆にそれが安心で、バラバラだった子どもたちが「宇宙人に自分の声を届けたい」というクリスマスの夢のために皆で頑張る姿…、そして人にどう思われようと自分が自分であることの誇りを持つことの素晴らしさを描いており、老人の私が心を打たれないわけがない!!

 

ガールスカウトの大会に出るために「メンバー集め」→「大人の団長をスカウト」→「一人最低一つの個性を見つけてバッジをゲットする」というステップを踏んでいくんだけど、全ての過程に可愛さが溢れており、孫の成長を眺めるがごとき優しい眼差しで見てしまいました。そしてエリートチーム(スカウトの風上にも置けない性格の悪さ)やその団長によるさまざまな嫌がらせと対立構造を経て終盤への期待感が高まっていく…!

 

肝心の大会では結局何をするかの練習シーンが全く描写されなかったんだけど、他のチームの出し物がめちゃめちゃつまらないのも素晴らしかったな。そもそもこのガールスカウトの大会そのものが全く知らない文化の世界でピンと来なさはありつつも、逆にそのつまらない出し物の薄っぺらさがあるからこそ、果たして我々はどんな出し物を…!?という感じにさせてくれます。案の定ここがクリスマスちゃんの全面プロデュースによる友情と努力の集大成とも言うシーンでエモーショナルかつ大胆に描き、熱く強く正しい気持ちになれました。意外なことが起こらない安定感と安心感…。それにしてもマッケンナ・グレイスさん、1から100まで仕草や服装に髪型に表情の細部にいたる全て可愛すぎる上に演技も素晴らしい…本物の天才だ…。ギフテッドも未見なので見ようかな。というわけで、ハートフルな気分になりたい時は是非!

 

【予告】

映画感想 - フリークス 能力者たち(2018)

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FREAKS フリークス 能力者たち

★★★★☆

 

【あらすじ】

7歳のクロエは父親と二人暮らしなのだが、生まれてからこの家を出たことが無い。外の世界は危険だと父は言うが、窓から見える風景は鳥が空中で完全に停止していることを除けば危険な様子は一切ない。家の中の生活はうんざりとばかりに父が寝てるスキに家を出たクロエは、そこで出会ったアイスクリーム屋のじじいにとんでもない話を聞かされる…この世界は一体何なのか?な話

 

【感想】

「未体験ゾーンの映画たち2020」の中でも結構推されてたやつ。確かに推されるだけあって、おもろい…。タイトルからわかるように生まれながらに超能力が備わった人間たちを取り巻く話なんだけど、序盤から謎をめちゃくちゃ散りばめているのがワクワクさせてくれて良いです。何故、クロエは父親と二人暮らしなのか?何故、クロエは家に閉じ込められているのか?何故、鳥が空中で停止しているのか?何故、アイスクリーム屋のじじいがクロエを気にかけるのか?何故、部屋の中に手錠で繋がれた女が現れるのか…???

 

などなど挙げればキリがなく、少し分からなさすぎてモヤっとしそうなところでシッカリと一つずつ解き明かしてくれる構成がお見事でした。そして待ってましたとばかりの能力者たちのスキル解放!!あ、熱い!!!!お前、そんな力あったんか!!!と少年漫画でよく見るあの能力この能力が目白押し!特に7歳のクロエはほぼ最強に近い能力を持ち合わせていながら画面上での見せ方もかなり凝っていてGOODでした。使い過ぎると目から血の涙が流れるところもそれっぽくて良い!

 

そして7歳のクロエを演じたレクシー・コルカーさん、喜怒哀楽の演技がめちゃめちゃ上手い!!子役にして大人たちに引けを取らない力強い表現力!ここで演技がカスだとかなり冷めてしまうところでこの天才っぷり…未来への希望じゃん…。物語の鍵を握るアイスクリーム屋のじじいも「ネブラスカ」で気難しいジジイを演じたブルース・ダーンなのも良い…。そんな感じで中盤からかなり燃える展開と、能力者たちの活躍を是非楽しんでいただければ…。

 

【予告】

映画感想 - ラン・オールナイト(2015)

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ラン・オールナイト

★★★★☆

 

