映画感想 - シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014)
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
★★★★★
【あらすじ】
ディアゴ(379歳)、ヴィーコン(183歳)、ヴラド(862歳)、ピーター(8000歳)の四人はニュージーランドのシェアハウスで暮らすヴァンパイア。夜になると起きてきて、共同生活のルールを話し合い、楽器を演奏したり変なダンスをしたり、バーに遊びに行くなどかなり愉快な生活をしている。ある日、人間のニックをヴァンパイアに変えてしまい、さらにその友達のスチューを人間のままシェアハウスに招き入れる。果たして四人はどうなる?
【感想】
NETFLIXで見れるんですけど、皆さん、加入してまだこれ見てなかったら今すぐ見た方がいいですよ。面白すぎるので…。まずヴァンパイア四人がお気楽過ぎて最高で、映画の体裁としてはその生活を取材クルーが密着してるんですよね。だから言ってしまえばPOV的な意味合いになるかな。各ヴァンパイアに話を聞いたり、私生活を撮影したりするのを見るのがほんとに楽しくて、今すぐ入居したくなるぐらい。
さらにヴァンパイアの他にも、オオカミ男やゾンビなども普通に人間の世界に溶け込んでいてそれぞれのコミュニティを形成しているという設定もなかなか良かった。オオカミ男の集団とすれ違ってケンカ吹っかけるが意外とオオカミ男が穏健派だったり(ナメられて枝を投げられたら犬の習性で取りに行ってしまうところも可愛い)。
お気楽に暮らしていながら、結局は不老不死なのでせっかくできた友達も先に死んでしまう、でもそこは受け入れて生きていかねばならない…というちょっとつらい側面で深みを持たせて、余計にこいつらのことがどんどん好きになっていく…ドラマシリーズ化してくれ…と願わずにはいられない傑作でした。ヴァンパイアがふわふわと浮かぶ描写は「インセプション」の夢の中を彷彿とさせて良いです。
ともかく、まじで最高で早く見ればよかったと後悔するぐらい良いものだったので、是非ともご覧ください。
【予告】
映画感想 - 呪われた家に咲く一輪の花(2016)
呪われた家に咲く一輪の花
★★☆☆☆
【あらすじ】
有名ホラー小説家のブラム夫人の家に住み込みで世話をすることになった看護師のリリー。しかしこの家には、何かがいる…。
【感想】
NETFLIXオリジナルのジワジワくるホラー。どちらかというとジャパニーズホラー的な「何かがいる」感を極限まで高めた、静かなトーンで進んでいくやつ。合間にブラム夫人の小説のフレーズや、詩的なモノローグ、そしてゆっくりゆっくり展開していくので派手な爆発やスプラッターを求めている人にはかなり退屈かもしれない。かくいう私もそこまでハマることはなく…。
具体的にお化けが出てくる描写は少ないものの、終始いるいる感と不穏な空気を出すのがとてもうまい印象。TVの砂嵐、引っ張られる電話のコード、そして壁の中の何か、シミ…静謐感の中にある恐怖もありっちゃありかと思います。次はバランスを合わせるために大爆発して巨大ゾンビが出てくる映画を見ようかな。
【予告】
【静かなホラー関連】
映画感想 - ロスト・バケーション(2016)
ロスト・バケーション
★★★★★
【あらすじ】
休暇を利用して亡き母が教えてくれたメキシコの名も無きビーチにやってきた医大生のナンシー。父と妹の世話、勉強漬けの日々から解放されるようにサーフィンを満喫するが、やばいサメが出てきて岩礁から動けなくなってしまった。下手に泳いで逃げようとしても確実に食い殺される〜!助けてくれ〜!
