にっきにっき

映画の感想ばかり書いているスーパーミラクルブログです。あなたのスターをお待ちしております

映画感想 - モアナと伝説の海(2016)

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モアナと伝説の海

★★★★★

 

【あらすじ】

海を愛し、海に愛された女モアナは村の掟で海に出ることは禁じられていた。しかもその美しい海の世界は大地の女神ティ・フィティの心が盗まれたことにより、闇に包まれようとしていた。モアナはティ・フィティの心を盗んだまま消息を絶った伝説の英雄マウイを探し出し、ともに世界を救うために困難な旅に出る。

 

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【感想】

う〜〜〜〜〜ん最高潮。キャラクターと歌がとにかく最高で、ストーリーも分かりやすさの極地なのにここまで最高なのはマジですごい。ポスタービジュアルとかを見ると、「アーロと少年」とか「メリダとおそろしの森」みたいな感じの「そこまでハネんやろうな〜〜〜」というような感じだけど、フタを開けてみればしっかり者の女と荒くれ者の男と完全に頭が狂ったニワトリがガチっと組んで世界を救うために大バトルを繰り広げるという全然イメージの違うものであった。

 

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突然入り込む歌と踊りもめちゃくちゃ楽しいし、それが中ボス戦にも取り込まれているのがとっても素晴らしかったな。何にでも変身できるマウイの武器を取り戻すためにヤドカリのモンスターと戦うんだけど、そのヤドカリがゴキゲンな音楽にのせて歌いながら二人をなぎ倒していくのが斬新すぎたな〜〜〜

 

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こんな感じですげ〜楽しい曲なのにどんどんピンチになっていくんですよ。ただ戦うだけじゃない細かい演出と効果は本当に頭が下がるばかりでした…海のCGの感じももはや実写だし、どこまで突き進むん!?って思いますよね。ビジュアルだけでつまらなさそ〜と思った人こそ裏切られるので今すぐ見に行くべき!マウイの決め台詞「例は結構」はマジで最高に震えるぞ

 

【予告】

 

映画感想 - ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2016)

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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

★★★☆☆

 

【あらすじ】

どこにでもいる地味な少年ジェイクは幼少のころから、祖父から嘘みたいな奇妙な人々と暮らしており、そして自分はモンスターと日夜戦っていたという武勇伝をいつも聞いていた。ジェイクが16歳になったある日、大好きだったおじいちゃんの目がくり抜かれて殺される事件が発生した。死ぬ間際に「ケインホルム島へ行け。そこで1943年9月2日に戻るのだ」と指示される。おじいちゃんの言葉の意味を解き明かすためその島へ向かう。

 

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【感想】

ティム・バートンお得意の何か変な奴がいっぱい出てくるファンタジックなやつ。この色んな特殊能力を持ってる子ども達が出て来る…というプロット見た時点で「ああ〜終盤このこいつらの変な能力を使った連携プレーで悪党をなぎ倒していくんだろうな〜」とわくわくしてたんですが、期待値が上がりすぎてそこまで目の覚めるような展開ではなかったかな。もっとジョジョ5部みたいな知略の限りを尽くして戦ってほしかったよ。

 

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空気より軽くて浮いちゃう子、体内に蜂を飼ってる子、ずっと透明な子、後頭部にでっかい口がある子、物に生命を吹き込める子など、さまざまな特殊能力を持ってる子どもたちや、ペレグリンと子どもたちは1943年の9月2日を永遠に繰り返しており、その設定と理由付けなどはもうティム・バートン好きそうだね〜って感じで原作との相性よかったな。敵もジェイクしか見えない上にかなりきもいという設定もよかった。キャラクター、世界観、ともに良かったのに何故そこまで燃えあがらなかったんだろう…。う〜ん。さらに調べたところによるとずっと布をかぶった双子は映画オリジナルらしい。終盤明かされる能力とかを考えると「いれる必要あった…?」とは思った。課題の残る作品だったな〜。頑張れティム・バートン

 

【予告】

映画感想 - ナイスガイズ!(2016)

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ナイスガイズ!