【あらすじ】

マフィアのボスに忠誠を誓う殺し屋ジミーは人を殺しすぎた罪悪感から酒に溺れていた。ある日彼は殺しの現場に偶然居合わせて消されそうになった息子マイクを助けるため、チンピラを射殺する。しかしそのチンピラは自身の唯一の味方であるボスの息子だった。修復不可能な関係になったマフィアに長年ジミーを嗅ぎ回る警察が総力を上げて二人を追い詰める。朝まで逃げ続けろ!な話

 

【感想】

ジャウム・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンのタッグは過去に何回もやってて大体見てたけど、これは抜けてたな。殺し屋ジミーが息子マイクとともにマフィアと警察から逃げ回るというシンプルな構成ながら、ジミーとマフィアの関係、ジミーと息子との関係をしっかりと構築することで良さを滲ませて、最後までハラハラドキドキを保ったまま見れました

 

まず、やはりジミーと息子の関係が良い…。仕事柄家族を遠ざける必要があっただけに息子からかなり嫌われている状況。それを序盤でしっかりと説明してくれるので単なる逃避行ではなく「危機的状況に陥って共に行動をせざるを得なくなった仲の悪い父子」に仕立て上げており、「だんだんこの関係性も良くなっていくのか、それとも…」と思いながら見ると泣けます。そしてジミーが人を殺しすぎて周りに誰もいなくなり孤独と罪悪感を感じている中で、そこに寄り添い優しく救済してくれてたのが他ならぬマフィアのボス!この関係性の妙!その絆が不可抗力とはいえボスの息子を殺してしまったことで崩壊してしまうのも泣ける…!この二つのこじれた関係が逃避行をさらなる面白いものにしてくれましたね

 

キャストもかなり熱く、息子のジョエル・キナマンはイケたメンだし、ボスは名優エド・ハリス、ボスが差し向けた最強の殺し屋が「ジョン・ウィック2」で強烈な存在感を放ったコモンに、チンピラのチョイ役に「マインドハンター」でテンチ捜査官を演じた人も出ており、お〜となりました。総じて、おもろい!!リーアム・ニーソンと父と子のバディものにハズレ無し…!

 

【予告】

映画感想 - サイバー・ゴースト・セキュリティ(2018)

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サイバー・ゴースト・セキュリティ

★★★★☆

 

【あらすじ】

大昔より悪魔VSネクロマンサーの戦いが続く現代では、悪魔をネット上に封印することに成功した(は?)。一方配管工のハワードは、幽霊を捕まえるARスマホゲームのカメラを向けられて突然パワーが解放(え?)!実はハワードの両親は最強ネクロマンサーで彼もその血を受け継いでいたのだ(あ?)!ネットに潜む悪魔の反撃に、ハワードは突然現れた仲間と立ち向かう…な話

 

【感想】

オーストラリア発、スーパーサイケデリックハイテンション未体験ゴーストバスターインターネットSFアクション!!!このあらすじ、マジで何なんだという感じですが全部ほんとです。かつてゾンビを燃料にして車を爆走させる斬新なサバイバルアクション「ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ」(マッドマックスをパクった挙句タイトルに2回もゾンビを使うという攻めすぎた邦題)を作ったターナー兄弟監督の新作で、ゾンビマックスがかなりテンション高くて面白くて記憶に残ってたんですよね

 

で、その兄弟の新作…そして何このあらすじ!?一つも頭に入ってこない!!でも…最高にワクワクするぜ!!って感じで楽しみにしてました。結論、常識を超えた無茶苦茶な設定なのに登場人物の印象と個性を強めてハワードが戦いに飲み込まれていく過程を独創的すぎるシチュエーションで描き、低予算には見えないCGや悪魔の造形に凝ったパワードスーツや近未来ガジェット、そして登場人物の思いがけなさすぎる成長や進化といったギミック含めたマジで先の読めない展開などなど、総じて面白い!!「めちゃめちゃ変な映画見てる…けどこの清々しい気分は何!?」という気分になりますよ

 

悪魔VSネクロマンサーの戦いにインターネットを取り入れ、さらにメインの悪役が闇落ちした主人公の母親という誰も思いつかないストーリーながら、すべての事象が起こるべくして起こる無駄のない起承転結に、「エクソシスト」「ゴーストバスターズ」「メン・イン・ブラック」「キックアス」、その他悪魔の表現など、あらゆるレジェンド映画にリスペクトを込めたオマージュ描写がてんこ盛り。映画好きにはかなり楽しめる!言わずもがなのオススメ!!!あと主役の人がだんだんロバート・ダウニーJr.にめちゃめちゃ似てくるのでアイアンマンやアベンジャーズのような要素もはからずも入ってくる!!