【感想】
サメ映画といえば最近は竜巻に乗って街に降り注いだり、タコと合体したり雪山に出たりと創意工夫がなされてますが、こちらはキャスト一人、舞台動かず、怖すぎるサメ一頭だけで90分近くやるという超マジメで緊迫感と恐怖感にあふれた良作でした。まず何と言っても主演のブレイク・ライブリーさんが最高にかわいい。
おきゃわの権化かって。かつセクシーかつ母を亡くして家族の世話と勉強漬けの毎日に追われてるという泣ける設定。そんな献身的な女の子がサメに噛まれて岩礁に避難する!やめてくれやめてくれ〜!食べたら完全にうまそうだけど〜!と一気に入り込むことができます。そして見終わるころには完全にブレイクさんのファンになって画像検索しまくることは避けられないですね。
医大生なのでピアス、アクセサリー、ラッシュガードの袖など今のそこにあるものを使って適切な応急処置をする描写も、設定が活かされていてすごく良かったな。さらに「母が病魔と闘った」という過去もめちゃくちゃしぶとく生き残る理由の一つとして機能しているのもグッド。
サメに襲われて少し怪我をしたカモメ(かわいい)もついでに治す優しさ。このカモメもサブキャラっぽい位置に上がっていく様子も話が単調にならない感じだったね。キャスト・アウェイのバレーボールのように、こういうの良いよね(キャスト・アウェイ見てないけど)。
肝心のサメはもちろん超絶凶暴でめちゃくちゃ盛り上げてくれるんだけど、1時間近くハッキリとビジュアル映らないんですよね。まあサメって分かりきってるからこそ、どこに潜んでいるかわからない恐怖感を煽りつつ、ここ!というタイミングでどや!と出てくる潔さもバランス感覚に優れてるな〜と思った。飽きさせない魅力に作れる監督の手腕がすごいので調べたら、超おもしろホラー「エスター」も作ったジャウマ・コレット=セラ監督で、たいへん納得した次第。ワンシチュエーションもののジャンルではかなりクオリティ高く、安心してみることができてオススメです。ブレイク・ライブリーどの〜〜〜〜!
【予告】
映画感想 - ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
★★★★★
【あらすじ】
エピソード4の10分前までの物語。帝国軍が作り出した超兵器要塞「デス・スター」。建設者のゲイレン・アーソは密かに帝国軍に反発しており、極秘裏にデス・スターの弱点を作っていた。そしてゲイレンの娘ジンとその仲間たちがその重要データと設計図を決死の覚悟で奪還する話
【感想】
エピソード4の冒頭のあらすじでたった一文「反乱同盟軍のスパイが帝国の誇る宇宙要塞である初代デス・スターの極秘設計図を密かに盗み出す事に成功した」で完結していたところをシッカリと補完する外伝的エピソード。と見せかけて、今までのシリーズでも屈指の痛ましい戦争描写のオンパレードでなかなかシビアだったけど、結果的にはめちゃめちゃに面白い傑作であった…。バッタバッタと人が死ぬけど、全て名誉の戦死…誇り高く自分たちができることを全うし、希望を絶やさず死ぬ…この気高さ!!胸が熱くなることは必至。あの一文にこんなに犠牲があったんかいと思うと、この極秘設計図の重み、とんでもないものですね…。
中でもフォースを信じて疑わない盲目バトル僧侶のチアルート(ドニー・イェン)が最高すぎた。自分にフォースの力はないけど、いつかフォースが自分たちを導いてくれる…という信念が皆を突き動かす原動力の一つとなる流れがも〜〜ね。はい、最高。それだけ。ただ前半30分めちゃめちゃ情報量多いのと誰が誰か全くわからず完全に寝ました。すいません。
【予告】
映画感想 - スペクトル(2016)
スペクトル
★★★★☆
【あらすじ】
東欧モルドバにて内乱が発生中。事態を鎮圧させるためにアメリカ特殊部隊が派遣されていたが、デイヴィス軍曹が謎の死を遂げる。彼が装着していたゴーグルの録画映像には、正体不明の幽霊の姿があった。
モルドバにはこのような「肉眼で見ることができない」、「武器も全く効かない」、「さらに触れられると一撃で殺される」という怖すぎる幽霊「アラタレ」が大量発生していた。幽霊vs軍隊のバトルが始まるけど、勝ち目あるの〜!?そもそも原因は一体なんなの〜!?な、話