★★★★☆

 

【あらすじ】

1977年ロサンゼルス。示談屋ジャクソン・ヒーリーは、天然系探偵のホランド・マーチを相棒にし、とある少女の失踪事件を捜査することになった。マーチの娘ホリーも同行して聞き込み調査を進めていると、様々な不審死事件の被害者が失踪した少女に関係のある人物だった。やがて全てがつながる時、大いなる陰謀が明らかになる…!

 

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【感想】

70年代のアメリカの雰囲気を完全に再現したオールドスタイルな探偵バディムービー。最近「ラ・ラ・ランド」でその名を上げたライアン・ゴズリングが主演。新宿バルト9はこの二作が同じフロアで上映されていたのでさながらゴズリング祭りであった。

ストーリーは連続不審死事件がどんどん失踪する少女につながっていくという感じの割にそこまで特筆するほど面白いものでは無かったが、とにかく70年代の雰囲気と凸凹コンビのやりとりが楽しい一品。特にライアン・ゴズリングがとにかく失敗だらけなのが最高。

 

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挙動がおかしい

 

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めっちゃ腕切る

 

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色んなところから落ちる!

 

みたいな感じでとにかくボコボコになるんですよ。ラ・ラ・ランドとは全く違うグズおじさんで常に色んなダメージを食らってるのがめちゃめちゃ面白い。さらに様々な殺し屋がやってきて襲い掛かってくるけど牛面人ミノタウロスみたいな巨体ラッセル・クロウとともに危機を乗り越えていく様が楽しいよ。

 

…そんなことはどうでも良くて、ホリー役のアンゴーリー・ライスちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!100億年に一人の逸材〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!かわいすぎる〜〜〜〜!!!!!

 

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かわいい

 

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かわいい

 

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かわいすぎるって

 

かわいすぎるから〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!それに尽きる。これもドラマシリーズ化希望

 

【予告】

映画感想 - ラ・ラ・ランド(2016)

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ラ・ラ・ランド

★★★★★

 

【あらすじ】

映画スタジオのカフェでバイトするミアはいつか大女優になることを夢見てオーディションを受けまくっている。ジャズピアニストのセブはいつか自分でバーを開いて好きなジャズを思う存分演奏したいと夢見ている。そんな二人が出会ってお互い励まし合いながら夢を叶えて突き進む…。

 

【感想】

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夢と魔法の2時間かって。話は恐ろしいほど普通だったけど全ての歌とダンスと曲と演出が最高すぎたので「最高の映画かい」と思いました。夢を叶えることと、現実を知ること、大人になること、人生の全てが詰まっておりましたよね…うえっうえっ。私からは以上です。

 

【予告】

 

ちなみに、こちらの記事をもって映画感想記事が800になりました。どんだけ〜

映画感想 - キング・オブ・エジプト(2015)

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キング・オブ・エジプト

★★★★☆

 

【あらすじ】

人間と神がともに暮らす古代エジプトを統べる王オシリスは、その王座を息子の天空の神ホルスに継承させようと戴冠式を執り行おうとしていた。滞りなく終わるかと思ったが、途中で弟セトが乗り込んできてオシリスをぶっ殺し、逆上して襲いかかったホルスの両目も奪った挙句、エジプト全土を乗っ取ってしまった。

セトは人々に奴隷のような生活を強いても〜大変。ホルスも行方知れずだし。でもこのピンチを救ってくれるのはホルスだけ…!そう思ったコソ泥のベックは警備の厳しい宝物庫からホルスの右目を奪い返すことに成功。ワンチャン巡ってきた神ホルスは人間ベックとともに行動し、困難を極めるエジプト奪還計画をスタートさせる。一体どうなるの〜!