 

【関連】

 

【予告】

映画感想 - ミッドサマー(2019)

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ミッドサマー

★★★★★★

 

【あらすじ】

👩ダニー「突然家族みんな死んだ。鬱」
🧑🏼彼ピ「民俗学研究で友達とスウェーデンの白夜の村で90年に一度開かれる祝祭みにいくんだが、気分転換兼ねて同行する?」
👩「は?初耳だけど。行くし」

🌈🌸👨‍⚕️🇸🇪🧑‍⚕️🌼☀️「熱烈歓迎〜!」
👩🧑🏼🧑🏼🧑🏼🧑🏼「この村…狂ってる!!」
…な話

 

【感想】

映画を愛し、映画に愛されてるので試写会にて。いつもありがとう…。そして、あの〜すみません、アリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー」を超える勢いの、空前絶後の最凶・最高・狂乱・悪夢・地獄・伝説の2時間20分でした…何なの…。怖すぎるから…。目に飛び込んでくる世界があまりにも飛びすぎてて最早「絶対に笑ってはいけない祝祭24時」みたいな感じはあるんだけど、それでもダニーの精神状態と過去の強烈なトラウマ、現時点で心に感じている負の淀みを強烈なインパクトで表現しつつ、村でのヤバすぎる出来事を経て訪れる一つの結末は何一つ無駄が無く本当に恐ろしく、美しく、煌めいておりまして…いや、核心に触れないように書くのが難しすぎるんだけど、とにかく異常と狂気が濃厚に入り混じった光に溢れた強烈ビジュアルショックは本当に不気味で怖い!!!

 

白夜の村の謎すぎる風習が本当に誰も見たことが無いほど斬新で、ダニー達のツッコミも無くいきなり視神経に刻まれるその強烈な画の、情報が多いこと!ただの二人の会話のシーンなのに、その奥で村人が何人も固まって赤ちゃんを謎の歌であやしてたり、馬の模型を斧で叩き割ってたり、本筋に関係ないところで色々なことが立て続けに起きてるのにそれが全く説明されないのが怖い!とにかく不安!その他、実に耳障りなBGM、村に響く透き通る不穏な謎の歌、急な場面転換、変で嫌すぎる微妙な沈黙、ふわふわとしたカメラワークなど、全てにおいて居心地を悪くさせる演出も凄まじかったです。そして後半にいくほどエスカレートしていく展開とビジュアルが鮮烈過ぎて、私は一生忘れることはないでしょう…それくらいにすごかった…。アリ・アスター、本物の天才だ…

 

映画情報に敏感な皆さまにおかれましては私が今更オススメすることでもないですが、絶対に即見に行ってください。怖さを共有したいので…。今は一人でこの怖さを抱え込まなければならないの…。敬具…

 

【予告】

映画感想 - スケアリーストーリーズ 怖い本(2019)

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スケアリーストーリーズ 怖い本

★★★★☆

 

【あらすじ】

ステラ、チャック、オギーの3人はハロウィンの夜に町外れの幽霊屋敷に忍び込み、一冊の古い本を手に入れる。そこにはたくさんの怖い話が書かれていたのだが、何と空きページに自分たちが主人公となる新たな怖い話が血文字で浮かび上がっていき、名前を書かれた子どもはお話通りの恐ろしい運命を辿り、消息不明となる。次は誰〜!?怖いよ〜!助けちくり〜!!な話

 

【感想】

映画を愛し、映画に愛されているので試写会にて。いっつもありがとう…。ギレルモ・デル・トロ原案に、「ジェーン・ドゥの解剖」「トロールハンター」でその手腕を発揮したホラー界の新星アンドレ・ウーヴレダル監督とくりゃ最強の布陣やな!!かなり前から楽しみにしてたけど、怖さと面白さが上手く重なり合って満足度の高いホラーでした。あらすじを読んでオムニバス的な感じなのかなと思ったら各怖エピソードのおいしいところをかいつまんでビビらせつつ一本の話にまとめてくれており、緊張や温度感が途切れることなくどんどんノッていける構成でした。削るところは削り、見せるところは思いっきり見せる!この勇気とバランス感覚!アッパレ!