【感想】
NETFLIXオリジナルのSFミリタリーアクション。正体不明の幽霊軍団VS近未来特殊部隊の死闘を描いているんだけど、とにかく「NETFLIXの資本力、すごすぎ…」という感想しかわかない痛快なやつであった。特殊部隊のメカニックデザイン、アーマー造形、四足歩行ロボット、そしてモルドバ市街地の戦乱の爪痕などなど、とにかくハリウッド映画顔負けに作り込んでいる!どんどんオリジナル作品のスケールがでかくなっているような気もする(そんなに数多く見てるわけじゃないけど)。
幽霊の正体も、予想の範囲では「内乱で死んだ市民の亡霊かな?」とか思ってしまいがちだけどもちろんそんな安直なものではなく、うおおお〜と唸ってしまうような正体だったな。とにかくめちゃめちゃ強いんですよ。見えない、速い、多い、通常の物理攻撃は効かない、触ったら一撃死、そして正体不明。怖すぎでしょ!そんな勝ち目ゼロな状況の中、主人公のクライン博士が目の覚めるような仮説をたてて対策を練っていき、最前線で戦う屈強な男たちが決死の戦いに挑むという構図も脳筋映画ではない感じで良かった。よくよく考えたらシリアスで笑いを排除した「ゴーストバスターズ」だな…うん。でもなかなか面白いので見てみてはいかがでしょうか。
【予告】
映画感想 - 人喰いトンネル(2010)
人喰いトンネル
★★☆☆☆
【あらすじ】
トリシアの家に、放浪の旅に出ていた妹のキャリーがやってくる。トリシアは7年前に夫が失踪して、捜索の甲斐も空しく近々死亡証明書が発行されようとしており、それが気になって訪れたのだ。しかし調査にあたっていた刑事のダニーとイイ感じになって子どもを身ごもっていたのが原因か、夜な夜な夫の幻影に悩まされるようになる。
そんな中、トリシアとダニーは気分転換にデートしようとするが、家の前に夫が7年ぶりに廃人同然の姿でふらっと現れたのである!一体どこに行っていたのか…?
【感想】
「オキュラス 怨霊鏡」「ソムニア 悪夢の少年」「サイレンス」のマイク・フラナガン監督の2010年のやつ。タイトルの通り異界とつながっているのかもしれないトンネルで人が次々に行方不明になっていくやつ。マイク・フラナガン監督はめちゃめちゃおもろいことでおなじみだったけど、これはまあイマイチだったかな…。
具体的に正体が分からないままかなり消化不良で終わってしまうのはちょっと…。分からないまま終わることが逆に良い効果を生む時もあるけど、これは知りたいよ!現実なのか虚構なのかの境が分からなくなってしまうところや、絶妙なタイミングで驚かしてくる幻覚などはレベルが高く、さらに次作の「オキュラス」に通ずるものがあって、そういう意味ではマイク・フラナガンの原点っぽい感じがあったかな。
【予告はめちゃめちゃ面白そうだけどな】
映画感想 - イコライザー(2014)
★★★★☆
【あらすじ】
ホームセンターで働くロバートは、マジメで規則正しい生活を送る優しいおじさんであった。夜中にカフェで読書をするのを日課としていると、水商売をしているアリーナと出会う。夢は歌手である彼女と仲良くなるが、変な客に歯向かったおかげで裏で牛耳るロシアンマフィアの元締めに半殺しにされてしまう。
その話を聞きつけたロバートは単身 元締めのもとに向かいアリーナを引き取ろうとするが、断られた上にバカにされたのでそこにいた子分4〜5人もろとも、19秒で始末してしまった。実はロバートは元CIA工作員で、その場にある物を使って人々をぶっ殺すプロなのだった…!うっかりマフィアを殺してしまったことでさらに上のマフィアのテディ一味に目をつけられてしまう。一体どうなる?
【あらすじ】
実はめちゃめちゃ強いおじさんが世の中の悪をぶっ潰していく痛快なアクションもの。良い。話がシンプルで「アリーナを助けにマフィアの小物を殺しまくる」→「さらに上のマフィアがやってくる」→「さらにぶっ殺す」という分かりやすさの極地なんだけど、デンゼル・ワシントンが余りにもカッコ良すぎるので全てが許される感じになっていたな。
この一瞬で銃を奪う瞬間!良い!