 

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【感想】

神と人間が共存しているエジプトで繰り広げられる神々のドンチャン騒ぎなんだけど、いや〜〜〜「ディス・イズ・エンタメ」って感じで良かったですね…。何も考えずに見れるし、バトルモードに変身した時の神々のキンキラキンのビジュアルがとにかくカッコイイんですよ。他の神も、分身が何人もいて知識を共有したり、めちゃめちゃでっかい蛇を乗り回したり、森羅万象全てに愛され過ぎるあまり死後の世界の魔物にも好かれた挙句に魔封じの腕輪をつけていないと冥界に引きずり込まれて即死する愛の女神や、死ぬほどでっかい砂のスフィンクスが出てきてクイズを出してきたりと、皆がどこかで見たことのある神様が出てくるのが熱い。

 

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さらに「太陽を引っ張って昼と夜の概念を作ってるジジイ」が「燃えながら巨大化」して「杖から爆発火球を放って」「世界の裏側にいるデカイ冥界の魔物と日常的に戦う」…といった余りにも壮大すぎる世界観が最高。死ぬほど風呂敷広げまくって全ての常識が通用しない神々の生態を描ききった監督はすごい。映像ももちろんド迫力で言うことなし。さらに神々は人間より若干デカく、↑みたいな腐女子が喜びそうな凸凹コンビ珍道中も楽しい。悪役のセト神は「300」ジェラルド・バトラーだし圧倒的インパクト!世間的には評判悪いけどそういうの忘れて見るとかなり楽しいよ!

 

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ちなみに吹替えで見たところ、神々の方は中村悠一沢城みゆき小山力也と盤石なる体制だったのに対し、人間側の主人公ベックを玉森裕太(キスマイ)、ヒロインのザラを若手女優が担当していたんだけど、公開処刑や…としか言えないぐらいやばい吹替えでした。さらに言うとそのザラどのはめちゃめちゃおっぱいを強調している衣装で、「出てきてくれ〜ウッヒョ〜」という願望と、吹替えがマジで終わりすぎてる故の「出てこないでくれ…」という本音がぶつかり合うジレンマに悩まされてしまいました。おい!映画見ながらそんなことで悩みたくないんだよ!タレントを使って集客して話題を作りたい気持ちは分かるけど、だからって素人同然の奴に吹替えやらせるなって!何度人は同じ過ちを繰り返す!スタッフも「これやべえな」って思ってただろ!砂の魔神スフィンクスも大砂嵐というお相撲さんがやってて、絶対名前だけで選んだだろと思った。おい。ふざけんなよ。まあ最後に熱くなっちゃってめちゃめちゃ言ったけど、映画自体はかなり壮大でめちゃくちゃ過ぎて笑っちゃうので皆さん見ましょう。歴史考証は多分してないと思いますが。

 

【予告】

映画感想 - キラー・インフェルノ(2016)

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キラー・インフェルノ

★☆☆☆☆☆

 

【あらすじ】

車で荒野をひた走るカップル。しかし途中でタイヤがパンクし、近くの民家に助けを求めた。しかしそこはまさに殺人が行われた現場だった!しかしこの二人は全くひるまない。何故ならこのカップルもまた連続殺人鬼だったからだ!

 

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【感想】

私は基本的に映画は褒めまくり、ダメな映画だったとしても良かった探しはする方なんですが、う〜〜〜んこれは、つ、つ、つ、つまら…いや、よそう…こんな話は…。一定時間でゾンビになったり人間に戻ったりしてわちゃわちゃしちゃうホラー「サマー・インフェルノ」と邦題もジャケットも完璧に似せてきてる割にそれを超えるクオリティでは全然無かったし、ストーリーラインにある最初に殺人を起こすジジイはそこまで根っからの悪人ではないところに齟齬があった。つ、つまらな…いや、言えない…!あと、連続殺人鬼のカップルも思想がやけに高尚なのもちょっと釣り合ってない気がした。「人間とは?」「殺人とは?」みたいな小難しい永遠のテーマをC級映画で語られてもな…。もっと単純でいいよ!無理すんな!