 

各エピソードも、カカシお化けや青白でっけ〜巨大女などなど、かなりパンチの効いた見た目をもったお化けたちが登場して盛り上げてくれるし、具体的なビジュアルでガッカリすることも少ないのも良かったです。特にポスターなどに使われてる恐怖青白巨大女は本当に最高!廊下の先に佇むそのビジュアル一本勝負で終わらせない追い詰め方に、フィニッシュムーブ…!ウーヴレダル監督の真髄を見せてもらった感じで素晴らしかったです。そこで盛り上げを一気に爆発させつつ、その後のテンションを保ったまま走り抜けてくれました

 

あと、最後にこれだけは言わせて欲しいんですが、主演のゾーイ・マーガレット・コレッティさん、可愛すぎる!!!!メガネが似合う典型的なオタク少女って感じなのにその目、その肌、その声などに生来からくる可愛さが滲み出まくっておりました。終了後に即刻Instagramアカウントを調べたら、めちゃめちゃリア充のイケイケインスタ女!っていうギャップもすごかった!女は怖い!敬具!

 

【予告】

映画感想 - リチャード・ジュエル(2019)

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リチャード・ジュエル

★★★★☆

 

【あらすじ】

😙リチャード「公園でやってる野外ライブの警備についてる時に爆弾を発見!!みんな逃げて!迅速対応!被害は最小限になった!正しいことをした!えっへん!えらい!」
👮‍♀️FBI「君の事件当時の挙動、怪しいな」
🕵️‍♀️記者「英雄が犯人!?大スクープ!」
😭「びえ〜ん!違うよ〜!助けて〜!」
👨‍💼顔馴染みの弁護士「助けたる」…な話

 

【感想】

テロ被害を最小限に抑えた英雄警備員が一転して容疑者として疑われてしまうという、'96年にあった実在の事件を映画化したノンフィクションのやつで、クリント・イーストウッド89歳の監督作。パワーじいさん…。彼の映画は大体おそろしくテンポが良く、出来事を簡潔に分かりやすく展開してく手腕が素晴らしくて好きなんですが、こちらもあれよあれよという間にリチャードと母親の平和が乱されていく展開はかなりスリリングかつ胸糞でしたね

 

FBI自身が無理やり犯人にしてあげようとしたり、特大スクープで他社を出し抜くことしか考えずリチャードの人権を踏みにじる新聞社によるリーク、連日連夜リチャードに迫るマスコミやTV…良い人おらんのかいっっ!!!という様相はまさに地獄絵図で、ここまで不当に追及されたら、やってなくてもやったと言って終わらせてしまいたくなりそうなほど、人を叩き落とす描写がえげつなかったな〜。それでもリチャードが前を向いていられたのは、サム・ロックウェル演じるラフな弁護士ワトソンのおかげでしたね。このワトソン、めちゃめちゃカッコイイ!!キャラ造形最高!こいつがいなかったら今ごろリチャードは打首獄門さらし首にまっしぐらでしたね。あと最後までもちろん息子を信じ続けた母親も最高!この二人だけが「希望」だったな…

 

で、こういう実話ベースの話だから最終的には無罪を勝ち取ることは見ながら分かってはいるんだけど、それでもかなり胸糞だし、何ならもっともっともっとスカッとさせて欲しかったところはあったかな。特にあの淫乱女記者なんなん!?お前が全ての元凶だろ!!新聞社とはその後の裁判で和解したみたいだけど、もっとその辺も本編に織り交ぜてスカッと度をさらに高めて欲しかった…!とはいえトータルでドラマとして相当クオリティの高い逸品でしたね。さすがクリント・イーストウッド

 

【予告】