タンカー爆破を背に振り返らずに去る!これは笑っちゃった
みたいな感じで、デンゼル・ワシントンのカッコ良さ・渋さが十分すぎるほどにじみ出てるので良いです。あと娼婦役のアリーナがクロエ・グレース・モレッツで、俺はかなりクロエちゃんが好きなのでボコボコにされてめちゃくちゃ可哀想…早く粛清してくれ…!と拳を握りましたよね。娼婦役もかなりエロいのでそういう意味でも最高。
スプリンクラーで水が撒かれる中、ゆらりと現れるのはシビれる
【予告】
映画感想 - ヘルレイザー(1987)
★★★★☆
【あらすじ】
「組み替えることで究極の快楽が得られる」という伝説を持つルマルシャンの箱を手にしたフランク。そして粛々とパズルをいじくり回した挙句に箱を組み替えることに成功するが、その代償として肉体は粉々になってしまった。
数年後、フランクの弟ラリーは、死別した妻の後妻となるジュリアとともに兄弟の生家に引っ越してきた。新生活を喜ぶラリーだったが、荷物を運んでいる最中に怪我をしてしまい、屋根裏の床に滴る。その血が床に吸い込まれていった影響で、その夜なんとフランクが地獄から蘇ってきた!しかしフランクは骨と皮しかない人体標本のような醜い姿であった。
実はフランクと不倫関係にあったジュリアは、蘇ったフランクを完全な肉体にするために多くの血が必要と説明され、夜な夜な男を連れ込み、殺し、吸収させていった。そのことに気付いたラリーの娘カースティは、ルマルシャンの箱を偶然持って逃げ出し、さらに地獄からやってきた魔道士(セノバイト)たちと対峙する…一体どうなる!?
【感想】
30年前のカルト的な人気を誇るホラー。ピンヘッドを始めとする魔道士(セノバイト)のビジュアルが最高にカッコイイ〜〜〜〜〜!やっば〜〜〜。
このカッコ良さ、ちょっとえげつないレベルだったので、そりゃ根強いファンもいるのも納得だな〜と思った。もっといっぱい暴れまわるのかと思ったら、意外と出番は少なく後半30分ぐらいだったけどね。「地獄から蘇ったフランクが肉体を取り戻そうとする」ってところが基本的なストーリーで、つっこみどころもありつつフランクが死に物狂いで生きようとしている姿がなかなか印象的であった。復活してくるシーンもかなり鮮烈で見る価値はあると思う。
↑肉体がまだ戻ってないフランク
今見ると時代を感じる髪型や服装、ややしょぼめのCGなど見劣りする部分はあるけど、そのあたりに目をつぶればそれなりに楽しめると思います。とにかく魔道士たちの世界観と造形ビジュアルが余りにも凄い。まあファンは多いから今さら自分が言うほどのことでもないけどね。ところで続編がめちゃくちゃ出てるけど、面白いのかな?どんどんつまらなくなっていったらどうしようと思うと、なかなか食指は動かない。
【予告】
映画感想 - オキュラス 怨霊鏡(2015)
オキュラス 怨霊鏡
★★★★★
【あらすじ】
古物商のケイリーは、11年前に両親を亡くした上に弟のティムも殺人罪で精神医療施設にぶち込まれるというつらぽよな過去があった。ケイリーは当時から家族を狂わせたのは家にあった「鏡」が原因であると結論づけていたので、ティムが退院したタイミングで二人は当時の家で再び鏡と向き合う。鏡に人を狂わせる魔力があることを証明するために…。
【感想】
聾唖の小説家が殺人鬼に襲われる「サイレンス」、夢が具現化しちゃう少年を巡るファンタジー「ソムニア 悪夢の少年」がめちゃめちゃ面白かったマイク・フラナガン監督の、少し前のやつ。結論から言うと、めちゃくちゃこわ面白い…。この監督、ハズレなさすぎ…っっっ!
まずお伝えしなければならないことは、中盤以降、「鏡に呪われてしまった父と母から逃れようとする姉弟の過去」と「10年後に再び鏡と対峙する現在」が見事すぎる映像マジックで鮮やかに交錯していくんですよ。こんな演出、今までに見たこと無かった!「過去に何があったのか」と「鏡にリベンジを果たすことは出来るのか」という二軸のストーリーをここまで大胆に過去と現在を織り交ぜて見せられるのかよ〜とかなり感動いたしました。これは一見の価値ありだと思います。
鏡は具体的に呪いを発するとかそういう見た目の分かりやすさではなく、気がついたらおかしなことになってるという幻覚を見せてくるのがまた怖かったな。ちょっと目を離した隙に設置していたカメラや植物が動いていて、録画していた映像を見返したら実は自分たちが動かしていた…とか、リンゴをかじりながら切れた電球を取り替えていて、再びリンゴをかじったらそれは電球で、口の中が血だらけになってア゛〜〜〜〜〜ってなったと思ったら本当にかじっていたのはリンゴだった…という感じで精神的にジワジワ追い詰められていく描写がとても良かったぞ。
そういう感じで、過去と現在の交錯と鏡による幻覚で、何が真実で何が幻なのか、ほんとに全く分からなくなってくるのも怖かったな〜。全ては姉弟の妄想なのか?という見方すらありえてくる怖さったら。ホラー演出は極力おさえつつ、安易に驚かさない堅実な怖さを突き詰めて派手なゴア描写は無く、コアなホラーファンはそういう演出面では物足りないかもしれないけど温度感としては全く問題ないかなと思いました。むしろ全年齢で見れる健全さもあるのではないかな。は〜面白かった。最後まで惑わされ続けた挙句の、全く救われない無い展開も最高!マイク・フラナガン監督、すごすぎ!