 

【予告】

 

【ジャケットタイトルパクリ元】

こっちの方が全然マシ

映画感想 - デッド・フレンド・リクエスト(2016)

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デッド・フレンド・リクエスト

★★★★☆

 

【あらすじ】

女子大生のローラは友達や恋人に恵まれたウルトラスーパーリア充で、SNSにそのリア充っぷりを遺憾なく発揮していた。

 

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そんな中、マリーナという同級生から友達申請のリクエストがあった。マリーナはSNSの友達数が0で、黒いパーカーのフードを常にかぶったかなり地味な奴だったが、ローラは彼女の投稿する奇妙な動画のセンスに惹かれて友達承認。初めての友達ではしゃぐマリーナはローラと遊ぶ約束を執拗に取り付けようとするが、そこまで親しくはないので華麗にスルーしていた。

 

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しかしこの行動がマリーナの逆鱗に触れ、「わたしたち友達でしょ!」と暴走。取っ組み合いになってしまうがマリーナのフードの下の姿が露わになり、そのまま逃げるように立ち去った。他の友だちに「ローラのせいじゃないよ」と励ましてもらったが、週が明けた月曜日、マリーナが自殺したという連絡が入った。うそでしょ…?そしてそこからマリーナの呪いが始まる。友達を一人ずつ殺していき、さらにその殺人動画を勝手にローラのアカウントでUPし、さらに友達全員にタグ付けして全員のタイムラインに載せていったのだ。何故か動画を消すこともできなければ退会も出来ない。ローラの人格が疑われどんどん友達数が減っていく。そして一人、また一人と大事な友達が死んでいく。一体どこまで続くのよ〜!な、話

 

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【感想】

未体験ゾーンの映画たち2017」にて。ドイツ発のSNSホラー(でも言語は英語)。似たようなSNSを使ったホラーといえば「アンフレンデッド」がありましたね。あれはskypefacebookを巧みに利用したPC画面だけで展開される珍しい構成だったけど、こちらはティーンエイジャー向けのわっかりやすいホラーという感じ。濃いめにホラーシーンや大音量でのビビらせを展開し、超絶リア充だったローラがどんどんひどい目に遭っていく姿はかなり痛快でした。

「ここでビビらせ来るぞ!」と思わせるベタなカメラアングル(冷蔵庫を開いて飲み物を飲み、閉じると…!みたいなの)が結構出て来る割に、こちらの予想から少し外して思いっきり来たり、そうかと思えば変化球なしド直球ストレートにビビらせてきたりと、起伏の激しいビビらせは結構疲れるけどここまで正統派なビビらせで来てくれると逆に好感が持てましたね。是非大学生グループでキャッキャ言いながら見てください。

 

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ド直球の例

 

完全にSNSのUIはfacebookなんだけど、よくよく振り返ってみると一切その名前が出てこなかったのがすごいな、と思った。呪いで退会出来ないし、運営に問い合わせても「無理っすね」みたいに突っぱねられて印象が良くないのであくまで架空のSNSにしているような気がする。しかしインターネットから攻めてくるような、時流にのっとった悪霊のホラー、今後も様々なパターンで出て来るんだろうな〜。

 

【予告】


SNSホラー関連】

 

ちなみに今作の主役はローラで、「アンフレンデッド」で呪いをかける女の名前もローラでした。SNSホラーにローラあり。

映画感想 - ザ・モンスター(2016)

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ザ・モンスター

★★★★★ 

 

【あらすじ】

キャシーは、一人娘のリジーと二人暮らし。アル中でシングルマザーのキャシーの生活はだらしなく、身の回りの世話や家事は全てリジーが行なっていた。言い争いをしながらもお互い支え合って日々暮らしていたが、リジーの将来のことを考えて別れた父親の元に預けることを決心する。出発直前まで眠り込んでいたキャシーだったが、何とか叩き起こして車を走らせる。旅路は夜中まで続いた。暗闇が広がる大雨の森の中を車でかっ飛ばしていると、突然目の前に現れたオオカミを避けきれず衝突し、その衝撃で二人とも軽傷を負った上に車も動かなくなってしまった。

 

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JAFみたいな補修サービスと救急車を呼んで待っていたのだが、気がつくと完全に死んでいたはずのオオカミが忽然と消えていた。さらに何か、ただならぬ気配を感じる。車の整備工がようやくやってきて修理に取りかかっていたのだが、そこに満を持して「怪物」が現れ、餌食となる…!このままだと二人もやられる!キャシーとリジーの運命やいかに。

 

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 整備工〜!うしろうしろ!

 

【感想】

未体験ゾーンの映画たち2017」にて。「母と娘が森で怪物に襲われる」という手垢のついたプロットながら、その怪物は二の次にして母と娘の愛憎入り混じった絆を綿密に描いた力作。非常にエモーショナルな仕上がりになっていて、単なる怪物もので終わらない良さがありました。これは良いですよ皆さん…。

 

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森の中だけで90分見せていくのに全く退屈しなかったのは、やはり合間に挿入される母と娘のエピソード。娘主演の学校の演劇発表会を見に行くつもりだったのに「大嫌い!来ないで!」と突っぱね、母もそこで「クソガキ!クソガキ!」と連呼してしまったり、断酒中で娘に応援されているのにどうしても辞められずに酒を飲んでしまった挙句にトイレで酔いつぶれてしまった母を娘が優しく抱きしめる…など、ケンカばかりしているのに離れることの出来ない共依存の関係が生々しく描写されていきます。

 

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この微妙な関係性が、圧倒的な力で食い殺そうとする怪物と対峙することでようやく崩れ、自分たちの素直な感情をぶつけ合うようになる…という流れが非常に美しく、感情を揺さぶられました。生きろ!生き延びてくれ!そしてそう応援せずにはいられない見事な構成でしたね。「あんただけは逃げて生きて欲しい!何故ならあんたはあたしが生きてた証だから…」という母の使い古されたセリフも絶体絶命の状況で感情移入もしまくってるのでむちゃくちゃ染みましたわ…。

 

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怪物は暗闇でなかなか姿は見えないながらも、CGに頼ってないアナログな感じが懐かしく、しかし恐怖感とインパクトとビビらせはかなりのもの。正体とか、何故この森に…?とか、そういうのはマジで解明されないんだけど、ほんとそんな些細なことはどうでもいいんです。この二人の絆がテーマであり、怪物はそれをお膳立てしてくれる存在にすぎない使い方も、下手すればどっちも中途半端になりそうだけど、巧みな構成で飽きさせずに最後まで楽しませてくれた監督の手腕に感謝。次作に期待。これはオススメです。

 

【予告】

映画感想 - アブノーマル・ウォッチャー(2015)

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アブノーマル・ウォッチャー

★★★☆☆

 

【あらすじ】

ライアンとクレアの夫婦は、近々うまれてくる子供のために新居へ引っ越した。しかしこの家の大家は完全にキモいおっさんで、クレアは不審がる。しかしライアンは気にせずにこの家を気に入って入居することに。しかしタイトル通り、おっさんは事前にめちゃめちゃ小さい監視カメラを仕込んでおり、思いっきり生活を覗き見しておった…。さらにライアンもおもくそ不倫をしておった…。

 

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ずっとこの顔

 

【感想】

完全なるきもいおっさんがきもい挙動で生活を覗き見する映画。おっさんがきもすぎて笑っちゃうレベルで良いです。同じような覗き見映画の「ハングマン」があったけど、こっちはおっさんの「顔力」がすごいのでこっちはこっちでよかった。きもすぎ。

 

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 覗き見る登場人物、もれなくクソ人間なのが最悪でよかった。ライアンは会社のアシスタントの巨乳ちゃんのハンナと嫁不在の家に呼んでおもくそ不倫をするし、ハンナはハンナで重い女で家に突撃してきたり…。だんだん全てを見ているおっさんに「制裁したれ!!」と肩入れしながら見てしまうという謎の構図も発生して新鮮でしたね。なんでこんなきもいおっさんを応援してしまったんだ…という気分になりました。