【予告】
【マイク・フラナガン関連】
神がかった面白さ
設定一つなのに圧倒的に面白い
映画感想 - ドント・ブリーズ(2016)
★★★★★
【あらすじ】
育児放棄された少女ロッキーとその妹は、終わってる両親たちとの生活から抜け出したいと思っていたが、そのためには多額の金が必要だった。と言ってもそんな大金が簡単に舞い込んでくることなどあるはずも無く、無意味に空き巣をして自堕落に生きていた。
そんな状況の中、彼氏のマネーがとある情報を入手する。それは「街のはずれに住む退役軍人のジジイ、自宅に30万ドル以上隠し持ってる説」というものだった。コソドロ友達のアレックスも巻き込んでいたロッキーは、これで最後と3人でそのジジイの家に忍び込む決意をする。金を盗んで、妹と一緒に新天地で暮らすのだ…!
裏口から回ってセキュリティアラームを解除し、窓を破って滞りなく侵入。そして怪しい部屋に目星をつけて鍵をこじ開けたところで、眠っていたはずのジジイが目を覚ましてきた…。
ジジイは盲目。こちらは銃がある。脅せばすぐに終わる。マネーはそう思っていた。しかしその目論見はもろくも崩れ去る。何故ならジジイは盲目というハンデがまるで無いかのような超人的感覚の持ち主だったからだ!そして一瞬で銃を奪いマネーを羽交い締めにし何のためらいも無くぶっ殺してしまう!やばい!!存在が知られると私も殺される…!さらにこの殺人鬼ジジイはたちまち全ての出口に錠前で鍵をかけ、侵入した窓を板で張り、閉じ込めてしまった。ロッキーとアレックスは息もできないこのやばすぎる状況から逃げられるのか…?
【感想】
この冬、もっとも注目すべきホラー、ミラクルパワー(試写会)にて観賞。めちゃめちゃこわ面白い!!!!「家に侵入したら盲目の殺人鬼ジジイに返り討ちにされる」っていう設定の時点で絶対に見なければならないやつだ…と確信させてくれつつ、アイデア一発勝負で終わらないしっかりとした恐怖と威圧感で90分満たしてくれたのがマジで素晴らしかったです。
あっさり人を殺すシーンを見て完全にやばいジジイっていうことを登場人物&観客の頭に強烈に叩き込んだところでジジイが再び姿を現すと、「存在がバレたら殺される…!」という気分になって見てるこっちもマジで息を止めちゃうんですよ!この張り詰めた緊迫感の表現が余りにも凄まじかったな。ほんとに一定時間「無音」になるんですよね。そしてじっくり辺りを観察し、また消えていく…というこの緊張感、最高すぎ。クゥ〜〜。ちょっと長めのワンカットも効果的に使ったり、鍵がかかった地下室の先にあるものも話を転がすのにうまく作用していてお見事だったな。その後も全く飽きさせない展開で最後まで驚きと怖さのラッシュで大満足!素晴らしいわ!
見てください、ジジイによって電気のブレーカーを落とされ、完全な闇が広がった時の、ロッキーのこの表情。1000億点でしょ!リメイク版「死霊のはらわた」で取り憑かれるミアを演じたジェーン・レヴィさんによる圧倒的な演技も大変良かったし、アレックス役のディラン・ミネットも頼りなさそうで必死に頑張る様子もなかなかいい感じ。そしてこの映画を最高なもんにしてくれたのは、もちろんジジイ役のスティーブン・ラング…。
威圧感、恐怖感、サイコパス感、悲壮感、全ての感情をごちゃ混ぜにして「理解不能なやばいジジイ」を猛然とやりきっておりました。コワすぎ。話はシンプルだけど片時も目が離せない展開と緊張感は超必見!16日公開だから、絶対に初日に見に行ってくれよな。
【予告】