 

 【予告】

 

【覗き見関連】

映画感想 - グリーン・ルーム(2015)

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グリーン・ルーム

★★★★★ 

 

【あらすじ】

売れない4人組パンクバンド「エイント・ライツ」は他の車からガソリンを盗みながら、地方のライブに出演するために車を走らせていた。しょぼいバーで演奏したあと、「もうちょっと稼げる場がある」と紹介されたとある山奥の会場はネオナチに傾倒するやばい奴らの巣窟だったが、あえてロックに「ネオナチぶっ殺す!!」みたいな曲を披露し、ブーイングがありつつもそれなりに盛り上げて手応えを感じた。

 

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帰路につこうと思った時に、事件は起こった。メンバーの一人パットが忘れた携帯を取りに楽屋に戻ると、なんと頭にナイフが突き刺って死んでる女がいた。そしてそれを眺める屈強な男たち。さらにパットに「警察呼んで」と泣きつく死んだ女の友達とおぼしき女。えっ、何この状況…???ネオナチ男たちは「何故鍵をしてなかった!」と激怒し、抵抗するパットを含むエイント・ライツ全員を部屋に閉じ込めてしまった。見た者は消す、そんなただならぬ危機的状況に包まれた中で、パットたちは生きてここから帰ることができるのか…?

 

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 【感想】

孤独な男の復讐劇を描いたバイオレンスの傑作「ブルー・リベンジ」のジェレミー・ソルニエ監督の長編二作目。パンクバンドVSネオナチの緊迫の密室バイオレンスなんだけど、おんんんんんんもろすぎわろた!超絶おもしろ!!!!!突然バンドが一気に危機的状況に置かれ、様々な抵抗を試みるも、あれよあれよというまに大ピンチに追い込まれる。もうあかん!全員死んで終わりや!!と思ってしまうぐらいの完全なる絶体絶命にもかかわらず、そこからまたさらに幸運とも言えるほどの逆転につぐ逆転!それがまた気持ちいい!密室劇として最高の出来っっ!!

 

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バイオレンス描写も「ブルー・リベンジ」以上に過激になっており、手がちぎれる寸前まで斬りつけられる、猛犬に首根っこを食いちぎられる、ショットガンで顔面破壊、サーベルで首を斬りつける、などなどめちゃめちゃリアルで痛々しく描写!それがまたマジで逃げられないやばさと誰もが死神に鎌を突きつけられてるような超絶的緊迫感に昇華するんですよ!!それだけに、そこからの終盤のバトルは本当に目の覚めるものでした。

主演は26歳で事故死してしまったアントン・イェルチン。アンニュイな感じのかすれた声と甘いマスクから想像もつかない燃えあがる炎のような迫真の演技が最高でした。何で死んでもうたんや…?惜しすぎるでホンマに…。その他「X-MEN」のプロフェッサーX役パトリック・スチュワートがネオナチのボス、「ブルー・リベンジ」のメイコン・ブレアなど盤石の体制。

 

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また、タイトルにもあるとおり、「緑」がまた印象的に残るのも監督の手腕を感じました。自然の緑、照明による緑、バンドメンバーの髪に染まった緑、身につけたアイテムの緑と、これでもかと緑を全面に押し出してくる。そしてそれが鮮血の赤と人を殺す感情の黒で部屋が染まっていくという流れも対比の演出としてストーリーの盛り上げに一役買っている印象でした。監督〜!!すごいから〜!アントン・イェルチン、まじで最高のバイオレンス傑作の主演で人生の幕を閉じたのでそれだけは幸運だったな…安らかに眠ってください。そして皆さん、今すぐ見に行きましょう!最高なので!!

 

【予告】

 

アントン・イェルチン関連】

 

【ジェレミー・ソルニエ関連】

これも最高なんだけど誰か見てくれ〜!!